表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーカー大陸:楔 活躍するやつほとんどジジババ  作者: 一戸雄基


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/44

第二十一話

AC歴七百五十五年


 コンスティテューションの旧市長屋敷大広間を利用してアンギルダンは南部攻略作戦会議を始めた。


「さて、どこから行こうかのう」

 巨大な戦斧を傍らに置きながらアンギルダンは楽しそうに言った。


 皇帝イノスから南部攻略の指示がきたのは、アンギルダンがコンスティテューションの兵や傭兵を加えて自身の軍を再編成している最中だった。


「まずはシスバーガリかコンパルドの何れかでございましょう」

 と部下の一人が言った。


「ほお、なぜだ?」

「チュワモントに攻める場合、シスバーガリとコンパルドの双方から挟まれる可能性がございます。であれば先にそちらを潰しておくが定石かと」


 なるほど、とアンギルダンは頷いてみせ、

「セシル、どう思う?」

 副官のセシル・リヴァイアに訊ねた。


「私もその通りかと思います」

「ふむ。皆の意見、よくわかった。だが儂はまずチュワモントを落とそうと思うとる」


 アンギルダンの言葉に皆がざわつく。


「その場合、シスバーガリとコンパルドの双方に挟まれる可能性はどのようにお考えなのですか?」

 他の者の想いをセシルが代弁した。


「シスバーガリはくるかもしれんが、コンパルドの腑抜けは動かんじゃろう。上手くいけばあの腑抜けどもは戦わずして降参してくるやもしれんぞ」

「コンパルドが動かないという根拠は何かあるのですか?」

 セシルが詰め寄る。


「共和制などと謳っておるからよ。そういうやつらは勝てる戦は喜んでやろうが、勝つか負けるかわからんとなると途端に動かなくなる」

アンギルダンは豪快に笑いながら言った。


「それが根拠……ですか?」

 セシルは呆れながら言った。


「そうじゃな。多少賭けに出ることにはなろう。多くの者が消去法を好む。それは自分で選択することができんからじゃ。自分で選べないから何かと理由をつけて選択肢を減らし、さもそれしか選べなかったという。チュワモントを攻めれば挟み撃ちに合うかもしれん。だが、コンパルドを攻めればディエイカーが出てくるかもしれんぞ。ではシスバーガリか? シスバーガリを攻めればチュワモントが加勢にくる可能性は高い。シスバーガリにはフォンドの本家があるからな。良いかお前達。消去法は非常に有効なものだが、そこで有用な選択肢を切り捨ててはならん」

 アンギルダンは真面目な顔で言った。


「説得力のありそうなお言葉ではありますが、結局のところ根拠はなく、アンギルダン様の直感というわけですよね?」

 唯一その場に飲み込まれなかったセシルが言う。


「その通り。直感よ」

アンギルダンは豪快に笑った。


「もうひとつ付け加えるなら」

 アンギルダンは一口酒を煽り、にやりと笑った。


「儂は危ない橋が好きなんじゃ」

 

 翌年、アンギルダンはチュワモント王国へ宣戦布告。同時にコンパルド共和国へ降伏勧告を出した。

 コンパルド共和国への降伏勧告はチュワモント攻略中に定期的に出され続けた。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!


kindle出版しているアーカー大陸:楔の本編をこれから毎日最後まで公開していきます。


少しでも面白いと思っていただけましたら、ページ下部の【ブックマーク】や【☆評価】を押して応援していただけると、本当に嬉しいです!よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