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月桂樹の葉を編む  作者: 叶笑美
群像劇
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69/110

ある隊員の日記②

葵が幹部に昇進した時のこと。

新幹部は”四天王”と名付けられた。

それから編成が始まる。

1週間後、編成が発表されるのだが、それまではどの隊員も緊張しながら待っていた。

しかし、発表されるはずの日に発表延期の知らせが張り出された。

どうやら再編成を行っているとのこと。

みんなで首を長くして待ち続け、数日後、ついに発表された。

その表を見て愕然がくぜんとする。

なんと、部隊の編成は男性幹部の元には見事に男性隊員しかいない。

そして、女性幹部の元に女性隊員が全員振り分けられている。

ごく少数の男性隊員が女性幹部に配属させられていた。

あの寝技での問題児スーベニアもパルフェの元だった。

これには女子からブーイングが殺到。

それに対し、魔王からの言葉は「うどんと葵に聞いて」と返されただけだった。

不満を持った女性隊員が葵とうどんが庭の隅っこに身を寄せ合うように三角座りをしていたところを突撃。

「葵さま!どうして女子は男性幹部に配属されないのですか!?」

「そうよ!男子だけずるい!!」

口々に責められるのに対し、葵はうどんに目配せして、2人して気まずそうにしていた。

「い、色々トラブルがあってだな・・・」

葵が口をにごして答えるも、怒りが収まるどころか沸騰ふっとうする。

「ちゃんと説明してください!!」

「そうよ!説明責任を果たしてください!!」

しびれを切らせたうどんが立ち上がって一喝いっかつした。

「う、うっせぇな!!決まったんだからもう変わんねーんだよ!!行くぞ、葵!!」

女子の群れをモーゼの如く突っ切る後を、葵もついて行った。

だが、後に女子たちはすぐに真相に辿り着いた。

詳しくはわからないが、幹部昇進後に葵とうどんが合同で行った男子のみの訓練で、バカな内容を行い参加者の9割が不仲になったというとんでもないトラブルを起こしたと言う。

葵とうどんの言い分としては「こんなつもりじゃなかった」「でも誰も死んでませんよね?」との逃げ口上。

その罰として魔王から「おバカな男子幹部に女子はあげないから」との制裁が下った。

参加者のほとんどに授業内容を聞いてもみんなそっぽを向き、誰も口を割らなかったが、唯一、前々から魔王軍内の腐女子に人気のあったギンジョーとドロップは何があったのか、雰囲気から察するに、最近コンビからカップルになったらしい。

あまりにも2人の世界すぎるので誰もここには聞きに行けなかったという。

詳細は闇の中へと消えた。


葵に声をかけたくても、みんながそのチャンスをモノにしようと狙っているので、なかなか話しかけられない。

しかも、「うどんとできてる」なんていう不届きな噂まである。

だが、これはきっと腐女子陣の流した印象操作だと睨んでいる。

その証拠に、葵とうどん(順不同)のカップリングが魔王軍腐女子内ではダントツの人気を誇っているのだ。

その次に人気なのはギンジョーとドロップ(順不同)とのこと。

3位以下は葵と誰かで、とにかく葵が絡んだものが多い。

そんなことはどうでもいい!

とにかく話したい!

憧れのあの人と!!

勇気を振り絞り、乗り出そうとした途端、足を止めた。

なぜなら、葵にパルフェが絡んでいたからだ!!

パルフェは訓練生時代には葵をかなり毛嫌いしていたくせに、ある日を境に何故か猛アタックするようになった。

その勢いたるや、ストーカーにでもなりそうな勢いである・・・。

パルフェだけでない。

他にも華はあるが気の強そうな女性隊員たちがゴロゴロと周囲にはいる。

まるでハエのように葵にたかるではないか。

こんなことを言うと葵が糞になってしまう。

葵は美しく気高い花なのだが、周りの女はこの女性隊員から見ればハエ同然なのだ。

「くそぉ・・・ハエならハエらしく、大人しくうんこに集ってろ!」なんて暴言を一人呟つぶやき、今日もろくに話せなかった。


今日も葵は美しい。

しかし、葵は日に日にうどんとの噂が増えていく。

本人たちは外では睨み合ったり、言い合いをしていたり、舌打ちし合ったりと様々なことで相手に喧嘩を売り、威嚇をしている。

だが、2人は寮に戻れば同室。

部屋の中では言い争うことも、派手な取っ組み合いの音も聞こえないという。

そんな謎多き2人の部屋での様子にみな、想像力に任せて好き勝手言うから噂が増えるのだ。

そして、本人たちもよくわからないところで仲良くしていることもある。

先日の全体集会で漢字の読み方を教えてあげたり、頻繁なグータッチをしてたり、2人きりで武道場で柔術の訓練をしていたり、何か悪巧みをして2人でニヤニヤしながら話してたり・・・。

この前もこんなことがあった。

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