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31話 下 佳境なんだが佳境っぽくない 4


 麒麟 麗子・・・・・俺の従兄弟で幼馴染の婚約者であいつの一族の女で、俺にとって親戚の全く知らない女。

 そんな女を警戒し瞳をじーっと見つめる。

 そんな女の顔は何故だかドンドンと朱に染まっていく。

「何だか、こうまっすぐ見られますと・・・少し恥ずかしいですわね」

 か細く小さな声音で唇に手を当ててはにかむ。

 俺の感想は、何だ、コイツ。やばいのか!?

 一応、どんな情況でも対処できるように周辺視野で回りを確認すると、山田一尉の顔は微笑んでいるが目の奥は厭らしく残念そうに、幼馴染は頭を抱えて絶望的な、嫉妬猛々しい視線で俺を見、クラスメイトは興味半分嫉妬半分で、自衛官とSPは自衛官たちがSP達全員を捕縛完了してこっちを・・・あっ、山田一尉と同じだ、何かムカつく。と、こんな感じである。

「あ、あのっ!」

 女は俺に一歩近づく、俺は一歩下がる。

 もう一歩近づいてくるからもう一歩下がる。

 目の前の女は目の前で可愛らしく拗ねた様に口を膨らませる。

 俺は警戒を解かず女に聞く。

「いったい・・・何がしたいんだ?」

 その言葉で相手は驚くように俺を見て、ほんの少し考えた後、女の許婚を俺の幼馴染を見て何かに気が着いたみたいだ。

 それから一つ頷き、覚悟を決めたように俺に驚くような事を言ったのだ。


「一目見たときに貴方に恋をしました。

 虎門 龍様、好きです。結婚を前提に付き合ってください」

 

 少女の頬は朱に染まり目を瞑っている。

 言葉の先にはクラス全体の無言の沈黙、そして、俺の無言と沈黙である。



「あっ・・・・あのっ・・・・・」

 どのくらいの時間が立っただろうか? 

 時計の針は・・・最初から見てないからわかんねーや。

 女は困ったような、悲しそうな瞳をし俺を見る。

 俺はあまりの衝撃に意識が飛んでいた。飛んでいたが、今もどる。戻って目の前の存在を見て「えっ?」と疑問符を浮かべて直ぐに口をつぐむ。

「いや、ちょ、ちょっと待って・・・・・」

 俺は山田一尉を見る。

 山田一尉は俺が何を思っているのか理解し首を振る。

 自衛官たちは音を立てないように拍手したり、親指を立てて歯を光らせたり、青春してるね~と生暖かい目でこっちを見てくる。

 

 うん。今わかった。

 コレ・・・たぶん・・・・ガチ告白かもしれない。


 でも・・・・・・・・。


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