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ドレッドノート・カプリチオ ~勇者狂想曲~  作者: 振木岳人
「覚醒する仲間たち」編
56/74

拝啓、小橋健太様


 クラリッタと菊、二つの台風の目に合流した、忍者加納。

剣をふるうクラリッタや菊とは違い、飛び道具や刀剣類は一切持たず、己の体術のみで、山犬を駆逐し始める。


襲い掛かる山犬の足をすくい上げ、よろめく山犬の腹部に、自分の背中を勢い良く当てて、ぶっ飛ばしたり、

逃げ出す山犬の後ろから髪の毛を鷲掴みにし、背中に飛び膝蹴りを見舞うなど、

加納は真琴の「殺すな」の命令に忠実に、山犬の戦意を削いで行く。


 最早…、勝負はついた。


山犬達はグランドのあちこちに、大の字になって倒れ込み、呻く者、気を失う者などで埋め尽くされ、

その光景を見れば、どれだけオカルト研究会の逆襲が凄まじかったのかが垣間見れる。


その中で、オカルト研究会のメンバー達の目が届きそうもない、薄暗闇のフェンスの端っこに、

山犬の首領とおぼしき者が、フェンスをよじ登り、逃走しようと試みている。

だが、設楽寺富美の放った「残念な気」は、確実にこの妖魔を捉えており、

フェンスに登っては、足を、手を滑らせて転落し、慌てて別の場所から逃走しようと試みると、何も障害物の無いフラットな地面で、足を引っ掛けて転倒する。

その繰り返しが永遠に続き、この首領らしき山犬は、完全にパニックに陥っていた。


「プライドも何も無い。みじめな姿ね…」


恐慌状態のその山犬の背後から、侮蔑を多分に含めた女性の声が聞こえて来た。

冷や汗をダラダラと流し、その山犬が声の方角へ振り返ると、そこには、オカルト研究会部長の氷見ひまりの姿が。


ここまでたどり着くのに、幾重もの山犬を排除して来たのか、黒い神父服は砂埃まみれとなり、あちらこちらが裂けている。

そして、ひまり自身も、爪で引っかかれたのか、頭から一筋の血を滴らせていた。


「山犬、三代目仁左右衛門。一昨年の八百万組合総会以来か」


「ひひっ!誰かと勘違いしてやしませんか!?」


迫るひまりの圧力に動じたのか、首領らしき山犬は、身じろぎしながらそれを否定する。

無警戒に見えるも、それでいて触ると怪我をしそうな、静かな怒りの闘気をまとったひまりは、

指をポキポキと鳴らしつつ、仁左右衛門の目の前に立った。


「堕ちるところまで堕ちたか、下種が!だがな、お前だけ無傷で帰す訳にはいかないのだよ。せめて、土岐玲一の苦痛の半分ほど、もって帰れ」


「ちいっ!!」


小細工が通用しない事を悟った、山犬の首領、三代目仁左右衛門は、目の前に立つ氷見ひまりを排除しなければ、状況が改善しない事を察知し、逆襲に転じる。

目の前のひまりに襲い掛かり、左右の拳で、ひまりを殴りつけ始めたのだ。


ボグンッ!!ガシッ!!


辺りに響く、骨と肉と皮のぶつかる鈍い音。


機先を制され、二発、三発と仁左右衛門に殴られるひまりだが、彼女の目は死んでいない。

むしろ、小細工を弄しながらも結局は、他者を傷つける事で状況を変えようとした仁左右衛門に対し、

憤怒の形相で睨み返しながら、仁左右衛門の放つパンチを見切り、防御しながら、冷静に反撃のタイミングを見計らっていた。


なかなかにクリーンヒットが決まらないこの状況、仁左右衛門は焦ったのか、後ろへ右腕を大きく振りかぶり、よりダメージの大きなパンチを狙う。


その時だった


「あああああっ!」


ひまりは瞬時に相手の懐に飛び込みながら、がら空きとなった仁左右衛門の胸板に向かって、声にならない雄叫びを上げながら、渾身の逆水平チョップを放ったのだ。


バチイィィィンッ!!


