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美少女の見る夢は ~夢の中で幼女と遊ぶだけの簡単なお仕事~  作者: 葉山麻代


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17 白い空間

目が覚めるとそこは知らない場所だった。


「え?ここどこ?」


私は巨大な真っ白いクッションのような物の上に寝ていたようで、大分沈み混んでいる。


起き上がって回りを観察するも、とてつもなく広い白い空間のようで、壁や天井が見えない。

温かくも冷たくもない白い床と巨大なクッションのような物しかない。


「誰かいませんかー」


小声で呼び掛けてみたがなにも反応がない。

ふと気配を感じて後ろを見ると、今までなにもなかった空間に、壁とドアがあった。


ドアが開き、白い背景に溶け込みそうな 白く発光した人が入ってきた。


ドアを閉めると、フワッと壁ごと霧散した。

ルーに似た感じのする綺麗な人で、艶やかな長い白い髪が輝いて見える。


『リリーちゃん』


反響するような どこから聞こえているのかわからないような音がそう言っている気がした。


「はい」

『ありがとう』

「はい?」

『ミュー○▽▽△※◇のために』

「ミューちゃんの・・・お母様ですか?」


聞こえる言語では肯定も否定もされず、ただ微笑まれた。


『ルュ◇◇▽△◇の◇▽△◇□お願い』

「ごめんなさい、聞き取れません!もう一回!」

『ありがとう』


弱々しいその言葉を最後に姿が薄くなり消えていった。

しばし呆然とし、どうしようとかと自身が再起動したとき、誰かが呼ぶ声、それも必死に私を呼ぶ声が聞こえ、フワッと落ちる感じがして目が覚めた。


私を覗き込むルーの顔が近い。

ど、どういう状況?

なんと私はルーにお姫様抱っこをされていた。


「え、なんで?」

「おはよう。体はなんともないかい?」

「たぶん、そ、それより、お、おろ下ろしてください」

「そうだね」


ベッドの端に下ろしてもらった。

すぐにマーサが抱きついてきた。

見ると、マーサが泣いている。


「どうしたの?どこか痛いの?」

「ご無事で・・・良かったです・・・何も出来なくて・・・」

「えーと、何が有ったんでしょうか?」


ルーに視線を送って説明を求めた。


困った顔のルーが仕方ないとばかりに説明してくれた。


「僕はマーサの悲鳴が聞こえてね・・・」


どうやら、7時過ぎても起きてこない私を起こしに来たマーサが寝室を開けようとしたら中から眩しいくらいの光が漏れていて、何事と思い声をかけても返事がなく、ドアを開けて中へはいると私がベッドの上に浮いていたらしい。

ところが私の体がベッドの上から外れるように移動したらしくマーサが悲鳴をあげたんだとか。

悲鳴を聞いてルーが駆けつけ、しばらく浮いていたけど、ゆっくり落ちてきたのでルーがキャッチしたということのようだ。


「それは、本当にありがとうございます」


とりあえず助けられたことにお礼をいい、

私が見ていたことを話した。


「気がつくと白い何もない場所で、壁とドアが出来たらルーさんに似た感じの綺麗な人が来て、ミューちゃんとルーさんのことを何か言われたけど言葉がよくわからなくて、とにかく何かお礼を言われたようでした」


一気に捲し立てるような説明に二人があっけにとられていた。


「あ、うん。ミューの母上かな?」

「ミューちゃんのお母さんですか?って聞いてみたんですが、微笑まれただけで反応が良くわかりませんでした」

「そうか、リリー、ありがとう」

「え?」

「とにかく、ありがとう」

「あ、はい、・・・どういたしまして・・・?」


「マーサ、あとはよろしく」

「かしこまりました」


ルーが退室し、通常に戻ったマーサがボソッと言った。


「ミューゼェニア様のために来てくださったんですね」


ん?誰が?ミューの母上がって意味?

私は良くわからずにいた。


「とりあえず、お腹はすいていませんか?」

「あ、そう言えば空いています」

「こちらで召し上がりますか?」

「皆さんの効率の良い方で!」


マーサはふと笑うと、仕方ないなぁと言わんばかりに明るく言った。


「ダイニングへ行きましょう!料理長が食べている頃のはずです」

「はい、たのしみです」


そうか、起こしに来るほどの時間から更に騒動があったのだから、ほとんどの人は食べ終わっているのかもしれない。


「マーサさん、ごめんね、ありがとう」

「ご無事で何よりです」


マーサは本当に安堵したように微笑んだ。

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