6話「縁は広がって」
「オフィーリア!! どうして……っ」
「イノリちゃんも、怪我はありませんか?」
ヒノリの擦り傷を治療していたオフィーリアは、駆け寄って来るイノリに目を向けた。
「う、うん。それは大丈夫……オフィーリアが魔法で守ってくれたから。ありがとう、オフィーリア」
「お友達の危機は見過ごせませんから。治療のクエストの帰りに通りかかって……体が動いちゃいました」
それより……と、オフィーリアは続ける。
「逃げましょう!! あんな魔物、オフィーたちじゃ勝てませんッッ」
オフィーリアが冷たい手で姉妹の手首を掴み、走り出す。
「え……ちょっと……!! そっちは街の方向……ダメだよ。街の人たちを巻き込んじゃうよ」
「それは大丈夫です!! オフィーを信じて今は街へ向かって走ってくださいっ。もうちょっと……もう少し街に近づけば……」
「ぎゃーーーーーッッッッ。アイツまた魔法を展開してるよぉぉぉぉ」
「も、もぉ……やだぁ〜……」
背を向けて敗走する獲物を《ヴァーンオック》は見過ごす訳がない。特に、太陽の熱のような灼熱の炎で翼をもいだイノリだけは。ヤツだけは喰わねば腹の虫が収まらない。
天を駆ける魔物が地に堕とされた——なんて、そんな事があっては成らぬと、顔も知らぬ闇が囁く。ヤツラを逃すなと、糸人形の手足を動かすように闇が《ヴァーンオック》を導く。「…‥ギュルル……」低く唸った魔物は、「————!!」天へと咆哮を上げた。
瞬間。大規模な魔法陣が空に広がり、三人の少女の頭上から稲光が雨のように降り落ちてくる。
「「わあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁッッ!!」」
姉妹は泣き出しそうになりながら(ヒノリは既にベソベソと泣き出しながら)、全力で足を動かす。いつの間にか、手を引いてくれていたオフィーリアを引っ張る側に回っていた。
「お、オフィーリア!! さっきみたくアイツに魔法を反射させられない!?」
「ご、ごめんなさいぃ。こんなに広範囲の魔法は流石に無理ですぅっっ……きゃぁ!?」
申し訳なさそうに眉尻を下げたオフィーリアの鼻先にズドンッッッッと雷が落ちる。大きな衝撃で足元が揺れ、オフィーリアは立って居られずに背後へ倒れ込んでいく。ヒノリ達が握りしめていた彼女の手がスルリと離れて、終いには尻餅をついてしまった。
「オフィーリア!! /オフィーリアさん!」
振り向いたイノリとヒノリは、足を止めてしまった。雷の柱が二本、彼女たちの側に落ちる。ズドォォンッという大きな音にヒノリは咄嗟に耳を塞ぎ、肩を揺らしたイノリの頬に一筋の汗が伝う。
どうやらこれが最後の落雷らしい。
「……さっきまでの雷は追いつく為の時間稼ぎだった……ってことだね……」
厳しい面持ちで、《ヴァーンオック》を見据えた。
魔物は薄っすらと笑っているように見える。もう逃さないぞという強い意思を感じた。
「ひのちゃん、さっきはごめんね」
「……え?」
転んでしまったオフィーリアに手を貸していたヒノリは姉を見やる。何の話だ? お姉ちゃんに謝られる事なんてあっただろうか。
そんなヒノリの横顔を、立ち上がってお尻の土を払ったオフィーリアが不思議そうに見つめた。
姉が何を謝っているのか分からなくて、短い言葉しか返すことができなかった。先ほど言い合いになった事を忘れていたわけじゃない、逃げるのに必死で怒っている暇がなかったから。すっかり姉との不穏な空気を思考外に追いやってしまっていた。少し経って思い出す。嗚呼!! あれか!! と、ヒノリは乱れた黒髪を手櫛で直し、耳にかける。
「べ……別にっ。お姉ちゃんがちゃんと反省してるなら良いけど」
「……ひのちゃん、もしかして忘れてたな?」
「そ、そそそそそんなことないっっっっ」
「うっそだぁ〜」
すっぽ抜けていたことを気取らないようにしたつもりだったのに、姉には丸わかりだった。半目で視線を向けてくるイノリから顔を背ける。それから、自分の言動を思い返す。
(あんまり、悪くない……けど、お姉ちゃんも悪くないよね……)
「……私も、ごめんなさい……」
悪くないお姉ちゃんも謝ったなら、ヒノリもそれに倣おう。その割には随分と小さな声だったけれど、イノリには届いていた。「うん」と、姉は謝罪を受け入れた。
空気が和らいだ二人の間に割って入ったのは、すぐ側にいたオフィーリアだった。
「ふ、二人とも!! 今はそんなのんびりしている場合じゃないですよっ。早く逃げないと」