壮絶な炸裂音と共に、苦悶の表情でよろめく仁左右衛門。

ひまりの逆水平チョップの威力は凄まじく、仁左右衛門の左右の肺から、一気に大量の酸素を排出させるほど。

あっという間に仁左右衛門は酸欠に陥り、体力もガクンと低下する。

この逆水平チョップは、彼女にとって反撃の狼煙。

憤怒の形相をそのままに、完全に鬼と化したひまりの逆襲が、いよいよ始まった。


「あああああっ!あああああっ!」


一片の容赦なく、今度は仁左右衛門の左右の首筋と頸動脈を狙い、斜め上からの連続袈裟斬りチョップを絶叫と共に叩き込む。

彼女の瞳に映るのは、山犬の首領である、三代目仁左衛門なのだが、彼女は仁左衛門を通り越して、何か違う別の存在に、焦点を当てている様にも見える。


(……小橋様、小橋健太様……)


連続チョップによろめきながら、じりじりと後退する仁左右衛門。

そして、仁左右衛門との距離を保ちながら、雨あられの袈裟斬りチョップを撃ち続けるひまり。


仁左右衛門の背中から、ガチャリと金属音が聞こえる。つまりは、ひまりの圧力に負けて、金網のフェンスにまで追い込まれた事を意味する。

仁左右衛門はとうとう、後ろへの逃げ場所さえも失ってしまい、鬼神と化したひまりに対し、反撃しなければ生還出来ないと言う、この一択の選択肢しか無くなってしまったのである。


(……拝啓、小橋健太様。…私は父の影響で、子供の頃からプロレスが好きでした。プロレスが大好きだった……)



 教会関係者とプロレス。

まるで接点が無さそうではあるが、海外、それも中南米辺りでは、それほど珍しい話でも無い。


中南米のプロレススタイルである、空中戦を主体とするマスクマン達が、

ベビーフェイス(善玉)とヒール(悪玉)に別れ、ドラマチックでアクロバティックな格闘技を展開する。それがルチャリブレ。

そのルチャリブレにおいて、ベビーフェイスとヒールの闘いを、神と悪魔との闘いに置き換え、布教活動の一環として、マスクを被る神父・牧師が少なからず存在するのだ。


格闘技としてのプロレスよりも、ドラマチックな部分が、より強調された世界ではあるのだが、

ルチャリブレは人々の圧倒的な支持を受け、老若男女を問わず、今も大衆娯楽のトップであり続けている。


ご多分に漏れず、神父の娘それも、闘う事を運命付けられたエクソシストの娘として生まれた氷見ひまりは、

プロレスの大好きな父の影響をダイレクトに受け、プロレス中継に夢中になり、テレビにかじりついて育って来たのである。


(……拝啓、小橋健太様。父の残したビデオであなたの闘いを見て来ました。いつもいつも、再生するビデオは、あなたの闘いの歴史ばかり……)


フェンスに追い詰められた仁左右衛門、息も絶え絶えでひまりに反撃すらままならない。

その仁左右衛門に対し、ひまりは「うおおおおっ!」と大声を出すやいなや、

バチ!バチ!バチ!バチ!バチ!バチッ!と、高速で逆水平チョップを連打し始めたのだ。


衝撃で肺の空気がどんどんと抜かれる仁左右衛門。もちろん、高速でチョップを繰り出すひまりも、いちいち呼吸などしていられない。

互いに顔を真っ赤にしながら、どちらが倒れるかの根比べ。


(……あなたのプロレス人生は、敵との闘いと、そして怪我との闘いの同時進行。常に、自分の痛みと闘いながら、目の前の敵を粉砕して来た……)



