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18/23

なにかおかしくはないだろうか?

更新しました。

楽しんでいただけると幸いです。


由香子は花瓶をドアに投げつけて割り、泣いた。


クレアに誰か知らないが毒が盛られ、その毒の瓶が自分の部屋から出てきたため、決定的な証拠として部屋に監禁されたのだ。


クレアは意識がなく、医者が言うには10日かあるいは1か月は寝込むらしい。あの時の皆の目といったら。何度「私はしていません」と訴えても誰も聞き入れなかった。


そして侍女のマーガレットもおらず、部屋に監禁されて3日目。由香子はついに決めた。クレアは邪魔だ、必ず消す、と。






クレアが眠っている部屋でファウラー家の者とフォールズ氏、マーガレットが集まり、演技で寝込んでいるふりをしていたクレアも混ざって考え込んでいた。


今回の関門は一大イベントのはずなのに簡単すぎやしないか?と。



ファウラー卿だってアグネス夫人だってそれなりに修羅場をくぐっている。こんな、娘が10日寝込むくらいで激昂し、ローレッタを修道院へ送るか、と首を捻っていた。


せいぜいが謹慎処分と、彼女が言っていた侯爵夫人の権利の剥奪くらいだろう。アレクシスもコンラッドも不思議に思っていた。


クレアは可愛い妹だが、私たちだってきちんとファウラー侯爵家を継ぐ者として教育を受けている。このような事件でローレッタ1人をまるで魔女裁判のように裁くだろうか?と。


連絡したセシル殿下も首を傾げていたし、バージルも不思議そうにしていた。


クレアが皆の方を向いてたずねた。



「ねえ、これで本当に第3関門突破なの?これくらいのこと、どこの貴族でもよくあることじゃない?何か見落としていないかしら私たち」

「そうだな。本来は小屋まで誘拐だそうだが、ローレッタは本来ならそれくらいのことは自分で弁明できるはずだ。なにか...あ、」



アレクシスは何かを思い出したようにクレアの机の上で紙を取り出してガリガリと鉛筆で書き始めた。そして頭を掻きながら皆に言った。



「ーー私たちは重大な間違いを犯したかもしれません。クレアの危険がローレッタ個人の計画ではなく、オルブライト家またはアルドリッジ家からの命令で行われていたのかも」



アレクシスは紙に書いた相関図を見せながら皆に言った。



「ーーつまりですよ、両家どちらかは知らないが、この2つの家の誰かがクレアを消そうとしてローレッタに声をかけます。内容は『ファウラー家がどうなってもいいのか』とかそういうやつ。だとすればローレッタも動くはず。クレアはアボット伯爵家の人間だが、アボット伯爵家の血を継いだ人間ではない。どこの娘かもしれないクレアとバージル殿が結婚してアルドリッジ家の人間が祝福するとも思えないし、元々ファウラー家と盟約を結んでいたオルブライト家がクレアの実の両親をでっち上げてアルドリッジ家に話し、ローレッタに言えばローレッタを動かしやすい。クレアとローレッタは物語では仲が悪いということになってますから。セシル殿下にいかに好かれようとクレアは両親不明の少女だ。だとすると...まずい、悪霊の部屋へ行こう」



アレクシスが走り出したので皆はついていった。クレアもだ。部屋のドアノブを引いてみるとそこは開いていた。中を見ると誰もいない。アレクシスが「ローレッタ?」と呼び掛けたがいなかった。


中に入ると窓が開いていて、カーテンが取り外され、バルコニーに結ばれて下まで垂れていた。アレクシスは「遅かったか」と額に手をやり、皆に言った。



「皆、今後注意してくれ、アルドリッジ公爵家の人間かオルブライト伯爵家の人間か怨恨でアボット伯爵家の人間がローレッタを使ってクレアを本気で殺害か、あるいは誘拐に来るだろうと思う」

「どうして悪霊はそこを書いていなかったのかしら?」



クレアが不思議そうに言うとアレクシスは答えた。



「アイツは本を読まない悪霊なんだろう?そういう奴には共通点があるんだ。1つは、最後まで読まない。そしてもう1つは、興味のないところは流し読みをする。アイツはローレッタのために元は動いていた。だからこの部分は覚えてないんだろうよ」



こんなことすらできないのかあの悪霊は、とアレクシスは悪態を吐いた。


その時風が吹き、中に1枚の紙が落ちてきた。アレクシスが拾って読むと彼は目を見開き皆に紙を見せた。そこにはこう書いてあった。



『物語が完全に壊れた。私とクレアがサーマン侯爵夫人とかいう女とアルドリッジ公爵の不倫で生まれた双子という設定に変わった。悪霊は今例の小屋でアルドリッジ家の人間に拷問されてる。あとはよろしく ローレッタ・ファウラー侯爵夫人』




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