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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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客人 前編



敢えてドラゴンハーフの姿でティーと一緒に客人の部屋を尋ねる事にした。

普通の姿で行って、魔王だと認識されなかったらまた説明の手間が増える。


うーん…。やっぱり威圧感あるかな?この姿。 (んーキレイなだけだけど)

ティーはドラゴンハーフを見慣れてるからじゃない? (それ言われちゃったらもうわかんないの)

そうよね…。

ま、悩んでても仕方ない。直接会って話すしかないね。 (うむ)



客間をノックして声をかけたら、泣き声混じりに返事をされた。

「はい…どうぞ…ぐす…」

扉を開けると、部屋の隅っこでメイドと二人ガタガタと震えながら抱き合ってて…。

悲壮感がすごい。なんて声をかけたらいいのやら。

「お邪魔しまーす!」

元気なティーが救いだわ…。


「何してるのー?」

「つ、ついに処刑ですか…?」

「ひ、姫様はどうか…! 私では代わりになど、とてもなれませんが…。どうか姫様のお命だけは…」

やれやれ…。処刑て…。どうしてその結論に行き着いた?


「何言ってるの? お勉強しに来たんでしょ?」

「え…?」

「ママはそのつもりでお客様としてここへ迎え入れた筈だけど。だよね?」

「うん。ネヴァー王国の第一王女グロリア。で合ってたよね?」

「は、はい!」

「私は竜魔王アスラ。でも、この城の中ではこの子の母でもあるの。そんな我が子の前で処刑なんて無体な事しません。 ネヴァー王から預かった貴女達は大切なお客様です。精霊についてなら知る限り伝えますし、この城の中は自由にどこへ出歩いてもらっても構わないからね」

「「え……」」

泣いていた二人が泣き顔のまま固まってしまったな。仕方ない…。


しゃがみ込み、手持ちのタオルを出して二人の顔を拭いてあげた。一瞬ビクッとされたけど、また泣き出してしまい…。

「うぁぁ…ん…怖かったです…もうすぐに殺されるのかと…」

「姫様ぁ……」

魔王、どう思われてるわけ? (噂が独り歩きしてたしなー)

無慈悲な魔王ね…。いやいや、ネヴァー王! 先に訂正しときなさいな! (話はしてたけどもう絶望しててなーんも聞いてなかったから)

やれやれ…。本当にやれやれだわ。


「ねーねー。二人は食べ物に好き嫌いとかはあるー?」

「…え…ありませんけど…」

「姫様、こちらは何を食しているかもわかりませんのに…」

食べ物も大差無いって…。 (まったくもーこっちのが豪華なんだぞー)


「これあげる! お城のね、料理人の男の子が考えついたお菓子だよ!」

ティーが渡してくれたのはシュガー君が最近作り上げた、魔族領でとれる果実をふんだんに使ったタルトのようなお菓子。見た目にも華やかで可愛らしく仕上げられててうちの子達にも人気。

「…可愛い。え、これがお菓子…?」

「うん! 魔族領でとれるフルーツをいーっぱいつかったから甘酸っぱくて美味しいの!」

「姫様、毒味なら私が…」

「え、ええ…」

失礼ね。よくもまぁ私を前にして毒味とか言えたなコラ。作ってくれたシュガー君に謝れ。 (まぁまぁ…)


メイドはパクッと一口。 

「ん〜〜!!」

目をキラキラさせちゃって。ティーが渡した一切れ全部食べちゃったし。毒味とは何だったのか…。

「大丈夫ですか!?」

「美味しすぎます姫様。このようなお菓子、街でもお城でも食べたことありません!」

「わたくしのは…?」

「あっ…」

「あははっ! まだあるからハイ!」

「ありがとうございます!」

ティーから受け取ったお菓子をグロリアも一口。そのままパクパクとアッという間に食べきってしまった。


「ママはね、魔族領の皆に美味しいものをお腹いっぱい食べてほしい。そう言ってたくさんレシピも開発したし、街の人にもつたえたの。街に行ってもあちこちで美味しいお料理やお菓子がいつでも食べられるよ」

「このお菓子が何時でも…?」

「うん! ほかにもまだまだいーっぱいあるの。今日の夜ご飯も期待してていいの」

さっきまで怯えていた二人から私への熱い視線が…。やっぱり食は偉大だ。

「美味しい物を食べられたらやる気も起きるでしょう?勉強するにしろ仕事をするにしろね。だからうちは食には力を入れてるのよ。一日三食、おやつも二回あるから楽しみにしてるといいよ」

「「………」」

「ノア。二人にお茶を」

「はいっ!」

突然魔法陣から現れたノアに二人は驚いていたけど、ここへ案内したのもノアだから少しホッとした様子。

多分ノアの事だから気さくに話しながら案内した筈だし。


「それとノア?」

「はい!」

「メイド同士、情報の共有をしておくこと。城の中なら一切の制限はなく自由にさせていいから、不便のないようにだけしてあげて。部屋に取り付けてある魔道具に関してもしっかり説明しておいてね」

「かしこまりました!」

「私はもう一組の客人の方にも顔を出してくるから、呼んだらまた来て」

「はいっ!」


「グロリア」

「は、はいっ!?」

「ようこそ魔王城へ。歓迎する。何か要望等あれば遠慮せず私かノアに言うといい。できる限り対応するから」

「は、はい…わかり…ました…」

「メイドの…貴女名前は?」

「えっ…名乗ってよろしいのですか?」

「ネヴァーではどうだったかわからないけど、うちではメイドも城で働く大切な仲間なの。名前くらい知っておきたいから教えて」

「ステイです…」

「ステイね。わかった。これからよろしくね」

「は、はいぃ…」

怯えた様子もなくなったし大丈夫そうね。

ティー、ありがとう。全部ティーのおかげ。 (ふふー。でもママがやってきた事があったからだし)

だとしてもだよ。ティーの明るさに救われたからね。 (あいあい!)














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