第三章-今を変える決意-(2)
「カエ!?」
家が燃えあがる中、二階建ての黄色いデザインで目立つ家――高峰家の玄関の前で彼女が倒れているところを光大は発見する。
光大と葦貴は、彼女の下へと急ぐ。光大がそっと抱き起す。
「カエ! しっかりしろ!」
光大は彼女の名前を必死に呼ぶ。
「うっ……」
光大の声に応えるように、花楓はゆっくりと目を開ける。その瞳には、心配そうな表情でこちらを見ている彼らをしっかりと映した。
「こ……うちゃん? よ……くん?」
「よかった。心配したよ」
葦貴が花楓に微笑みかける。
「カエ、つらいかもしれないが……一体何があったんだ?」
光大が訊ねる。
「……いきなり、家が燃え始めて……逃げ道を塞がれて……このまま死んでしまうと思ったときに、女の子が突然、二階の窓ガラスを割って入ってきて……それからは、わから、ない……お願い、こうちゃん……その子をたすけ、て……」
彼女は、光大に懇願した後、二人が来て安堵したのか、目を閉じる。
「カ、カエ、お、おいっ!」
「大丈夫。気を失っているだけだよ」
「そ、そうか」
光大は、葦貴の言葉に心を落ち着かせる。
そして、燃え上る家の玄関を見つめる。
「よっしー、カエのこと頼めるか?」
「へ? いいけど、コウ、まさか……」
――そのまさかだ。幼馴染みの女の子の頼みを聞けないんじゃあ、男じゃねえ! それに俺は、あいつも――乙姫を助けたいんだ!
「はあぁぁぁっ!」
光大はためらいもなく、燃え盛る高峰家の中へと飛び込んだ。




