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調和と大地の迷宮  作者: 旅燕
シプレ編

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53/64

知られた勝利

 冒険者ギルドに戻ったアルモニアの五人。疲労の残る顔で扉を開けると……イリオスたちの姿に周囲が静まる。


「……ん?」


 視線はこちらに向いている。

 イリオスがどういうことかと周囲を見回しているときだった。


「ああ。おかえりなさいませ。アルモニアの皆さま」


 イリオスに声をかけてきたのは、ルクス商会の制服を着た男性であった。


「皆さまのご活躍は耳にしておりますよ。よろしければ、ガーゴイルの魔石はぜひ我がルクス商会に……」


 その言葉に状況を察したアルタリアは、イリオスを軽く押しのける。そしてルクス商会の使いに言う。


「悪いが、今は余裕が無い。話は後にしてくれ」


 アルタリアの発言に、ルシオンがあっという顔をする。

 しかしもう遅い。ガーゴイルの討伐は否定されなかった。

 冒険者ギルドがざわめき立つ。


「……ええ。ではまた、改めて」


 ルクス商会の使いは丁寧にお辞儀をすると、その場から去っていった。



 夕食後、男子部屋にて。


「噂は聞いているよ。まずは……イリオス、リラ、アルタリア、ツキフネ、ルシオン。ガーゴイルの討伐、おつかれさま」


 ディーンが言うと、それぞれが誇らしげだったり、はにかんだり、はたまたいつもの愛想笑いだったりで反応を返す。


「それで……こいつの扱いについてだが」


 ディーンはテーブルに置かれた革の袋に軽く手を乗せる。中身はガーゴイルの魔石だ。


「ルクス商会に卸したほうがいいと思うよ」


 ただちにそう進言するのはルシオンである。


「思いっきりバレちゃったからねえ。わざわざ使いまで出してるんだ。彼らにも面子ってものがあるから、潰さないほうが良い」


 ルシオンの意見に対して、反論を述べるのはアルタリアだ。


「私は反対する。あのルクス商会のことだ。どうせ買い叩かれる。私達が命がけで回収したものだぞ? 相応しい扱いを受けられる場所に卸すべきだ」


 相応しい場所というのは、すなわちメトラ商会のこと。

 アルタリアの意見を聞いて、ディーンはイリオスとリラに目を向ける。彼らもまた、この魔石のために命を賭けた二人だからだ。


「俺は、アルテの言うとおりかなって思う。今回は大変だったし、買い叩かれるって分かってて持ってくのもちょっとなあって思う」

「わたしも……チームとしてお金になるのなら、メトラ商会のほうが……」


 イリオスとリラはアルタリアに同調する。続けてディーンが月船に目を向けようとした時だった。


「ああ、もう。分かったよ。一対三じゃどうしようもないね。うん。メトラ商会に卸そう」


 人数差を理解したルシオンが折れた。


「ツキフネは?」


 それでも一応、ディーンは月船に問いかける。しかし彼女は、


「皆さんが良いのなら」


 と穏やかに言うだけであった。

 続けてディーンはシグとコミティスにも目を向けて……異論が無いと判断すると、チームとしての決定をくだす。


「分かった。それじゃあこの魔石は、メトラ商会に持っていこう」


 ルシオンは仕方がないと肩をすくめる。そんな彼を、月船はちらりと見た。

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