王伝編集官 異伝 ルシィとサハギン
体調がよくなったかといわれるとまだまだですが、がんばらずに再開です。
つんつん つんつん
「おーい、生きてるー?生きてるなら起きろー」
つんつん つんつん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もぞ
もぞ
もぞ
うー-----ん
? むくり
砂浜に倒れていたのは少年サイズだが人ではない。見つけたのも少年ぽいがいちおう少女だ。互いに異種族だというに大人でないということで警戒心は皆無だった。
「オマエ ダレダ?」
「あたしはルシィだよ、あんた名前は?」
「ボゥ」
「ボゥはサハギンだよねぇ。この辺には住んでないって聞いてたけど引っ越してきたの?」
「マエはミナミにいた。ムレはフエルとワカレル」
ルシィはうんうん頷き、ずいぶんと嬉しそうだ。小さな漁村で子供は少ないからだろう。日に焼けたそばかす顔でにぱっと笑う。
「そっかぁ、ご近所さんになるね。よろしく」
「・・・オマエ、ムレのオサか?」
「へ?ちがうよ。んー、じいちゃんは村長、群れの長かな」
「チガウ、オサとオナジ。ミエナイ。オマエもオサ」
「あー、そっちか。『王印』だね、『鑑定』や『観察』じゃわからないもんね」
「オウイン?」
右の手のひらを見せながらルシィは答えた。さっきまでとはちがい、その態度には威厳がある。
「ほらこれ。この印は神様から長になるための力、スキルが託されてるんだ。でもちゃんと勉強して神様に認めてもらわないと使えない」
「まだオサジャナイ?」
「なんかね、ここに国を造って王になるようにって神様からの知らせがきたんだ。だからもう少しさきかなぁ」
そのお勉強がねぇ・・と、今度はくたびれ顔で海の先を見ている。ここでの勉強だけでは足りないからだ。今のルシィは例えるなら街にいる少年としてなら合格だ。ただそれが一国の王ともなると言わずともわかるもの。いやなことを思い出したのか、眉間にしわができている
(フ、その程度で王座につけるとでも?)
その顔、その態度。いつかみかえしてやる!
・・・お嬢さん、それすでに乗ったら負けな勝負ですぜ。
「ソウカ・・・・・」
ボゥもボゥでなにやら神妙な顔・・・・たぶん?初見の種族の喜怒哀楽までは存じませんよ。本来これはとても珍しい光景なんですってば。
しばらく波の音だけが響いた後、ボゥはルシネイラに問うた。
「るしぃ、オレタチヲムレにイレテホシイ」
え?という顔をしたままルシィは固まった。彼らは海の民。陸の理に属さなくていいのだ。神からこの世界に来るときにもらった自由。ボゥは次代の長だからすでに意味も重さも備わっている。それをルシネイラに託そうとしている。なんとまぁ潔いものだ。
「 」
波に飲まれた小声がボゥに届く。
次話はなんと!だれだかわかりません。じゃぁ言わなくてもいいんじゃないかと思わないように。




