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どこを間違えた?

更新しました。

楽しんでいただけると幸いです。



「大変だわ、第3関門の序章がまだ起きていない。どこかで間違えた?どうしよう?」



舞踏会の翌日、ローレッタはファウラー一家を集め、相談した。日記帳を読み、だいたい理解したファウラー卿と夫人は言った。



「単にまだその時ではないだけでは?ローレッタ」

「いえ、そんなはずがないの。関門はたしか4回あるはずなの。クレアの危険と私の断罪よ。クレアの危険が起きる前の決定的な出来事すら起きていない。そんな物語あると思う?ーーちょっと待って」



ローレッタは額に手をやり「まさか」と呟いてクレアの方を見た。



「クレア、あなた昨晩バージル様とダンス踊った?」

「いいえ、あなたのことで騒動になったから」

「それよ!」



ローレッタは頭を抱えて椅子に座り込んだ。皆は不思議そうな顔でローレッタを見ていた。



「私としたことが、悪霊のパターンを調べることに夢中で物語で起きるはずのことを台無しにしたわ...どうしよう、クレアはバージル様と結婚することになるのに」

「いえ、でもまだチャンスはあるんじゃないの?ローレッタ」

「とりあえず今分かっていることは何だねローレッタ?それで対処していこう」



ファウラー卿がそういうと、ローレッタは紙にペンで悪霊が出ない場合を記し、ファウラー卿に渡した。彼はふむ、と顎に手をやった。



「セシル殿下がいる場合、淑女としての振る舞いを求められた場合、自分の身に危険が及んだ場合、この国の教養を尋ねられた場合か。これならまあどうにかなるだろう」

「どういうこと?お義父様」

「今度バザーがある。お前はアグネスとクレアと一緒に刺繍を行いなさい。その間の話は文学や詩で通しなさい。この悪霊は本を読まないそうだから逃げていくだろう。バザーの日にアルドリッジ公爵一家も参加するように仕向けよう。そこでバージル殿とクレアが出会えばいい」

「さすがねお義父様」



それならいける、とローレッタは喜んだ。ファウラー卿は「しかし」と懸念事項を話した。



「クレアがいつ危険に晒されるかだ。たぶん助けるのはバージル殿だろう?でないと関係が深まらない。そこを悪霊が邪魔をしてこないといいが」

「そこなのよねえ...あっ」



ローレッタは顔をあげて思いついたようにクレアの方を見た。



「クレア、あなた、バージル様と出会ったらすぐに文通やちょっとしたデートをして。私があなたを危険に晒すわ」

「え?」

「私が離婚される理由はたぶんそれよ。クレアを傷つけたとあればこの家の者は誰しもが許さないはず。お義父様、あなたの息のかかった与太者っています?」

「...いないこともないが」

「与太者を私が誘惑してクレアを攫うように仕向けるわ。場所はファウラー家の領地内の森の小屋。そう日記に書いてあった。それでバージル様に助けていただくわ。もし失敗したら毒でも盛るからよろしくねクレア」

「待って、簡単に毒を盛るなんて言わないで」

「大丈夫、死なないやつだから。だいたい私もあなたもこういうのには慣れてるじゃない。バージル様が助けに来たらそれはもう震える子猫のような状態で頼んだわよ」

「...分かったわよ」



しぶしぶクレアが頷くとローレッタは今度はアレクシスの方を向いて言った。



「あと私が悪霊に取り憑かれていたらお義兄様、頼んだわ」

「ええ?」

「だって悪霊に取り憑かれてたら私なにもできないじゃない。この関門は今後のクレアの結婚への一大イベントなのよ。必ず成功させて」

「....仕方ないな。与太者はともかく毒の量は?」

「10日ほど寝込むくらいよ」



アレクシスは驚いてローレッタに言った。



「可愛い妹にそんなに盛れというのか?!」

「2,3日でクレアが元気になってごらんなさいよ?悪霊のやつが致死量まで毒を盛るわよ」

「~~~分かったよ」



とんでもない女だと頭を掻くアレクシスを放ってローレッタは皆に言った。



「皆、自分の日記はすべて隠して。悪霊に見られないように。すべて内密に行うのよ。悪霊が出てきたらあいつを責めればすぐ引っ込むわ。根性ないもの。この世界が何ページの物語かは知らないけど重要人物が早期に出てるからそれほど長くはないはず。短編の可能性もある。綺麗に元に戻して終わらせないと」



悪霊には早いところ墓に戻ってもらうわよと、というローレッタに皆は微妙な顔でそれぞれを見た。ローレッタをこのまま悪にしておいていいのか、という顔で。




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