 ピタッ… ひまりの腕が止まり、辺りに一瞬だけ静寂が走る。


酸欠から力が出なくなって来たのか、ひまりは二度、三度と、肩で大きく呼吸をし、

片や仁左右衛門は朦朧としているのか、焦点の合わない目で、グルングルンと目的無く周囲を見回すだけ。

だがひまりは、仁左右衛門が倒れない事に、自分自身の技の威力の弱さに腹を立てたのか、両手で握り拳を作り、「うおおあああっ!!」と、今日一番の雄叫びを上げる。


すると、今度は自分の身体を水平にくるりと一回転させながら、裏拳…バックハンドブローの要領で、仁左右衛門のこめかみに【ローリング袈裟斬りチョップ】を炸裂させたのだ。


「ぎっ!?」


こめかみに対する危険なチョップで、強引に意識を刈り取られたのか、仁左衛門は立っていられず、ずううん…と、ようやく地面にへと沈む。


(……危険な技で意識ごと持っていかれない限り、どんなに苦しくても、どんなに痛くても、あなたは立ち上がって来た。あなたのその姿に、どれだけ心打たれた事か……)


「この…クソアマ…」うつ伏せに沈む仁左右衛門、助けてくれとも、降参だとも言わず、悔し紛れなのか、ひまりに対して憎まれ口を呟く。

それはまだ、仁左右衛門が降参していない証拠。隙あらばひまりに飛び付き、喉元を噛み切ろうと言う、意志がある事の証拠。


ひまりは、そんな仁左右衛門の未だに折れていない心を折るべく、うつ伏せの仁左右衛門の上にまたがり、背中を丸め、自身の左腕を伸ばす。

仁左右衛門の左脇に手を入れ、ひまりの左手は首の後ろをしっかりと押さえた。

つまり、フルネルソン…羽交い締めを片手だけで行った、「ハーフネルソン」の体制に入る。

そして、空いている右手で、仁左右衛門のズボンのベルトを後ろから強引に引っ張り、仁左右衛門を強引に立ち上がらせる。

そして今度は、その右手でベルトの前部を掴み、ひまりは勢いを付けて、自分の身体を背後へと、エビ反りにしたのだ。


「ひゅう!!」


【ハーフネルソン・スープレックス】

ジャーマン・スープレックスやフルネルソン・スープレックスの様に、洗練されたいわゆる「スマートな」技では無く、

不安定な形で相手を掴み、投げている途中で手を離す為、脳天又は、頸椎に露骨にダメージを与える、並のプロレスラーは使わない、荒っぽい危険技である。


「げふっ!!!」


ズウウウンッ!

地響きを立てながら、脳天から地面に落ちた仁左右衛門は、そのまま大の字になって横たわる。

脳震盪を起こし、目を回しているのだが、まだ休む事をひまりは許さない。


(……苦悶の表情を浮かべながら、何度も何度も立ち上がるあなたの姿。最初はキュートだと感じていた。あなたが苦悶の表情を浮かべるたびに、母性をくすぐられて、抱き締めたくなった……)


ブリッジから飛び起きたひまりは、大の字になっている仁左右衛門の元へとダッシュで駆け寄り、仰向けの仁左右衛門を強引に押してうつ伏せにし、

再び左手を仁左右衛門の脇から潜り込ませて、ハーフネルソンの形を作る。


「手前…クソアマ…やめろ、やめやがれ…」


強引に立たせられる仁左右衛門は、身体が言う事が聞かないのか、ひまりの思うがままに動かされている始末。

それを良しとしないのか、口だけは未だに、敵意剥き出しの汚い言葉を、ひまりにぶつけて来ている。


(……だけど、あなたの苦悶の表情、そして歯を食いしばって立ち上がり続ける姿は、憧れや恋、あなたを守りたいと言った母性愛を超え、私に強烈なメッセージを与え続ける事になった……)


