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第3章 第2話:水流の無限増殖と「水没」の定義

「助けてくれぇ! 村が、村が飲み込まれる!」

ログとエクセルが山を降りて辿り着いたのは、ブロックで組まれたのどかな農村……のはずだった。しかし、そこは現在、腰の高さまで「青い立方体」に埋め尽くされている。

「……おい、エクセル。あの噴水、何だ? 放水量がダムの決壊レベルだぞ」

村の中央広場。そこには一マスの「源泉ブロック」があるのだが、そこから溢れ出した水が、物理法則を無視して四方八方に増殖し続けていた。

「あ、あれぇ? 村長さんがね、『干ばつが怖いから、バケツ一杯の水が無限に増えるようにして!』ってお願いしてきたから、『水と水が隣り合ったら、その間を源泉にする』っていう計算式を入れたんだよぉ!」

ログは頭を抱え、コンソールを起動した。


『if (Water_A.isSource && Water_B.isSource && Distance == 2) { Middle_Block.setType(WATER_SOURCE); }』


「設置場所を限定しないと連鎖反応チェインが止まらなくなるだろ! 今、村全体の低地が『源泉』判定になって、海面が物理的に上昇してんだよ!」

ログがコンソールで確認すると、村の座標のY軸一定以下がすべて「水」というデータで上書きされようとしていた。このままでは村が消えるどころか、世界が水没する。

「ログくん、どうしよう! 水をバケツで汲んでも、すぐ隣から湧いてきちゃうよぉ!」

「当たり前だ。源泉を一個消したところで、周囲の源泉がまた新しい源泉を作る。……いいか、エクセル。この世界の『流体演算』のバグを突くぞ。……おい、村長! 倉庫にある『ドア』を全部持ってこい!」

「ど、ドアぁ!? こんな洪水の中にドアを立ててどうするんだ!」

村長が困惑しながらも、木のドアを数枚持ってきた。ログはそれを受け取ると、激流が渦巻く自宅の玄関先に「バタン!」とドアを設置した。

すると、奇跡が起きた。

「……えっ!? 水が……止まった?」

激しく流れ込んでいたはずの水が、開いた状態のドアの「枠」の手前でピタリと静止したのだ。目に見える障壁は何もない。だが、水はまるで見えない透明な壁に阻まれたように、ドアの空間を避けて流れていく。

「ふぅ……。読み通りだ。エクセル、お前、ドアの当たり判定を『不透過ブロック』と同じ属性に設定してるな? おかげで、この世界では『ドアがある1マス』には、水も空気も重ならない仕様になってる」

「えっ、あ、うん! ドアの中に水が入ってきたら、お部屋がびしょびしょになっちゃうと思って……」

「極端なんだよ! おかげで、ドアさえあれば水深1000メートルの海底でも呼吸ができるバグ技の完成だ。……よし、全戸の入り口にドアを設置しろ! 水流の判定を遮断して、村の中にドライエリアを作るんだ!」

ログの指示で、村人たちが次々とドアを設置していく。村のあちこちに、水の中に「四角い空気の箱」が浮いているような異常な光景が広がった。

「助かった……! ログさん、あんたは命の恩人だ!」

「礼はいい。それよりエクセル、根本的な修正だ。この無限増殖設定を『深さ1マス以内』かつ『周囲がブロックで囲まれている時』のみに限定しろ。そうしないと、明日にはこの大陸がアトランティスになるぞ」

「は、はいぃ! すぐにパッチ当てるねぇ!」

エクセルが泣きながら『創世の書』を書き換えると、溢れ続けていた水の勢いがスッと収まった。ログは濡れた靴を脱ぎ捨て、ため息をついた。

「……流体計算を甘く見るなと言っただろ。次は……炭鉱か。おい、あの山の中から聞こえる『ガガガガ』っていう不穏な音は何だ?」

「あ、あれ? それはね、採掘を楽にするために『砂利』に重力を持たせたんだけど……ちょっと計算が重くなっちゃってるのかも?」

ログは嫌な予感を覚え、炭鉱の入り口へと視線を向けた。第3話、松明一本で世界を支える「構造力学の崩壊」が始まろうとしていた。


【第3章2話・デバッグログ】

▶ 事象:水の無限増殖による広域冠水。村全体の低地が源泉判定に上書きされる寸前まで進行。

▶ 原因:無限水源化のアルゴリズムに空間制限をかけ忘れたため、連鎖反応が停止しなかった。

▶ 対策:「ドア」の当たり判定(水流遮断バグ)を利用した暫定処置と、ソースコードへの条件追加。

▶ 備考:ドアが潜水艦並みの気密性を誇ることが判明。海底居住区への応用が可能。


【次回予告】

第3話「松明一本で支える超重量」──「おい、この木の棒、耐荷重ロード計算がバグって無限大になってるぞ!」

【約10万字完結済】月・水・土 21時更新。

※初回5話公開。最初の1週間は毎日更新の予定。

※本作はAIを執筆補助に使用しています。

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