No. 32 彼等の進む道
基地から1km先の高速道路…
「うわあぁぁぁぁぁ!!!!」
ドガアァァン!!
零は今や放棄されボロボロになった高速道路の路面にバイクごと叩きつけられる。
「痛ってぇ…」
普通の人間ならば痛いでは済まないが零は昔、オトナのとある研究所に捉えられていた時、身体改造により常人以上の強度を手に入れているので問題ないのでご安心頂きたい。
『おーい、通信入ってるー?』
Nからの通信が入り、視界にNの顔が映る。
「ああ、入ってるよ」
『あ、二投目行ったから気をつけてねー』
「え?」
零は慌て自分の飛んできた方向を向く。
向いた方からは2つの何かが、こちらに向かって飛んで来ていた。
「のわあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわっ!」
ドガアァァン!!!
零が飛び退くと丁度零のいた地点にリクとバイクが落下してきた。
「だ、大丈夫か?」
「いつつつ…ふっざけんな!あのクソ司令!!!」
リクは飛んできた方向に向かって吠える。
「まぁ、落ち着きなって」
「落ち着いてられるか!今の衝撃で腕時計粉々になっちまったぞ!」
リクは腕に付けてある壊れた腕時計を指差す。
「うわ、本当だ…でも、ここまで雑に飛ばされて無事でいられる自分達が怖いな…」
「た、確かにな…劣化してたとはいえ、アスファルト抉る威力で突っ込んでも擦り傷程度とはな…」
「よく見るとバイクもほぼ無傷だし…」
「マジかよ…うわ、むしろ輝く位無傷だ…」
「どういう作りしてんだよこのバイク…」
その時、視界にトシの顔が映る。
『ふふふ、気になるだろう』
「あれ?トシ?」
『ああ、師匠のマイク貸してもらってる』
「ふーん。で、バイクにどんな改造施したの…」
『そのバイクはな…どんなに乱暴な運転でも耐えられるように特殊金属の三重ブレンド装甲に加え、衝撃を受けた瞬間に展開する微粒子シールド、さらに傷が付いてもボディ内に格納された修復用ナノマシンで自動修復されるのさ!』
「何その超豪華システム…」
『俺は物を作る時は常に最高品質で作るのが俺のやり方だ』
トシの自慢話しを聞いていると視界上部に赤いCautionの文字が表示され、Nが困り顔で言った。
『話し中の所悪いが、アンドロイドが数機、そちらに向かっている。多分さっき落ちた時の音を聞きつけたらしい…』
「マジで?戦うの面倒だし、さっさと逃げよう」
零はバイクに跨り、エンジンをかける。
「オイオイ、全部ぶっ壊してから行こうぜ」
「そんなんじゃあ時間かかるだろ、どうせなら走りながらチェイスバトルで潰せばいいだろ」
「それもそうだな…」
「じゃあさっさと行くよ」
「へいへい…」
二人はエンジン全開で走り出した。
しかし余りにも速過ぎたせいで零は一瞬振り落とされそうになる。
「うわっ!ちょっ!?速っ!」
「何言ってんだ零、全然普通じゃねぇか」
「そう言えるのはこの世にお前ぐらいしかいねぇよ!!!」
零は体制を立て直しながら叫ぶ。
すると今度は視界に赤いWarningの文字が表示されNが真顔で言う。
『敵機急接近、多分もうマークされてる。数は5機、全て飛行型だ。迎撃するかはそっちに任せる』
「りょ、了解…」
なんとか体制を立て直した零はバイクのハンドルに取り付けられたミラーで後ろを確認する。
ミラーには数機のアンドロイドが飛行しながらこちらに向かってくるのが見えた。
「うわ、マジで来たし」
『ターゲット視認、フォーメーションΔ』
アンドロイドは加速しながら零達を三方向から取り囲んだ。
「…んで、どうするリク?」
零は少し笑いながらリクに聞いてみた。
するとリクはフッと鼻で笑いながら言う。
「ンなもん決まってんだろ。引き摺り下ろしてぶっ壊す」
「だよねぇー」




