望海 ③南国海軍
僕らは、ナーガさんの薦めもあって、ネーバル島に来ていた。
「御覧ください。あれが、ネーバル島です。」と、石造りの防波堤とマストの林立姿を見つけた、案内人のロンドさんによる説明が入る。
その直後、大砲の音が鳴る。
一発目は空気を裂くようで、二発目は腹の底を鳴らす。
「うわ!て、敵襲?」
「安心して、これは礼砲です。」と驚く僕を余所眼にクシイナダ姫がクスクスと笑う。
「ランドゴンは、荒々しいのも好きなのよ。」
港へ行くと、多数の戦艦が入港してきた。
「あれは、帝国海軍です。昇龍、鳳龍、飛龍、炎龍、黄龍、黒龍、青龍の7隻からなります。」
リュカの目には、三本マストと巨大な姿をした戦艦たちであった。その勇壮さは、頼もしくさすがは帝国海軍と言える。
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上陸したリュカ達は気付いた。「あれほど、一糸乱れぬ総泉技術なのに、港にいる船乗りたちは明るいんだね。」船乗りたちの多くは、酒を飲みながら談笑しているのである。
「でしょう?海軍は、一度海に出ると、長期間陸上にもどれません。その代わりと言ってはなんですが、陸上での休暇期間をできる限り長くして彼らに娯楽を与えています。」
「たとえば?」
「酒、たばこ、賭け事などのありとあらゆる遊びに対して、国が補助を出すのです。尤も、人間関係のこじれがあるので、異性交遊は補助しませんけど。リュカ様も一杯どうかしら?」
「じゃあ、一杯だけなら。」と、クシイナダが勧めてくれた酒・マンゴーワインを注文する。(*なお、リュカは20歳未満)
クシイナダは、モヒートを頼んで、二人で乾杯する。途中、ストローをもう一つずつ頼んで、二人で同じグラスから分け合うようなこともした。
お酒を飲んでいると、南国式の軍楽隊がやってきて、演奏を奏でる。
三線は南風のような旋律を奏で、戦士の担ぐ太鼓は腹の奥を震わせるとともに、石畳を伝って港中に響く。笛は、南国の鳥の音かと思うような多彩な音楽を奏で、まるで浄土の再来を思わせ、法螺貝の重い音は海鳴りのようだ。これらの楽器は、ユニマル本国では見たことのないものばかりで、エキゾチックだ。
潮風はその音を運び、旗の鮮やかな布を強くはためかせる。そのたびに、旋律は揺らぎ、またひときわ高まる。太鼓の打ち手は龍角の兜を戴き、掛け声とともに足並みが整然と響く。甲羅と湿った海風の匂いがあいまって、海鳴りは肌から骨や心臓にまで沁みる。




