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冒険者だった父
リラの父親は冒険者だった。
子供の時、リラは母に聞いたことがある。
どうしてお父さんは冒険者をしてるの?
母は答えた。
「んー。そういう人だから、かなあ」
リラは続けて母に聞く。
お母さんはお父さんがいなくてさみしくないの?
「さみしいよ。けどまあ、惚れた弱みだから仕方ないね」
幼いリラはきょとんと首をかしげた。
その報せが届いたのは、リラが十二歳の時だった。
小包を開け、手紙を読んだ母が泣き崩れる。
リラに憎しみは無かった。ただひとつ、疑問が残った。
お父さんはどうして冒険者をしていたの?
父の部屋に取り残されていた盾を見ながら、リラは考えた。答えは出なかった。




