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まずは小説の説明を

更新しました。

楽しんでいただけると幸いです。

話に入る前にまずこの物語のあらすじを説明しよう。



主人公の1人、クレアは金髪碧眼の美しい赤ん坊で生まれたが、親が「育てたくない」という自分勝手な理由で乳児院に預けられた。そこに現れたアボット伯爵家の両親が表面上は可哀想だと言ってクレアを引き取ったところから話は始まる。


彼女は屋根裏に住み、メイド同然に育てられ、ある程度成長すると舞踏会の日だけ綺麗なドレスを着せられて、舞踏会に出、他の貴族から情報を集めて来いと親に命令されていた。


そしてそれはもう1人の主人公、ローレッタも同じだった。


彼女はオルブライト伯爵家の娘だったが、彼女の両親は弟のジェレミーだけを愛し、彼女は殴る蹴るの暴行はもちろん、食事を抜かれたり、舞踏会で情報を集めるために着飾って、時には汚い手も使った。オルブライト家の両親が彼女をそのように扱った理由は定かではないが黒髪に紫の眼の者ばかりのオルブライト家の中でローレッタだけが金髪に緑の眼だった。



オルブライト伯爵はローレッタの姿があまりに違うので父が母に浮気でもしたのかと訝しリ、母もそうではないと証明するためにローレッタにそのような扱いをしたのかもしれない。



とにかく、クレアとローレッタは理由は違えど同じような扱いを受けていた。ローレッタの方が日々暴力に晒されていた分悲惨かもしれない。



クレアの方はある日コンラッドやアレクシスのいるファウラー侯爵家に色仕掛けをしてこいと言われて向かった。

そしてバーナード・ファウラー侯爵についに我慢の限界がきて「助けてください」と懇願し、それを不憫に思ったファウラー卿はアボット伯爵にクレアを養女として引き取ると言い、アボット家との関係をほとんど断った。


そしてクレアは晴れてクレア・ファウラーとしてコンラッドやアレクシスの妹として人生で初めて令嬢として過ごすことができた。彼女は立場をわきまえ、令嬢として過不足なく過ごしていた。



対するローレッタは親がファウラー家とのパイプを持ちたいがために次男のコンラッドと結婚させられた。日々忌々しい、醜いと言われて殴られ蹴られていた彼女は抵抗することにとうとう疲れ、逆らう余裕もなく、話したこともないコンラッドと結婚したが、コンラッドが冷たいヘーゼルの眼でこちらを睨んだことで吹っ切れた。


逆境に立ち向かうのが真の覇者である。ローレッタは自分が覇者で征服者になることに決めた。


どうせこの家でもクソのような扱いをされると思っていたローレッタはならば私がこの家の主人になってやると思い立ち、そのように振る舞った。

つまり、ファウラー家の若奥様ではなく、ファウラー侯爵夫人としてだ。だからアクセサリーはいらなかった。不必要な量のドレスも、無駄な茶会も。優しい言葉もすべて。


侯爵夫人になるにはそれなりに覚悟がいる。強くならないと家を牛耳れないと思った彼女は何も望まなかった。



問題はこの『侯爵夫人』の意味を何人の読者が理解したかである。だいたいは理解していなかった。


ローレッタは強かったが、さすがに侯爵夫人になるには彼女は若すぎた。彼女は己の力を過信しすぎた。侯爵夫人になるにはローレッタのような気概はもちろん必要だが、それ以上に人脈や経験も必要だった。まだ18歳の小娘にそのようなものはなかった。彼女は急ぎすぎたのだ。



そしてクレアは王室に関係を持つ公爵家の男のところに嫁ぎ、後に公爵夫人となり、ローレッタは離婚されて修道院へ行く。これがこの物語の顛末である。



この話の肝はどこにあるのか?それは『大きな夢を持つのはいいが、そのためには今の自分の現状を正確に見極め、一歩ずつ進み、すぐに成果を求めるな』というものである。


クレアは正確に自分の現状を見て長い年月がかかることを覚悟して行動し、成功した。ローレッタは急ぎすぎたがゆえにすぐに成果を求め失敗した、ということである。




この肝の部分を理解せずにローレッタが可哀想と思っていたのはこの話が書籍化される前、web小説で連載されていた時から何人もいたが、その中に由香子も入っていた。


由香子は当時、仕事が忙しく、人間関係も悪く、すべてが嫌になっていた。そしてある日の夜、コンビニで夕飯を買った帰りに事故に遭い死んだ。


そして目覚めるとローレッタになっていた。ローレッタの心情も知らずに同情していた由香子である。ローレッタを助けたいと思って行動するのは予想できることだった。




読んでいただきありがとうございます。

続きは今日18時に更新します。

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