《ヴァーンオック》は次の攻撃のために力を貯めている最中で、その周囲には禍々しい黒い魔力が漂っている。
オフィーリアも二人を護きる自信はない。もっと街に近づけば、絶対の信頼をおいている兄が待っている、助けに来てくれる。あんな魔物なんて一瞬で倒してくれる。だというのに、目の前のか弱い姉妹は脅威に立ち向かおうとしていた。
「大丈夫!! なんか魔力はもう全開だし、幾らでもいけちゃう」
ムン! と、腕を曲げて二の腕に筋肉のコブを作るイノリ。
ヒノリは弓に矢をセットしながら自信がなさそうに言う。
「それ、お姉ちゃんだけだからね? ……私はまだルーくんを呼べなくて大丈夫じゃないけど、頑張る」
オフィーリアは呆気に取られ——、
「イノリちゃんとヒノリちゃんは……、強いんですね」
どこか兄にも通ずるものを感じたオフィーリアは、困ったような仕方ないなぁと言うような表情で、クスリと笑った。
「わかりました!! 二人の傷は、オフィーが癒します。ここで……オフィー達だけで倒しましょう!!」
「うん、よーーしっそれじゃあ頑張ろう!! なんとかなる、なんとかなる」
「お姉ちゃんは楽観的すぎるわ……、もうちょっと、状況を考えてよね。んーーと、私とオフィーリアさんでお姉ちゃんを援護する……でいい?」
「はい、防御も任せてください」
「りょーかい!! それじゃあとりあえず魔法をいっぱい撃てばいいだよね」
真紅の魔法陣がイノリの足元に展開され、同時に《ヴァーンオック》の魔法も準備を終えた。「【炎魔法・弾丸】———!!」炎と雷、一人の少女と魔物一匹の魔法がぶつかり合って爆ぜた。
**
「———はぁぁぁぁあああああ!? 《ヴァーンオック》を倒したぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ギルド中に、受付嬢の発狂が響いた。
窓口の机の上に身を乗り出して、今にも顎が外れてしまいそうなくらいに大きな口を開けている。それまで他のことに関心を向けていた周囲のドヨドヨとしたざわめきが、窓口に立つ四人に向けられてた。
「あはは、やー倒したっていっても残念な事に私たちじゃなくて……エインなんだけどね」
装備がボロボロな状態になっている集団の一人が、イノリが、苦笑しながら口を開く。
「……疲れた……、おうち帰りたい……熱出そう」
ヒノリは疲労困憊だ。
「いや、俺は最後だけ手を貸しただけだよ。ほとんど君たちがアイツの生命値を削ってくれていたおかげっていうか、俺も流石にダンジョンのボス級魔物を一人で一撃は厳しいって」
イノリの横に立っている少年——たった一人だけ装備に傷一つない少年が、にこやかな表情でサラリと言う。「お兄ちゃんが来てくれなかったら、きっともっと大変でしたよ!!」と、兄馬鹿もといオフィーリア。
「そう、そうよね。《ヴァーンオック》って……ダンジョンの深層部階にいるダンジョンボスにも匹敵するあの《ヴァーンオック》ですよね……。落ち着け、落ち着くの。こんなの問題児のエインさんで慣れているじゃない。受付嬢として冷静な態度で……」
「おーい聞こえてるぜミアさん」
私は受付嬢、私は受付嬢……と繰り返す受付嬢のミアに、口を三角にしたエインの声は届かない様子だった。
———あの後、《ヴァーンオック》を倒すと決めた三人は、イノリが魔法を打ち込み、ヒノリが弓矢で姉だけにヘイトが向かないように調整、オフィーリアが防御と回復を担当。
だが順調ではなかった。本来後衛の者しかいないパーティでは、攻撃手段がイノリ魔法だけになってしまい(オフィーリアの防御魔法で反射させてはいたけれど)、魔物を倒す為の決定打にかけていた。
遂にオフィーリアの魔力が尽きかけ、危機に追い込まれた少女たちを救ったのは、《ヴァーンオック》を剣技の一撃で沈めた黒髪の少年——エインだった。
(正直、エインが来てくれなかったら……私もひのちゃんもオフィーリアも危なかった……よね。オフィーリアの防御魔法と治療魔法で生き延びていたみたいなものだし……)
「はぁーーーー……なんで、初クエスト初日でそんな魔物に立ち向かって行っちゃうのよぉ〜〜」
「ゔぐ……だ、だよねぇ」
窓口の机に肘を乗せて頭を抱えるミアの大きなぼやきに、胸を刺されたような気持ちになる。
やっぱり自分は大切な妹のヒノリや、逃げようと判断していたオフィーリアを危険に晒してしまっていたのだと今更ながらに実感してしまう。エインが来てくれなかったら……、想像力が足りなかった。調子に乗っていたのかもしれない。
今更ながら、イノリの背筋から手足の末端までが徐々に冷えていく。
