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8年目の終わり

 今年の新年祭は特に大きな波乱やイベントも無く終了した。

 爺さんから馬を贈られるという事で、その受け入れ態勢を冬の間に整える必要があるけど、強いて挙げる出来事といえばそれぐらいだ。





 その代わりと言ってはなんだが、戻ってからは色々とあった。

 特に大きい問題は二つだけだったが。



 まず、医療関係。

 グラメ村には冬に仕込まれて今年産まれたばかりの赤ちゃんたちが20人ほどいた(・・)んだけどね。

 生後半年も経っていない赤ちゃんに死者が出た。俺のいない間に。


 腹ペコでもなくオシメにも問題なく。なのにいきなり泣き出した子がいたんだ。

 母親が出向いてもなかなか泣き止まず、しばらくすると落ち着くのであまり問題視していなかったのだが。徐々に泣き出す頻度が増え、最期には便のような臭いものを吐くようになり、意識を失ってそのまま死んだ。


 火葬する前に親に内緒でちょっと調べてみたが、内臓の一部が駄目になっていた。

 腸のあたりが捻じれて詰まり、機能しなくなっていたのだ。


 赤ちゃんが泣いて喚いても不思議な事ではないし、たまに泣き止むのなら泣き止まなくてもあまり気にしないのがうちの村だ。その方針で育児を進めていたが、それが最悪の結果を招いてしまった。

 俺の不在も重なって何もできなかった訳だが、これらの事例は貴重な医学の礎として記録していくことになる。


 他にも流行病や風邪といった病気関連の問題が頻発し、冬の間は慌ただしくなってしまった。

 新人を受け入れ、人が増えたことでこういった問題が倍加したのだろう。移民問題はその辺も運んでくるからなぁ。



 もう一件。と言うか、もう一軒?

 家屋の倒壊があった。

 冬の積雪に耐えきれず、家が倒壊したのだ。

 俺が作った家は積雪関係にも気を使っていたが、それでも想定外の大雪があったために家が潰れたらしい。


 幸い、冬の間の生活基盤は個人・家族用の家屋ではなく集団生活用に作ったドームの方に移してある。人的被害は無かった。


 家の方を新しく作り直したが、こういった事は今後も起こりうる。

 今のうちに対策の一つでも考えておくべきだろう。もしくはそういうものだと割り切ってしまうか。

 費用対効果の計算も大事だが、ついでに俺に頼りすぎる対策を考え付かれても困るからな。俺に頼るのはどの程度の費用がかかるのと同じだと見込めばいいのか、その計算も面倒だし。


 こうなるともっと北にあるシュクレ村の方で家屋倒壊の話を聞かないのはちょっと不思議だ。

 あっちの方が雪は深いはずなんだけどな。その分だけ対策をより重視したのが功を奏したのか? 一部導入することも検討しよう。



 大きな問題はその二つ。

 すぐに解決するわけじゃないので、今後の課題として考えていく。

 いつも通りその他細々とした問題を解決しつつ、グラメ村は春を迎える。


 雪解けの日は近い。

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