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調和と大地の迷宮  作者: 旅燕
リムフォード編

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8/60

順風満帆

 翌朝。

 イリオス、ディーン、コミティスが先に食事を摂っていると、遅れてリラとアルタリアも食堂にやってきた。


「おはよう」

「おはようございます……」


 リラはこの時間に起きることに慣れていないのか、まだ少し眠そうだ。

 やがて宿の女将がリラとアルタリアの分の食事を持ってテーブルにやってくる。


「いらっしゃい、新しいお客さん! うちはおかわり自由だから、好きなだけ食べていってね!」

「は、はい」

「ああ、ありがとう」


 食事を置くと女将は立ち去ろうとするが……それをディーンが呼び止める。


「女将さん」

「ん? どうしたんだい、ディーンちゃん」


 ディーンは女将のアドバイスを受けてチームに新メンバーを迎え入れたこと。この二人がアルモニアの新メンバーであることを簡単に説明する。


「リラです」

「アルタリアだ」


 二人の紹介を受けて女将はニッと笑った。


「そうかい、そうかい! また若い子が増えたね! でも、大人も一緒だから安心だ!」


 そしてトーンをひとつ落とす。


「でも、こういう時こそ無理はしないこと。お互いにゆっくり慣らしてから。ね?」


 その言葉にディーンはゆっくりと頷く。


「はい。肝に銘じておきます」


 女将は再び笑顔に戻る。



 アルモニアは軽めの依頼をこなしながら少しずつ新メンバーと足並みを揃えていく。

 アルタリアの盾にリラの治癒術。この二つが揃ったことでチームとしての完成度はさらに上がり、また宿や食堂での一幕なども経て、二人は徐々にアルモニアの一員として馴染んでいった。



「……ああ。今回も悪くない」


 鑑定道具をしまった禿頭の受付は、口元を緩ませる。


「ありがとうございます」


 このやり取りももはや慣れたものだ。

 報酬の支払いのために金を数える禿頭の受付。そのさなか、彼はふと思いついたように口を開く。


「そういえば……新入りも馴染んできた頃だろうが、そろそろ先に進まないのか?」

「先に?」


 ディーンが問い返すと禿頭の受付は頷く。


「あのダンジョンには……知っているだろうが、地下に進む階段がある。その先には行かないのかということだ」


 その言葉にぱっと反応するのはイリオスだ。


「おっちゃんは、そろそろ行ってもいいと思う?」


 分かりやすい目の輝きに、禿頭の受付はふっと笑いを漏らす。


「さあな。それくらい自分で考えろ」


 そして「報酬だ」と金を差し出した。



 その日の夜。

 ディーンが帳簿を閉じるなり、剣の手入れを中断したイリオスがそのそばに行く。


「終わった?」

「ああ」


 ディーンが頷くと、その途端にイリオスは目をキラキラと輝かせる。


「今日のおっちゃんの言葉、聞いた? 俺たち、そろそろ先に進んでもいいって!」


 その言葉に苦笑いを浮かべるのはアルタリアだ。


「落ち着け、イリオス。彼はあくまで、進むかどうかは自分で考えろと言っていただろう?」


 その言葉にイリオスはハッとして、それでも喜びを抑えきれない様子で頭をかく。


「でも……その……」


 小さく口籠ったあと、リラが顔を上げる。


「わたしも……分からなくはない、です。最近、わたしのお仕事がない時も増えましたから。……戦っていないわたしが言うのもなんですけど」


 次に視線が集まったのはコミティス。彼女は少し考えて、頷く。


「うん。イリオスじゃないけど、最近は物足りないと感じることも増えてきた。……ただ、準備はきちんとしてからね」


 その言葉を聞いたディーンは納得したように頷く。


「じゃあ、明日は情報収集だな」


 ディーンが周囲を見回すと、全員が頷いた。

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