「ぐわああっ!やめろ!やめろ!」


二度もハーフネルソン・スープレックスを受ければ、さすがに自分の身体は保たない。

仁左右衛門はガシガシと手足をバタつかせ、ハーフネルソン・スープレックスの体制から逃れようとする。

すると、暴れた仁左右衛門の右ヒジが、背後のひまりの顔面の中央にガツン!と命中。

鼻からダバダバと、滝の様に鼻血を垂らし始めた。


顔面に受けた衝撃で、思わずたじろぐひまり。

ハーフネルソン・スープレックス…半羽交い締め状態が解かれ、リセットされてしまった。


仁左右衛門は最後の力を振り絞り、背後へと身体をねじり、右手を振り上げひまりを狙う。

拳ではなく、右手の指をピンと伸ばし、爪を手刀の様にまっすぐ伸ばし、ひまりの心臓目掛けて突く。


(……泣くな、喚くな、己の弱さを呪うな、怒りの感情に捕らわれるな。ただ、立ち上がれ!ひたすら、立って闘え!どんな困難が目の前に立ちはだかっても、ひたすら前に、ひたすら前に!前に進むために立ち上がれ!……)


大量の鼻血を「無視」し、ひまりは仁左右衛門の手刀を紙一重で避ける。

その勢いで、ひまりは再び仁左右衛門の背後を取り、左腕を仁左右衛門の首に回し、右手は左手首にそえて、グイグイと仁左右衛門を締め上げ始めた。


「けえええっ!!」


喉元では無く、喉仏と頸動脈をダイレクトに締め上げる、スリーパー・ホールド。

つまり、「落とす」事を目的としたスリーパー・ホールドではなく、

直接窒息を狙った締め技、チョーク(首締め)スリーパーで、仁左右衛門の意識を完全に刈り取ろうと、ひまりは情け容赦なく、渾身の力でぐいぐいと締め上げる。


「けえええっ!!けえええっ!!」


脳震盪や打撲の痛みとは違い、窒息の苦しみは地獄。

こんな力をどこに残していたのかと思われる程に、仁左右衛門はもんどり打ってのた打ち回る。

ひまりを背後に連れたまま、地面に倒れたり、転がったり、フェンスにわざと激突したりと、あの手この手で脱出を図るのだが、

首に回ったひまりの腕は、一切のそれを許さず、さらに首を絞め上げる。


(……拝啓、小橋健太様。あなたに教わったのは、あなたに教わったのは……)


ひまりは何か閃いたのか、クラッチしていた(決めていた)右手を解放。

右手を仁左右衛門の右脇の下に入れ、首を絞めていた左手首と、再びクラッチし直す。


「ふんがーーーっ!」


喉元を決めたまま、つまり、首の自由を完全に奪ったまま、

再びひまりは、身体をバネの様に電撃的に動かして、エビ反りで仁左右衛門を放り投げる。


相手をスリーパーで窒息させ、首を決めたまま、頭から相手を落とす、

あまりにもデンジャラスな技、【スリーパー・スープレックス】だ。


「ぎゅうっ!!」


窒息で朦朧としている状態の中、いきなり後方へ放り投げられ、頭から地面へ激突する。

こんな技を仕掛けられたら、さすがの妖魔・山犬もたまったもんじゃない。


(……小橋健太様、あなたに教わったのは、前に進む勇気だ!……)


再びひまり両手の拳を握り締めながら、空に向かって「あああああっ!!」と吼える。

手応えを感じ、次の技でフィニッシュを決める為の、最後の雄叫びだ。


(……私は、真琴さんみたいに神じゃない。菊さんみたいに魔剣士でも無い……)


ひまりは、最後の技を仕掛けるため、

もうフラフラになって、憎まれ口も叩かなくなった仁左右衛門を強引に立たせ、背中を丸めさせた彼の首に、上から左手を回す。


(……私はクラリッタのように女王陛下お墨付きのハンターじゃない。加納のように、己の体術を極めた忍者でもない。そして……)


