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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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魔力体ゆえに



報告書の確認が終わったら両親に会いに行こう…そう思っていたのだけど、向こうから執務室へと顔を出してくれた。

「アスカ、今いい?」

「うん。ちょうど手が空いたから私も会いに行こうと思ってたところだったよ」

「俺たちに何か用事だったのか?」 

「用事というか、お礼を言いたくて。異世界まで助けに来てくれてありがとう」

「気にしなくていいのに。子供に助けを求められたら来るのは当たり前なんだから!」

「だな。普段あまり頼られることもないから嬉しかったぜ」

「本当にありがとう。娘としても、ここを預かるトップとしてもお礼を言わせて」

「褒美とかもらえるのか?」

「勿論いいけど、何がほしいの?」

「ユウヤ! 娘に何を言ってるの!」

「軽い冗談じゃねぇか…。ナツハは頭が硬いぞ」

「その硬い頭を食らっとく?」

頭突きの態勢に入った母さんを慌てて止める。


「ストップ! 執務室で暴れるのはやめて。 それより二人はなにか用事があって来たんじゃないの?」

「あ、そうだよ! ミナ達の事もカタがついたし、アキナのところへ帰ろうかなって。送ってもらえない?」

「やっぱり忙しい?」

「ほら、学校のこともあるからね。アスカも来てくれると嬉しいんだけど、トップだから離れられないよね。アキナにはそう伝えて…」

「別にいいよ?」

「いいの? こっちを放ってはおけないでしょ?」

「完全に魔力体になったから分体を作れるし、ある程度力を渡しておけば問題はないよ」

両親は意味がわからないと頭を抱えてるけど、今はもう私もティーと同じ様な事ができてしまうのよね。 (おそろいー)

だね。でもティーのが万能感はあるよね。 (ふふー)