「……はぁ……、倒すって判断したのは、その様子だとイノリさんですね」
「はい……」
「お姉ちゃんじゃなくて私も……」
「お、オフィーも!!」
名乗りを上げる二人を、イノリは手で制した。
「いいえ、私です。私が二人を巻き込んじゃいました」
ミアはため息を再びこぼした。
「なら全員に言います。エインさんが来てくれなかったら今ここにいなかったかもしれないんです。それがどういうことか、各々しっかり自覚してください!! それと相手との実力は、ちゃんと見極めること! 無茶無理無謀は冒険者の三大「無」ですけど、そんなものの虜になってはダメですからね!! 魅了されたりなんてしたら、いけませんからね絶対にッッッッ」
「いやいや、冒険者だからこそだろ。無茶無理無謀を繰り返して冒険者は強くなるんだから」
「エインさんみたいな問題児をギルドに量産させる気!? 大体、エインさんはこの間もギルドの訓練場を破壊して、その前は……販売部の研究室も破壊してましたよね? 」
「いや、でもアレは事故っていうか……ちょっと加減を間違えっていうか、実験中だったわけだし失敗はつきものっていうかさ」
「何回事故を起こすつもりよ!! 」
机を強く叩いたミアに鋭く睨まれ、少年は口をつぐんだ。両手をあげて白旗を挙げる。はい、もう何も言いませんという態度だ。
(……え、ええー……。前にオルスロックさん達が慌ただしくしてたのって……エインが原因だったんだ……。ていうかギルドの訓練場って内側と外側から防御結界が張られてるって聞いたけど……エインはどうやって壊したんだろう……)
反省しなくてはいけないのに、イノリの思考回路に余計な情報が入り込んでくる。流石のイノリもエインの行動にちょっと引いてしまった。
「あぁ〜もう、全く……もうっっっ。限度があるでしょう。限度が……。とにかく!! とーにーかーく、無茶無理無謀をするなと言いません。時には必要になることもあると思います。でも今回みたく進んで危険に突っ込んでいくのは感心しませんよ。自分から命を簡単に捨てているのと一緒です。もっと重く受け止めてください……どれだけ心配することか……こほんっ!! わかりましたか?」
「はぁい……」
ギルド職員と少女の顔が入り混じっていた気がするが、イノリとヒノリは素直に返事をした。オフィーリアだけは何故か「む、む……?」と、ミアの態度を訝しんでいたけれど。何かしらの電波を微かに受信していたようだ。
オフィーリアの視線を受けたミアは、頬を桃色に染め上げると口早に会話を締める。
「ま、またこんな事があったら、イノリさんとヒノリさんの冒険者等級を下げますからね!! ……以上、解散してください」
書類を手際よくまとめ(集めた書類で机を叩いて紙の角を揃えてから)、そそくさとギルドの奥へと逃げ込んでしまった。
ミアの姿が奥に消えてから、最初に口を開いたのはエインだった。
「……ミアはああ言ってたけど……、俺は君の判断が間違ってたとは思わないよ。きっと逃げきれなかったはずだし、反撃するのも大切だから。それに……悪い!!」
急に頭を下げるエインに、ヒノリとイノリはたじろぐ。
「……え、ちょ……どうしてエインが頭を下げるの!? 私の方こそ謝らなくちゃ。魔法が使えるようになって、少しあの魔物に攻撃が通ったからって調子に乗って……結果、ひのちゃんだけじゃなくてオフィーリアのことも危険にあわせちゃって……三人ともごめんなさい!!」
頭を下げるイノリの隣でヒノリも慌てて頭を下げた。姉の意見に乗っかってオフィーリアを危険に晒してしまったのは自分も同じなのだから。
謝罪を受けたエインは、首を力無く振って否定する。
「いや、そもそも……アイツに、《ヴァーンオック》に君たちが遭遇したのは、俺が先日に仕留め損なっていたからだ……すまない……」
話を聞けば、エインとオフィーリアは遠くへ飛びさっていく《ヴァーンオック》の姿を見ただけと言う。けれどその時に始末していれば良かったと、エインは悔やんでいるようだった。
「エインが謝ることじゃないよ……!! 助けてもらったお礼を言いたいくらいだもん。……あーーもう、頭を上げてよ、この話はもうおしまいっっ!! みんな無事だったんだし、お互いに謝ったんだし、終了!!」
いつまでも頭を下げ続けているエインを前にして、気まずい空気に耐えきれなくなったイノリはもう止めようと宣言する。「お兄ちゃん……」「……嗚呼、わかった」オフィーリアがそっと兄の肩に手を乗せて呼びかけ、エインは渋々といった様子で頷いた。
「——オフィーリアさん……」
