第8話 新たな仲間
転移魔法で、騎士団の所に来たが、中は見るに堪えない程崩壊していた
「ヒューナ、教えてくれ何があったんだよ、いきなりアマネに起こされ連れてかれたと思えばなんで騎士団が、こんなことになってるんだよ!!!」
「急ぎ様子を確認したかった、すまない、レン順を追って説明する」
事の経緯を説明するヒューナ、アマネは生き残ってる者がいないか探し回っている
「そんな...フィネガンが...それにタイプΦってのは1人で、ここまで出来る程の力があるってのか...?」
「話を聞く限り、本当だろうな...ただ悲しんでる場合ではない、これは私からの提案だ、レン...私とアマネとメアと共に騎士団を新しく作らないか?私が司令官として導く」
「俺達で騎士団を...やるしかないな...ここにいた騎士達、そしてフィネガンの決意を俺達が受け継いでやるよ...!」
「頼もしい限りだ、ただこれから騎士団の再建築、メアの治療、そしてお前の体調の事もあるからな、まだまだ先の話だ、お前とメアは体を休め、2人でどこか遊びに行くがいいさ」
「ああ、だが再建築とか何が手伝える事があればいつでも言ってくれ」
ヒューナは笑顔で頷き、レンと共に生存者を探すアマネの元に向かう
「あ、レンちゃん、ライちゃん...ごめんなさい、生きてる人はいなかったわ...」
「お前が何故謝る?探してくれて感謝するよ、ありがとう、レンにも話したが私達で騎士団を作り直す事にした、私が司令官として、騎士や兵士の役割はレンとメアに頼む、そしてアマネには私の魔術で通信を行いレン達をナビゲートする役割をして欲しい...やってくれるか?」
「いいわね、任せといて」
「よし、ひとまず今日は家に帰るとするか」
「すまない、俺は残ってやりたい事があるからアマネと先に帰っててくれ」
「何をするんだ?レン?」
「まあ...ちょっとな...気にしないでくれ」
「分かった、では先に帰って夕飯を拵えておくからな」
「ああ」
転移魔術で先に帰るヒューナを見送った後、レンは簡易的な物だが1人ずつの墓を作っていた
「こんな墓ですまないな...いつかここを建て直したら良い墓を作るからな...今までご苦労さまでした、騎士や兵士の皆様...俺が必ず仇を取ります」
手を合わせ死者に祈ってるレンの後ろに1人の女性が声をかける
「なに...これ...ちょっとあんた!!何があったのよ!?」
「お、おい、まず誰だよお前!」
金髪の女性が取り乱したようにレンの胸ぐらを掴む
「私が誰とかどうでもいいでしょ!?まず何があったのか説明しなさいよ!!」
「分かったから、まず離せよ!」
無理やり女性を押し倒すレン
「...1人の謎の人物に騎士団がやられた、生き残ってる者は誰1人いない、そして司令官と知り合いだった俺達は直々に新しく騎士団を建て直してくれって頼まれたんだ、行動をする前に、まず騎士や兵士達の墓を作ってやろうと思っていた所をお前が来たって訳だ」
「1人の人間に騎士団が!?全員!?そんな馬鹿な話ある訳ないでしょ!!私が...憧れてた騎士団は...そんな弱い訳ない...」
怒り狂っていたと思えば、いきなり涙を流してしまう
「まずお前は誰なんだよ、騎士団に世話にでもなっていたのか?」
「...私はクレハ、世話になってた訳じゃないわ、ただ悪魔を倒す騎士に憧れてたってだけよ、その為に試験を受けたいと思って頼みに来ようと思ってたけど、この有様って...」
「そうだったのか、俺も同じだよ、騎士だった姉に憧れて俺もいつか騎士になりたいと思っていた...前回の入隊試験、俺はそこに行って騎士になるつもりだったが...謎の男に俺と同じ志願生は皆そいつにやられた、試験再開まで暫くかかると言われ、待っていた最中に...騎士団がこうなっていたって訳だ」
