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三日目4


 突然のオークション終了。もちろん参加者達は納得がいかずに説明を求めて声を荒らげる。

 同時に昼間から席を外していたソフィアが戻ってきた。


「……ただいま戻りました。ギリギリまで掛かってしまい申し訳ありません」

「大丈夫よ。上手くいって良かったわ、お疲れ様ソフィア」


 舞台上では競売人からの説明が会場にいる全員に行われた。

 これに関しては私達が“手配”した事も含めて話すと、全ては裏で動いてくれた二人のおかげなのである。

 【神の眼】の出品を確信した私達は、まずオークション前日からトルティ師匠と妹のヴァイオレットに連絡を取り、二枚の書類を送ってもらうように依頼した。

 それをソフィアが三日目の今しがたオークション関係者に提出し、神の眼の出品が取り消されたと言うことだ。

 師匠からは正規取引証明書。

 もともと盗品だった本を幽霊図書館のれっきとした所有物だと認めさせる書類で、この証明書は滅多に提出されない。

 オークションでは昔に誰かから盗まれた品が度々出品される。いや、むしろ歴史上盗品の方が多い。

 シッカリとした内容の証明書でないと競売関係者から認められず取引が成立しないのだが、抜け目がない師匠は確実に全員を黙らせれたようだ。

 神の眼の受け取り代理人の名前は私になっている。

 もう一枚の書類は偽造鑑定報告書。

 錬金術師として勉学に励む妹のヴァイオレットが所属しているギルドは探偵のようなことをメインに慈善活動もしているようで。部下の失態により手に入らなかった本を“誰かさん”が回収しようと模索した数々の偽造工作、その証拠を揃えた書類。

 セルディーヌ卿の悪行をギルドに報告したのは今朝がたになったので、この書類に関しては本当に間に合ってよかったわ。

 この二枚の提出物は出品を阻止できる十分な武器となった。

 競売人の説明が終わると同時に膝から崩れ落ちるセルディーヌ卿。


「……ソフィア」

「はい。彼の未来は火を見るより明らかです」

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