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異文化交流①

 馬関係は爺さんがついでに手配した専門家がいるので、そちらに任せる。

 馬房と馬を放すための柵で囲った土地ぐらいは用意したので、あとは頑張ってほしい。




 それよりも問題は蛮族である。

 彼らの扱いに困っているのだ。



 女子ともばかりではあるが、仕事が全くできない役立たずではないので、飯代という名目で仕事を回している。

 彼女らにしてみてもタダ飯が出るなどとは思っていないので、仕事の割り振りは簡単な交渉で何とかなった。


 そちらはいいが、蛮族の彼らとの交渉は言葉の壁があるため、非常に面倒くさい。彼らがこちらの言葉を理解できるのは彼らに王国の民を浚った過去がある為で、族長の母親でもあった浚われた相手が息子に王国語を教えていたらしい。

 俺としてはまず彼らは彼らだけで生活させ、徐々に村の連中の中に溶け込ませる作戦を取りたかった。

 しかし族長の青年が求めるのは、子を産める女を俺に献上し、子種を貰う所から始めたいと言っているのだ。


 族長にしてみれば言葉の約束よりも血の絆が優先されるので、女を俺に贈る事を何としても実現したい。彼らの常識に照らし合わせて考えると服従の意味もあるので、俺と子作りをするのは譲れないラインという事になる。

 しかし、俺にそれを受け入れる気は無い。というか国の許可を得ずに俺が結婚――子作りだけとはいえ――をするのは非常にまずい。遊びならともかく、俺の子と認知することも含めてのエロ行為は国への反逆に等しい。嫁獲りは横に置けるがせめて国の認可が欲しい。

 だから話し合いが平行線になる。



 つまり、王国の方針が決まるまで大したことができない訳だ。

 俺も王国貴族だからね、一応。


 どうでもいいが、法律関係に詳しい法務官にも確認してみたら「対応する法律はありません」と返された。

 法務官の話では未発見の連中との交渉に関するルールを決めている国の方が少ないそうだ。

 今の時代、未発見の国とか珍しくも無いと思うんだけどな。大陸の果てまで旅する連中がいる為か、そっち関係はあまり細かく決められていないようだ。


 ……法律がその程度なら、島の連中との関係がバレて何か言われたとして、いざとなってもごり押しできそうだな。



 蛮族の扱いについては大体そんな感じだ。もうなるようにしかならない。





 公爵家に恭順した貴族領でため池を作る仕事の方、それが俺にまで回って来た理由だが、単純に数が多かったというだけであった。

 兵士も動員しているが、監視が楽になったとはいえ国境警備の人出を減らし過ぎるのは悪手という意見が大半で、多くの兵を動かせない。そのままでは水不足で消えるだろう村もあるという事で、俺に依頼が来たわけだ。


 兵士では実作業時間より移動時間の方が長くなるし、何より資材が多く必要になる。

 それに引き換え、俺なら高速で多くの村を回れるし、資材も不要。彼らも金銭はあるので水不足の解消が早く済むならそれに越した事は無いわけだ。



 ついでなので、水不足の村の近くにある森の中に踏み込んで、小さい池をいくつか作っておく。

 水場があれば森の生き物も暮らしやすくなるし、そうやって森が活性化すれば水不足にいい影響が出るんじゃないかな?

 具体的な効果は保証しない。ついでに補償もしない。黙って無断でやってるし。


 人はそれを、善意ではなくただの実験と言う。

 グラメ村とシュクレ村の間には森が広がっているけど、そっちでやっても変化が実感できないからね。数年がかりで変化する可能性もあるし、長期的に継続的に調べようと思うと実験するのは人が住んでいる地域の方がいい。



 実験の経過を見る為に、たまには様子を見に来るので致命的な事にはならないと思うよ?

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