「私と似てるのね、ねえそんな試験とか騎士に前向きになる自信があるって事は貴方も能力者なの?」
「いや俺は能力はない、ただの人間だよ」
「ただの人間で?相当自信があるのね?」
「そう言うお前は能力者なのか?」
「勿論能力者よ?能力はこれよ」
クレハの手元から拳銃やライフルが生み出された
「銃を生み出せる能力って訳か、同じ能力者でもメアとは違うんだな...」
「は?メアって誰よ」
「いや気にするな、何でもない、所でクレハは騎士になりたいんだろ?俺達でここを建て直した時にお前も来るか?」
「まあ戦力次第ね、いくら憧れてる騎士になれても騎士団として強く皆を守れる人達じゃないと着いていく気にならないわ」
「俺達ならやれる、いや...やるしかないんだよ」
真っ直ぐな目でクレハを見つめる
「威勢はいいのね、気に入ったわ、貴方達の力を見てついていくかどうか判断するわ....それとさっきはごめんなさい、つい気が動転しちゃって...私も一緒に墓を建てるわ」
「気にするな、助かるよ...俺としてはクレハが来てくれると凄く心強い、来てくれると信じてるよ」
「ふん、勝手に持ち上げないで、恥ずかしいじゃない」
顔を赤らめながらそっぽ向くクレハ
数時間後~
「よし、全員分完成したわね、そろそろ帰りましょうか」
「そうだな、クレハはどの辺に住んでるんだ?」
「ここからちょっと離れたとこよ、わざわざ来たってのに...」
「なら今日はうちに泊まるか?もう夕暮れ時だし暗くなっては危ないだろ?」
「私の能力さっき見たでしょ?それに初対面の男の人の家に泊まるってないでしょ」
「いや俺だけじゃない、エルフと2人の女性と暮らしているんだ」
「あら意外とハーレムな暮らしをしてるのね?それならお邪魔しようかしら」
「分かった、ここから少し歩くが遠くはない、案内するよ」
そうしてレンとクレハは特に喋る事もなく、家に帰っていく
ヒューナ宅~
「遅かったなレン...ってそちらの方は誰だ?」
「さっき騎士団の所で知り合ったクレハだ、メアの同じ能力者で、新しい仲間だ」
「ちょっと、まだ仲間になるなんて言ってないわよ?」
「俺達を見て判断するんだろう?なら必ず仲間になってくれるって信じてるからな」
「調子良い事言っちゃって...自己紹介が遅れたわね、さっき全部言われちゃったけどクレハよ、今日は遅いから泊まってもいいってレンが言ってたから、お世話になるわ」
「そういう事か、遠慮なくゆっくりしていくといい、私はヒューナだ」
「あ、レンちゃんおかえり〜って...レンちゃんが美女を連れて帰ってきた!!」
「ああアマネ、今帰ったよ、さっき知り合って今日は遅いから泊まらせる事にした」
「そうなの〜、ささっ!お客様なんだし座って座って!」
「え、えぇ...お構いなく」
「こいつはアマネだ、私の友人だが少し頭のネジが外れてる、悪い奴ではないんだが...まあ変人と思ってくれ」
「ちょ、ライちゃん!?」
「はは...ところでアマネ、メアの様子はどうだ?」
「変わらずって感じね、後2~3日もすれば完治するみたいよ」
「そうか、なら良かった」
「お前が帰ってくるの待ってたんだ、さあ夕飯にしよう」
「待ってました〜!ライちゃん特製野草シチュー!」
「や、野草...貴方達いつもこんなの食べてるの...?」
初めて目にする料理に困惑するクレハにレンは耳打ちする
「見た目は怪しいが味は保証するよ、それにヒューナに野草の事を聞くと多分数時間は野草について語られるから気をつけろよ...?」
「き、気をつけるわ...」
クレハは覚悟を決めた表情でシチュー口に入れる
「お、おいしい!なにこれ!野草とは思えない!」
「そうだろう?私が厳選した野草は特別なのさ、丁度いいクレハにも野草について教えてやろう、いいか?まず野草っては...」
