15 びっくりのディナー
部屋に戻るとマーサが聞いてきた。
「ミューゼェニア様がご案内された他もご案内いたしますか?」
「ああ、確かに残りの方が多そうね。・・・また今度お願いします。今日は疲れました」
「かしこまりました。では少しお休みください。お食事の時にお呼びします」
「ありがとう」
マーサが退室し、一人になった。
もしかして寝ると戻るのか、もう戻れないのか、実験するには気力が足りないなぁ。
ベッドに寝転び うとうととしかけたが、寝るには至らなかった。
一時間ほどでマーサが呼びに来た。
今日のメニューはちらし寿司だった。
「和食!?」
思わず大きな声をあげてしまい、すぐに謝った。
「ごめんなさい。失礼しました」
「大丈夫かい?なにか嫌いなものがあるかい?」
ルーが心配そうに声をかけてきた。
「いえ、故郷の料理にとても似ているので、つい」
「似ているの?珍しい異国料理に驚いたのかと思ったよ」
「大好きな料理に似ています」
「味も大好きだと良いね」
「はい!」
バラチラシに見えるそれは、とても美味しそうで、早く食べたかった。
ご飯、有るんだな。
生魚に忌避感無いんだな。
なんだか嬉しかった。
鮪と白身と玉子焼とイクラと海苔とあとなんだろう。とにかく色々入っている
「リリー様、海老と蟹は入っていないそうです」
「あ、ありがとう!作ってくれた方にもお礼を言いたいです」
「伝えておきます。それからこちらは卵の蒸し料理です。この料理はセットなんだそうです」
「まさか、茶碗蒸し!?」
「ご存知でしたか?ふるふると柔らかいです」
「私が一番好きな料理はこの、茶碗蒸しです!」
「そうなんですね。良かったです」
なんて幸せメニューなんでしょう!
私のあまりの喜びようにみんながニコニコしている。
「いただきます!」
うーん おいしい!ニコニコしちゃう。
茶碗蒸し最高ー!
さらっと食べるとマーサが小声で聞いてきた。
「卵の蒸し料理はまだありますがお持ちしますか?」
「え!ほんと!良いの!?」
しあわせー。
茶碗蒸しが大好きすぎて最高で8個食べたことがある。
バイト先のまかないで、客用が残ったと出してくれたものだった。
作るのに時間がかかるので、作り置きするものではあるが、規定時間を過ぎたものは客には出せないらしく、廃棄するのももったいないので残ったときは食べたい人が食べても良いということだった。
作りたてでも冷えていても美味しい。
「おまたせしました」
マーサが茶碗蒸しを持ってきてくれた。
さらっと食べた。
本当に美味しい。
出汁の効いた卵に、椎茸、かまぼこ、筍、鶏肉、ユリ根、上に三つ葉がのった本格的な茶碗蒸し。
「そんなに好きなのかい?」
「はい!大好きです!」
ルーが少し笑いながら声をかけてきた。
「なんなら、僕のも食べるかい?」
「人の分まで食べませんよー。・・・怒られたこと有るし」
「え?」
「いえ、なんでもありません」
幸せの味を堪能し、最高に気分が良かった。
茶碗蒸しも、チラシ寿司も美味しかった。
この後デザートが出てくるのかな?なんなら、もう一度 茶碗蒸しでも良いんだけど。
そんなことを考えていると、デザートは水菓子だった。
ここで果物か、でもこれ南国フルーツ。
きっと誰にも伝わらない可笑しさで笑いそうになった。
まあ、日本料理屋でもマスクメロンとか出てくるし良いのかもね。
ちなみに出てきたのは、マンゴーだった。
「ごちそうさまでした!」
幸せいっぱいで食事を終えマーサと共に部屋へ戻った。




