ある休息日のこと
それから数日。
今日はチームの休息日だが、ディーンは溜まった事務をこなしていた。
ひとつひとつの書類を丁寧に処理していくディーン。
こん、こん。
と、そこにノックの音が響く。
誰だろうか。特に誰かが来る予定は無かったはずだが。
「はい?」
扉の前にいたのはコミティスだった。
「ディーン」
「ああ、どうしたんだ?」
コミティスはディーンにニコリと笑いかける。
「特に用事は無いけど、元気にしてるかなって」
その言葉にディーンはわずかな引っかかりを覚える。
「……? 元気だけど、どうかしたのか?」
するとコミティスは静かに首を振る。
「ううん、何でも」
そして話題を逸らすようにこう言ってくる。
「ディーンは、今何してたの?」
その言葉にディーンは軽く身を引いて、部屋の中を見せる。
「ああ。事務をな。領収書も少し溜まってきてたし」
コミティスから見えるようになった机の上には、書類が積み上げられている。
それを見てコミティスは何気無く言う。
「そっか。せっかく来たんだし、良かったら手伝うよ」
ディーンはその言葉に一瞬固まる。
「え?」
しかしコミティスはそれに気が付かない。
「何かできること、ある?」
自分をまっすぐな目で見つめるコミティス。ディーンは気を取り直すと、口元を緩めて「助かるよ」と口にする。
「じゃあ、手紙の整理と、帳簿の数字の再確認をお願いしても良いか?」
「うん」
コミティスは頷き、二人は机を挟んで事務を始める。
そして二時間ほどが経った頃。
「……ふう」
帳簿の確認を終えたコミティスは小さく息を吐いてそれを閉じた。
「ディーン、作業終わったよ」
そう言ってコミティスは報告をする。
「ああ。今日はありがとう。おかげでだいぶ早く作業が終わったよ」
「どういたしまして」
ディーンの言葉にコミティスは口を緩ませる。
「そうだ。せっかくだから、一緒に昼飯にでも行かないか? お礼におごるよ」
「もう、そんなこと目的にしてないから。でも、食事は行こうか。ちゃんと支払わせてね?」
「分かったよ」
コミティスに続いてディーンも部屋を後にする。




