表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/6

適当

俺らパーティは、広場に向かう。


そういえば、もうパーティやということでええねんな。

一応聞いておこう。


「アルフレッド。お前もう俺のパーティメンバーってことでいいんだよな」

俺は尋ねた。


「エドガーさんさえよければ」

アルフレッドは真っ赤になっている。


なんで真っ赤になんねん。

こっちまで恥ずかしくなるやろが。


そういえば、

俺、こっちのことがよくわかってない。

これ言っとかんと、マズいよな。

なんて言おか?

まぁいいわ。適当に言お。


「あのな。昨日俺殴られたやん」

俺は言った。


「はい。ボコボコでした」

アルフレッドは少しクスっと笑いながら答えた。


なに笑ってんねん。

クソかわいらしいな。

あかん。

あかん。

こいつは男や。

まぁ男でもええんちがうか。

どうやろ。

俺、前世で彼女おらんかったからな、

もちろん彼氏もおらんかったけど。


えっそういう事なんか?


まぁ良いわ。


「それでな。頭を打ったせいか、記憶がちょっと変やったりするねん」

俺は言った。


「それは大変ですね。たしかグンダラー樹海という所に、記憶を蘇らせる草……。

なんだっただろう。忘れな草という薬草が生えてると聞きました。

それを取りに行きましょうか」

アルフレッドは真顔で答えた。


なんやグンダラー樹海って、

なんか違和感のある名前やな。

まぁええわ。

忘れな草、

これもなんか聞いたことがあるな。


「なんやグンダラー樹海って、危険そうな名前やけど、大丈夫なん?」

俺は尋ねた。


「情報が乏しいんです。行った者は戻らないから、願い事が叶うとも言われています」

アルフレッドは言った。


「不思議な話やな。行った者は戻らないのに、願い事が叶うとか、記憶を蘇らせる草があるとか。そういう噂が流れるの」

俺は首を傾げた。


「そういえば、たしかに……」

アルフレッドは呟いた。


「……君子なんとかに近づかんや。やめとこ。

俺の記憶がどうとかちゃうねん。

たまに常識的なこと忘れてるから、支えてなってことや。

相棒」

俺はアルフレッドの肩を叩いた。


「はい」

アルフレッドはニコっと笑った。


いや。

この笑顔カワイイわ。

それに目が大きくてキレイ。

やば。

恋ちゃうやろか。

ドキドキしてるもん。


まぁ良いわ。

俺たちは広場につく。

広場には10店ほどの屋台が立ち並んでいた。

ハーブや、焦げた肉や、パンのニオイが混じり合った空間だった。

俺の腹もなる。


「そういえば、あそこの屋台って、後ろで作業をしている人がいるのですが、いつも光って何をしているのかわからないんですよね」

アルフレッドは指をさした。


そこにはつるつるした頭のオッサンが、何かの作業をしている。

そうか、あの頭に光が反射して、アルフレッドには見えてないんか。

俺は……。

ハッキリ見えるで。

なんかの動物の内臓を取り出しとるな。

あとあれは虫か?バッタやな。


「動物の内臓を取り出してるのは、見えてるんやよな」

俺は尋ねた。


「動物の内臓?僕には見えてません」

アルフレッドは言った。


嘘をついているようには見えない。


「えっそうなん?」

俺は言った。

しかし俺にはハッキリと見える。

俺は近くのオッサンにも聞いてみる。


「あそこのハゲたおっさん、なにしてるか見えるよな」

俺は尋ねた。


「あそこ謎の光があって、いつも見えない。あれ気になるよな」

近くのオッサンは答えた。


「エドガーさんだけですよ。多分見えてるの」

アルフレッドは言った。


謎の光……。

まさか神様の言ってた光ってこの事やったんか。

おぉすげー。

ってスゴイか?

ちょっと、

見たくないものを見てるだけやぞ。


「まぁええわ。行こ」

俺は言った。


「あそこの屋台人気なんですよ。行きません?」

アルフレッドは尋ねた。


アルフレッドの顔をじっと見る。

こいつ虫を食いたいんか?


「あそこは何屋やねん」

俺は尋ねた。


「それがなんかわからんけど、美味い肉を出してる店なんです。海老のようなうまみがあると聞きました」

アルフレッドは答えた。


そういえば、バッタは海老っぽい味がするって聞いたことあるよな。

たしかに美味いのは美味いかもな。


「俺は遠慮しとくわ」

俺は答えた。


「そうですか、じゃああそこのパン屋さんはどうですか?パンもエールも安いですよ」

アルフレッドは言った。


エール。

たしかビールみたいなもんやな。

昼間っから酒飲むのは贅沢な気がするけど。

まぁいいか。


「じゃあ、そこ行こか」

俺は言った。


「はい」

アルフレッドは頷いた。


パン屋は数名の列ができていた。

俺たちは並ぶ。


俺たちの順が来た時、

柄の悪そうな男がやってきた。


「おい。兄ちゃん。俺ら腹減ってんだ。順番譲ってくれるよな」

リーダーっぽい男は言った。


「エドガーさん。こいつらタチの悪い連中です。譲って他に行きましょ」

アルフレッドは俺をつついた。


後ろを見ると、皆目をそらす。

店主の方を見ても、目をそらす。


なんや。

めっちゃ美味しそうな状況やんけ。


「おい。兄ちゃん。俺ら腹減ってんだ。後ろに並んでくれるよな」

俺は言った。


リーダーっぽい男は眉間にシワを寄せる。


「何、俺のセリフ取ってんだ」

リーダーっぽい男は顔を近づける。


「セリフを取った?何言ってんねん。お前のセリフのどこに面白いところあんねん」

俺は言った。


リーダーっぽい男は袖をまくりあげる。

筋骨隆々の腕に、無数の傷が見える。


どうだと言わんばかりに、腕を組み威圧してくる。


周りは騒然としている。


「お前俺を誰だと思っている」

リーダーっぽい男は再び顔を近づける。


「下っ端連れて粋がってる筋肉バカ」

俺は言った。


リーダーっぽい男は眉間にシワを寄せ、拳を握りしめている。


あちゃ~。

これまた殴られるパターンかな。

だったら滅茶苦茶美味しいかもな。


なにが笑えるやろ。

ノーガード戦法が一番アホやろな。

よしやったろ。


俺は手をだらりと垂らし、うなだれる。

顔はニヤニヤと笑う。

どや気持ち悪いやろ。


「殴りたいんやろ。殴れよ」

俺は笑った。


「よしわかった」

リーダーっぽい男は拳を鳴らす。


周りは騒然としている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