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身の振り方を考える

 次の日朝食を食べている時にマーフィー男爵に確認した。


「本日は領内を散歩したいと思いますの。」


「ワイアットから話は聞いております。しかし災害直後で復興が追いついていないこともありますし、危険なところもあるでしょうから十分に気をつけてくださいね。ワイアットを付けますので大丈夫かと思いますが、不安でしたら何人か屋敷のものを連れていっても構いません。」


 マーフィー男爵にとってワイアットの評価が高かったことが驚きだ。同じ海軍所属として信用しているということか、もしくは面識があるのだろうか。


「お気遣いありがとうございます。許可していただけて嬉しく思いますわ。ですが、大人数でぞろぞろ行くのも物々しいのでワイアットだけで十分ですわ。」


 そう言って早々に朝食を食べ終えた彼は、また書斎にこもった。

昨日私が話したことを早速実行に移そうとしているそうだ。


やはり彼は良い。

他人の意見を聞き入れる柔軟性とそれを実際に実測に行動に移す決断力が抜きん出て優れている。

私がこの領地でなにか行うとするとそれ相応の地位が必要になる。


だが私は何も持っていない。


英雄である彼の方が民の協力を仰ぐ時に都合がいいのも事実だから私は彼の相談役にでもなろうか。

彼ならば女だと言うだけで差別して話を聞かないなんてことは無いだろうし。


しかし私は実力を示さなければならない。

私が成果を出しても、私が出した成果だとわからなければ意味が無い。


 それに関して大事なことがある。

まず私がマーフィー男爵領に来てからこの領の様子が変わったとしても、それを周りの人間が認めなければ意味がない。

そのため十人が十人納得するために、データが出るようなものであるといいと思っている。


例えば収益、それから領地内人口、死亡率、それらで結果を残せたら素晴らしいことだ。


 支援をしてもらえると言っても、資金を侯爵家に頼り切りということは良くない。

資金を得るために商会でも立ちあげようと思っていたが、問題が生じた。


それはトップを誰にするかだ。


私の名前で立ち上げるか、マーフィー男爵の名前で立ち上げるか、領として立ちあげるか。

私の実力を売り込むとしたら私の名前で立ちあげる方がいいだろう。


しかしだ。

個人の商会が自分のではない領地一つに資金を注ぎ込むとなるとあまり良くないだろう。

印象が悪い。


政治と宗教がくっつくとろくなことがないのと同じように、莫大な資金が無償で一個人の商会から他人の領地に融資されるとなると、もちろん悪事を疑われる。


後ろで手を組んでいやらしいことをしているんじゃないかと。

たとえ後ろめたいことがなくても下手な噂を立てない方が良いに決まっている。


そのためどういう形で商会を立ち上げるかが問題となる。


トップをマーフィー男爵の名前にして二番手を私にして実際に実権を商会の握るのは私にするかか。

ふむ、そこはマーフィー男爵に相談してみよう。

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