これからはあちこちの世界に自分の分体を送って活動させられる。問題は本体をどこに置くかってだけ。

状況的にはここへ本体を置いて、一番力を割いておく方が無難だとは思ってるけど…。


「もう全然わかんないけどわかったよ。じゃあ学校が始まる時になったらティーちゃんに伝えたらいい?」

「うん。それで大丈夫」

「ママー。またティーが送るの」

「そうね、お願いしていい?」

「あいあい!」


改めて両親にお礼を言い、両親からはミナさんとシュージさんの事をよろしくと頼まれた。

未亜のご両親だからね。当然気にかけておく。

転移していく両親を見送り、送っていったティーもすぐに帰ってきた。

「ありがとね」

「時間も調整して送ったから一日くらいしか空けてないことになってるの」

「アキナさんの迷惑にもならなかったなら良かったよ」

「後ね、未亜のじーちゃんたちが兵士に連れられてネヴァーを出発したよ。何日かしたら魔族領に到着すると思う」

「わかった、ありがと」

転移で運んでもよかったのだけど…今更か。


「そういえばセンティアはネヴァー王が面倒見るって話になってたけど、誰か人を送った?」

「うん! 信用できる人をへんきょうはく?って身分にして任せたから、もう統治が始まってるの」

「辺境伯ね…」

「どういう意味なの?」

「わかりやすく言うなら、うちみたいな魔族領っていう違う国と隣接する土地を任される高位貴族だね。普通はかなりの軍事力と権限を与えられる」

「…敵対するってこと?」

「違うと思いたいけど…。さっきのも私が知ってる知識での話だから」

街の人たちにとっては安心できる統治者にはなるんじゃないかな。


「いちおーけーかいしとくの」

「お願いできる?意図はともかく娘までこちらに預けておいて馬鹿なことはしないと思うんだけどね」

ネヴァーの国王は愚かな人でもなかったし、また攻めてくるような馬鹿な真似はしないと思いたい。

疑ってたらきりが無いけど、守るべきものがある以上、警戒していて損はないから。


「マスター、失礼します」

「ノア、入っていいよ」

ノックして声をかけてきたノアをエノテラが招き入れる。

「何かあった?」

「はい! いくつか報告があります」

「ん、聞かせて」


ノアは客人二組に城のことや魔道具について説明、メイド二人は城のメイドさん達とも顔合わせをして、上手くやれそうと…。

「ありがとね。怯えてたのはどう?」

「今は落ち着いてますね。ただ、全員がマスターの魔道具に興味津々でして」

「ああ。じゃあ興味があるのならブルガーから魔道具の作成を学べるようにもしてあげて。私に聞きに来てもいいからと」

「それなのですが、ハツユキさん達エルフはいいのですが、グロリアさん達は魔力的に大丈夫でしょうか?」

「ああ…」

こちらの人族が魔法を殆ど使えない理由についてはハッキリしたんだけど、これを本人達に伝えていいものか…。 (わかったの?)

ほら、ネヴァー王達を魔族領へ転移させた時にね、全員のステータスは確認してる。グロリア達もこっちへ運ぶときにね。 (ああ…)

体調もだし、あのメンバーの中になにか企んでる者がいる可能性もあったからね。 (大丈夫だった?)

うん。ものすごい善人とまでは言わないけど、此方への敵対心や邪な考えは無かったからね。 (ほー)


魔法についてもその時に見てる。 (やっぱりよわよわ?)

魔力そのものはそこそこ持ってたから、おかしいな?と思って詳しく見てみたんだけど、魔力を扱う出力調整がめちゃくちゃ絞られてる。 (うーん?)

例えば私達は魔力を使う時に、魔力出力の蛇口が目一杯開いた状態だと思って。それなら魔力を全力で扱えるし、自分で調整もできる。 (ふむふむ)

こちらの人族はすこーししか蛇口があけられてないの。だから自分の意思で出力調整しようにもチョロチョロとしか出てないから、自分ではどうにも出来ない。 (なんとかなるものなの?)

蛇口を開いてあげればいいだけなんだけど、急に開いたら扱いきれずに自滅しかねないね。 (じゃーどうしたら)

すこーしずつ蛇口を開いていって、同時に魔力操作と制御を覚えないといけないから…かなり難易度は高いかな。 (つまり?)

現状でも使える些細な魔法を地道に使い続けるくらいしか方法はないね。 (気が長い)

うん。 後は、私が外から干渉して蛇口を開いてあげて、魔力の制御は魔道具に任せるとかかな。 (でもさー)

うん? (魔力そのものが少なくないのなら魔道具を作るっていう作業を続けてもいいんじゃない?)

それも一つの手だね。ただ、向き不向きもあるから、やりたいと言って上手くいくかの保証はできないし。 (それはそう)

望むのなら試してみればいいだけよ。ダメならまた考える。 (あいあい)


「ノア、望むのならブルガーの講習を受けさせてあげていいよ。日に二時間程度のブルガーの講習なら魔力量の問題も四人共大丈夫だから」

「わかりました!」

魔刻刀を使ってもグロリアとメイドのステイは彫りが浅くはなるだろうけど、そこは仕方がないし。

講習で教えているような家庭で使う便利魔道具に関してなら完成品に差が出ても然程気にしなくてもいいだろうからね。 (シャワーの勢いが弱くなるとか?)

そうそう。私が作れば水の勢いを一から百まで調整できるところを五十までしか上げられない。とかそんな程度。安全性の問題にはならないから。そもそも危ない術式なんて使ってないからね。



「マスター、精霊に関しても是非お話を聞かせてくださいとお二人が。お時間ありますか?」

「わかったよ。それは私が対応するしかないものね…。んー…そうね、明日の午前なら時間を取れるから、そう伝えてもらえる?」

「はい! そのように」

ノアが執務室を出ていくのを見送った後、エノテラが膨れてるのはなんで?


「むう…私の仕事を取られてしまいました!」 

「いつもこの部屋にいてくれて、お茶とかを出してくれてるのに。私の専属メイドみたいな立場なのに不満なの?」

「竜魔王様の専属メイド…! 不満なんてありません!」

エノテラにはあまり負担をかけたくないって理由もあるんだけどね…。

ま、本人が納得したのならいいや。







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