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読書/太宰治『グッドバイ』
編集者・田島周二の裏稼業は闇商売。金回りも良く、インテリ系の色男でもあり、大勢の愛人を抱えていた。そんな折、世話になった作家が亡くなって葬儀があった。帰りがけ、故人の作家仲間の老文士と男同士のアイアイ傘となり、説教をされる。故人は田島によく似たタイプの人物で、よほどロクな死に方をしなかたようだ。
老文士は、身辺整理をして結婚したらどうだと諭すのだが、田島が愛人とどのように別れるかグダグダしていると、文士は、ならば絶世の美女を連れて、愛人宅を歴訪すれば、案外すんなりとと別れてくれるだろうと提案した。
――堅気になる! 真に受けた田島は、愛人たちとスマートに別れるため、がさつだが絶世の美女である闇市仲間ケイ子を嫁に仕立てて、愛人宅を巡るオデッセイ。痛いギャクが炸裂する。絶筆未完。
ノート20211118
二十世紀最大の傑作としてよく取りざたされる、ブルーストの『失われた時を求めて』と、ジョイスの『ユリシーズ』があるが、太宰の『グッドバイ』は、女性関係のいざこざから首都を放浪するする点で、後者にちょっと似たニュアンスがある。オマージュなのかもしれない。
追記20231030