左手を仁左右衛門の首に回し終えると、今度は自分の右手を、仁左衛門の左太ももに回してがっちりと掴む。

そして、仁左右衛門のわき腹に自分の後頭部を付けて、肩で彼を持ち上げたのだ。


「ぶはあっ!ぶはあっ!!」


自分より一回り大きな存在を持ち上げたひまり。

元々、ここまで辿り着くのに、様々な所で格闘し、体力は限界に近かった。

そして、この場での死闘。流した血も並では無く、ひまり自身が、立っているのがやっと。


しかし、自分の身を守るためだけに、小細工を弄して来た山犬の長、仁左右衛門の心を折るために、仁左衛門の背中を自分の両肩に乗せ、

エビ反りになった身体を、左手と右手でギリギリと、絞り始めたのだ。

それはまさしく、プロレス技で言うところの、「アルゼンチン・バックブリーカー」である。


(……もちろん、私には土岐君のような迦楼羅の力など無い。みんなと違い、私はごく普通の人間だ。だが、私はオカルト研究会の部長だ。みんなの先頭に立って、闘い続けなければならない……)


「…ぐ…ぐるぢい…」


「山犬、貴様らはやってはならない事をした。我々の怒りに火を灯した後悔、身を持って知れ!」


(……拝啓、小橋健太様。私は、あなたの様に闘い続けます。立ち続けます。私の姿を見て、私の背中に何かを感じてくれる人の為に!……)


「バーニング・ハンマー!!」


この掛け声と同時に、ひまりは仁左右衛門を掴んでいた右手を解放。

そして、首を掴んでいた左手をギュッと自分の脇に寄せる。

すると、仁左右衛門の首を基点に、足が上方へと浮き上がり、「頭から地面に向かい、真っ逆さま」の状態を作り上げる。

そしてすかさず、ひまりは自分の身体をペタンと、仁左右衛門の首を掴んだまま、お尻から地面にしゃがみ込んだのだ。

もちろん、仁左右衛門の身体は、頭を真下に自由落下状態。


ズウウウンッ!と地響きを立て、脳天から後頭部、後頭部から肩口へと地面に叩きつけられると、ピクピクと身体を痙攣させながら、仁左右衛門は白眼をむいて気絶した。


 完全勝利


再び訪れた静寂の中、ボロボロになった神父服の埃をパンパンと払い、立ち上がるひまり。

周囲を見回せば、暴れている山犬の姿はまばらで、オカルト研究会の勝利は、間違いの無いものとなっていた。


「……そうだ、主役は君達だ、君達が君達であり続ける限り、私は部長であり続けよう」


周囲を見回し、満足げに呟いたひまりは、気絶している仁左右衛門の髪の毛を無造作に掴み、

そのまま荒っぽく引っ張りながら、仲間達の元へと歩いて行った。


  ピーポー、ピーポー…フアァァン!

  左に曲がります!左に曲がります!


玲一の為に呼んだ救急車の、サイレンがどんどんと近づいて来る。

だが、近隣住民から、警察へ騒乱の通報が行っても、何事も無かったかの様にしろと指示を出した、真琴の根回しが効いているのか、パトカーのサイレンは一切聞こえない。


土岐玲一、土岐こよみの救出成功。

そして、妖魔・山犬への全面制圧で、オカルト研究会は大勝利を上げた。


近付くひまりに気付き、手を振る真琴や富美、そしてロロット。

また姿を消したのか、加納の姿は見えないが、クラリッタと菊も、「あらかた片付けた」と判断したのか、意気揚々と、真琴達のいる場所へと戻り始めた。

そして、ひまりの視界には、意識を取り戻した、こよみの姿が見える。

意識の無い兄を気遣っているのか、玲一の左手をしっかりと握り締めているようだ。


 【仲間達】


意志も、意識も、目的も違うが、たまたま学園で出会い、そして、友人以上の交流が始まった。それが仲間達。

その言葉を噛みしめながら、「私は守る、あなた達を守る、それが私の使命だ」と、ひまりは小さく呟く。

そして、出迎える仲間達に微笑みながら、口の周りにべったりとついた、鼻血の血を拭った。




※あとがきとして、こちらのリンクを置いておきます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%A9%8B%E5%BB%BA%E5%A4%AA


本来、今現在の表記的には「小橋建太」なのですが、

私的には、古くからの想いを込めて「小橋健太」で表記させて頂いております事、ご了承ください。

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