「ヒ、ヒューナ!メアも寝てるが栄養を取らないと、まずいし起こしてやった方がいいんじゃないか?」
慌ててレンは会話を遮る
「む?それもそうだな、起こしてくるか」
クレハが小声でレンに囁く
「助かったわ...語られるってああいう感じなのね...」
「そうだ、ヒューナが大体長話をする時は、いいか?って良く口にする、その単語が出たら要注意だ」
「肝に銘じとくわ...」
ヒューナに起こされ、部屋から出てきたのは寝ぼけてる状態のメアだったが、レンの隣に座ってるクレハを見て一気に目覚める
「ちょ!!レン君!?隣にいる女は誰!?!」
「ヒューナ...説明してやってくれ...」
呆れたレンがヒューナに言い、経緯を説明する
「なーんだ!そうだったのね!てっきりレン君の愛人かと思って焦ったわ」
安堵した表情でシチューをもりもり食べるメア
「あら?貴方達そういう関係なの?」
「馬鹿、メアが勝手にそう言ってるだけだ」
「へー、お似合いだと思うわよ?私は」
「でしょでしょ!貴方なかなか見る目あるじゃない!」
「でもね、恋ってのは一方通行じゃだめなのよ?グイグイ行き過ぎると逆効果で、相手に嫌われちゃう可能性もあるのよ?」
「えっ...じゃあレン君は私の事...嫌いなの...?」
子犬のような目でレンを見るメア
「別に嫌いでもないし好きでもない、ヒューナやアマネと同じ大切な仲間ってだけだ」
「へー...こりゃ落とすのに相当苦労するわね」
「レンも私に似て頭が固いというか古臭い考えなんだよ、実際レンの姉であるアリナという女性も、私に似てしまい浮ついた話や色恋沙汰なんか一切無かったな」
ヒューナは自信満々に言う
「確かにエルフって喋り方もそうだけど古いわよね、見た目で言ったら凄く幼いのに、診療所の先生もエルフで喋り方も見た目も貴方にそっくりよね、エルフってみんなそうなの?」
「見た目は同じだが、喋り方はバラバラだな、私と診療所医師は古い仲だからな、確かどっちかがこのような喋り方で気がついたら似た感じになってしまったんだ、もう何百年も前だから忘れてしまったよ、1番クセのあるエルフは既にいないがティーズというエルフがいてな、とにかく子供っぽいというか...無邪気という言葉を具現化したような奴だった」
「へー、エルフでも色々違うのね?ねね、そのティーズって子の真似してみてよ?」
いたずらっ子のような表情をするクレハ
「やる訳ないだろう、馬鹿も休み休み言え」
と、その時随分大人しくしていたアマネがいきなり大声を出す
「ばかね〜クレハちゃんも、ライちゃんの無邪気なところが見たかったらね〜こうするのよ〜〜!!」
酒瓶を持ったアマネが無理やりヒューナに飲ませる
「ばっ、馬鹿!アマネ!!お前ヒューナが酔っ払ったらどうなるか分かってるだろ!?てかお前いつ酒飲んだ!」
「え〜?みんなが話してる時からですよ〜、新しい仲間が増えたんだし〜お祝いで〜〜」
「メア、クレハ、すまないが俺は逃げる、後は任せた」
クールな顔つきで親指を立て、急ぎ足で外に逃げ出すレン
「レ、レン君!?」
「あいつ裏切ったわね!」
2人の肩をヒューナが掴む
「お前達ー!何してた顔してるんだよー!!一緒に飲もーー夜はこれからだーー!」
「え!?なに、ちょっと貴方急に変わりすぎじゃないの!?」
「ん〜?だってクレハがティーズの真似しろって言ったじゃんーだからやってるだけーー!おいアマネー!さっさと追加の酒持ってこーい!お前達も私の酒が飲めない訳じゃないよなー?飲め飲め!」
「酒臭い!近寄らないでよ!酔っ払い!」
「い、一応私けが人なのに〜...レン君助けて〜〜!!」
2人の悲鳴と、もう2人のはしゃぐ声が家の中から響き渡ってくる、それを聞きながらレンは申し訳ない気持ちと共に、自分じゃなくて良かったと心から思うレンなのであった




