転生者の自白
転生モノです。
楽しんでいただけると幸いです。
コンラッドと2人きりでいる時、ローレッタはついに決心して彼に真実を話した。
「実は私...ローレッタに転生した者なんです」
「転生?」
「ええ、本当の名前は橘由香子って言って...あっちの世界では私は事故で死んでしまって...気づけばローレッタの姿になっていたんです」
「ーーああ、だからローレッタが急に優しくなって...」
「ええ...、でもこれはローレッタも許してくれると思います。だってコンラッド、ローレッタはあなたのことを愛して...」
「アレクシス!クレア!」
コンラッドがいきなり立ち上がり兄と義妹の名を叫んだので由香子は意味が分からずポカンとしていた。アレクシスとクレアが隠し扉から部屋に入ってきて3人は由香子を睨んだ。
「え?え?」
「お前がローレッタに取り憑いた悪霊か。ローレッタに相談されてずっと機会を探っていたが、とうとう自白したな」
「ローレッタを早く返しなさい!この悪霊!」
クレアが教会からもらってきたのであろう聖水を由香子にかけたが、由香子は「どういうこと?」と驚くばかりだった。
「聖水も効かないか...」
「兄さん、やはりこいつにはエクソシストが有効かと」
「そうよ、アレクシス。この人は私たちのローレッタではないわ。ローレッタにのりうつって好き勝手やっていた邪悪な悪霊ですもの」
「待って!私は物語を修正しようと...!」
「修正しちゃダメなのよ!世界が壊れてしまう!」
クレアはそう叫び「ローレッタを返して!彼女はたしかにワガママなところもあるけどすごく良い人だった!」と金髪を振り乱し、碧眼を涙で潤ませて由香子に詰め寄った。アレクシスはそんな彼女を「クレア、悪霊の近くにいっては危険だ!」とヘーゼルの眼で由香子を睨みながらクレアを止め、コンラッドは「どうする?兄さん、クレア?」と同じくヘーゼルの眼で由香子を蔑んだように見て言った。
「ーーとりあえず、ローレッタの自室に閉じ込めておこう。あそこは鍵がついているからそう簡単にでられない。エクソシストを呼んで儀式の準備を始めよう」
「ちょ、ちょっと待って、なんで私が...私はお義父様にもお義母様にもクレアにもあなたたちにも使用人にもみんなに親切にしたじゃない?どうして...」
「そのおかげで世界が全部壊れたからだ。転生かなにかは知らないが、物語を壊せばどうなる?その物語は消滅するに決まっている。お前は禁忌に触れたんだ」
アレクシスは冷たく言い、使用人を呼んで「こいつをローレッタの部屋に閉じ込めておけ。ローレッタに戻っても大丈夫だ。彼女は了承している」と言い、由香子を無理やり立たせて連れていった。連れて行かれる途中で由香子は叫んだ。
「違う!私はこの物語をもっとよくしようと思っただけよ!」
その声にコンラッドもアレクシスもクレアも溜息を吐いた。
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