「はい、どうしましたヒノリちゃん」
解散する直前、それまで疲れた顔で眠そうにしていたヒノリが、オフィーリアを呼び止める。
まだちゃんと彼女に伝えていないことがあった。
「お姉ちゃんのこと、助けてくれてありがとうございます」
「そんな……!! オフィーは当然のことをしたまでですよ」
急にお礼を言われて慌てるオフィーリアには、ヒノリの気持ちが伝わってきていた。嗚呼、本当にこの子達は互いのことを大切にしているんだなと、心の中で呟く。
他人の家族のことなのに、彼女にとってはその事実が、何故か自分の事のように感じて、こころが温かくなっていく。
少しだけ、オフィーリアは勇気出してみる事にした。
「……また、会った時には一緒にお茶でもしてくれませんか? ヒノリちゃん、それにお姉さんのイノリちゃんも一緒に」
「……!! よ、喜んでっ」
急なオフィーリアからのお誘いに、ヒノリは何度も頷く。言葉よりも態度の方が先に返事をしていた。
「よかった……」
安心した様子で破顔したオフィーリアは、ヒノリ達と別れの挨拶を交わし、先にギルドの出口に向かっていた兄の元へと駆け出していく。
その後ろ姿を見送るヒノリに、イノリは微笑ましそうに声をかけた。
「誘ってもらってよかったね、ひのちゃん。私もまたオフィーリアに会う口実ができて嬉しいなぁ」
「うん……」
頭を撫でてくる姉への短い返事の中には、じんわりと温かさが滲んでいた。
(んふふ、 ひのちゃんってばカーワイーッ!)
口元が緩くなるイノリの視界に、ふとクエストボードが映る。幾つか貼られている依頼の紙をみたイノリの頭の中は、妹を愛でる思考回路から、次の行動計画を立てる思考回路へと瞬時に切り替わってしまった。
「ひのちゃん、次のクエストを決めてから帰ろうか」
姉の唐突な提案に、どういう話に移るのかを数秒程遅れて理解したヒノリは、今度こそ元気よく返事をするのだった。
**
森の奥深くに、小さな池があった。
その小さな池の側には家庭用の菜園では様々な種類の野菜が植えられ、青々とした葉や花を広げていた。丁寧に育てられた野菜の実の中には収穫を予期させるものもある。
菜園の小道を少し辿れば、赤い屋根の家に辿り着く。大きさはさしてないが、この家の住民の人数を考えれば充分な広さがあった。一人くらい居候が増えてそこまで問題ないくらいには。
元からの住民であるオフィーリアとエインの二人は、帰宅して直ぐにリビングのソファーに腰掛けて一つ息をつく。
「……お帰りなさい、二人とも。そろそろ帰ってくる頃かと思ってお茶の準備は万全だ。夕飯の支度をしてくるから、少しばかり休んでいるといいよ」
オフィーリアとエインの二人にそう労いの言葉をかけた少女が、フリルエプロンの格好で歩き近寄れば頭の高い位置で一つに結われた銀色の髪が揺れた。
手に持っていたトレーから、二つのマグカップをソファーの前にあるテーブルにそっと置く。それから、黄緑色の双眸を期待に満ち溢れさせながら兄妹を見つめる。その目は善意120%であるのが伝わってくる。ところが同時に、兄妹は嫌な予感も感じとっていた。
「ありがとうございます、リアちゃん。ごめんなさい気を遣ってもらってばかりで……」
「いや、アタシは命を救ってもらっただけじゃなくて、居候をしているからな。これくらいは宿主に恩を返させてくれないか。まぁ、そういうことで今回は気にしないでくれ。あ、そうそう。二人とも疲れていみたいだったから疲労回復の為、茶にポーションも混ぜておいた。グッと飲み干してくれ!!」
少女はまた銀色の髪を揺らして、厨房へと姿を消す。
少女の姿が見えなくなってから、兄妹は顔を見合わせた。一体どんな味になっているのやら。けれど、善意でしかない飲み物を残してしまうのは気が引けた。
頷き合って覚悟——例えどんな味であっても平然を装う決意を決め、夕飯作りをリアが始めてしまう前に一気にティーカップを呷った。
「「…………………うぐ……し、渋くなってる……」」
結果として、耐えられない味ではなかった。
なかったのだが——兄妹は良薬へと変わり果てた液体に顔を顰めた。ちょっと酸っぱい気もする味だった。
「……あ……味に反比例して元気にはなったよ、ありがとなリア。夕飯くらい一緒に作ろうぜ」
「そうですよリアさん、オフィーもお夕飯手伝います!!」
「そ、そうか? それなら、二人にも手伝いを頼もう」
リアのトンデモ料理に、兄妹のみならずイノリとヒノリの姉妹も悶絶を経験する事になるのだが————、
それはまだ、少し後の話である。




