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ブラットガーデン  作者: 眼鏡蛇
第1章

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7/11

第7話 剣の重さは命を絶つ重さ

あれから暫くの日が経った、完治とはいかないがメアもかなり回復し自由に歩けるようになった


「レイチェルさん色々ありがとうございました」


「構わないよ、ただお前は腹が完治してないって事を忘れるなよ?激しい動きをすれば痛むから気をつけろよ、さああいつらの元にいってやれ、心配してたからな?」


「はい!」


レイチェルの転移魔法であっという間にヒューナの家に着く


ヒューナ宅~


「みんな心配かけてごめんね、私はもう何ともないから大丈....イタッ...」


「お、おい!無茶をするな、暫く休んでろ、俺やヒューナ、アマネもいるんだから」


「そうだ、無理は禁物だぞ?....帰ってきて急ですまないが、あの時の話をしたい、話がまとまったら改めて私から説明する、レン少し席を外してくれないか?」


「気になる事だが...分かったよ」


アマネはメアとヒューナの後ろで、申し訳ない表情で両手を合わせて謝罪するポーズをしている

レンは小さく頷き外に出る


「さて、一からちゃんと聞きたい、あの日何があったのだ?」


「アマネさんとレン君が出かけて、ちょっと妬ましくなっちゃってね、こっそり後を付けてたんだけど、後ろから誰かに話しかけられてね、振り返ったら...その写真立てに写ってるアリナさんにそっくりな人がいたの、んで我タイプΦなり、とか古臭い話し方をしてて、君主の様子を確認しに来ただけって言って、どこか行こうとしたから引き留めようとしたら回し蹴りをされて...あの場に倒れちゃったって感じね」


「ふむ...タイプΦ...君主...そしてアリナにそっくり...分からない事だらけだな」


「ほんとよ、何言ってるのか分からないし蹴りは貰うし...それに前レン君が話してたタイプ...∑だっけ?それとタイプΦってなんなの?それに私がレン君を見てる時に多分...多分よ?レン君の事を君主って言ってるような気がしたの...」


「って事は試験場の襲撃の件と、メイドちゃんの件がレンちゃんに関係してるって事ね....あーーもーーー!!!何が何だか分からない!!」


3人が悩んでいる中、同じくレンも外で悩んでいた


小屋の外~


「はぁ...何なんだよタイプ∑とかタイプΦとか...それにあの鳥のマスクの奴...俺は一体どういう存在なんだ?」


ふと悪夢の出来事を思い出すレン


「そういえば、あの夢も何だったんだ?黒くなった姉ちゃんが言ってたあの言葉...死を思い出せ、全てを飲み込め、この世というものを斬り裂け...だっけか? 死を思い出せ...死を...姉ちゃん...」


ヒューナの膝元で死んだ姉の姿を想像した瞬間、心臓が締め付けられ、無性に何かを斬りたい衝動に駆られ、レンは苦しむ


「グッ...!?な...なんだ...!?体が...」


脳内に低い機械のような声が響く


「斬れ、壊せ、飲み込め、エルフや人間に死の制裁を...」


「やめろ!!!!俺に話しかけるな!!!うわぁぁぁ!?!!?」


家の中にもレンの叫び声が響いた


「今のは...!?」


「レン君...!?行かなきゃ...ッ...!?」


急に立ち上がったメアは腹を抑えよろめく


「メイドちゃんは休むの!行きたい気持ちは分かるけど今は体を休める事!いいわね!」


「はい...」


ヒューナとアマネは急ぎ外に出る、そこには剣を持ち蹲るレンの姿があった


「レン!大丈夫か!落ち着け!!」


「ライちゃん!危ないわよ!まず動けないように軽めの重力魔術を!!」


「バカ者!!私の大切な息子に魔術をかけれる訳がないだろう!?」


「そうだけど...でも今はそれどころじゃないでしょう!?」


2人が言い争ってる中、レンは重々しく口を開く


「黙れ...!俺に干渉するなぁぁぁぁあぁあ!!!!!」


正気ではないレンがアマネに斬りかかろうとする


「アマネ!!!クソッ!許せレン!!」


ヒューナは重力魔術を唱え、レンは体が動けなくなるが気が狂っているのか訳の分からない事を叫んでいる

アマネはレンのあまりの殺気に気押され腰が抜けてしまう


「レン...ちゃん...」


「レン!私たちは何もしない!とにかく落ち着け!!今の姿をアリナが見たらどう思う!?」


アリナ、その名前を口にした瞬間レンが徐々に正気に戻っていく


「ハァ...ハァ...ヒューナ...?アマネ...?なんでここに...?」


「ふぅ...ようやく正気に戻ったか...アマネ、立てるか?」


「私は大丈夫、それよりレンちゃんを」


「分かってる、レンもう大丈夫か?」


「ああ、大丈夫だと思う...」


ヒューナは魔術を解き、レンを座らせる


「全く、一体何があったのだ?突然叫んだと思えばアマネに斬りかかろうとして」


「俺自身分からない、急に心臓を握りつぶされそうな感覚になって体の自由に動かなくなって...意識も薄れいく感覚になってしまったんだ」


「とにかく今はメイドちゃんと一緒に休んだ方がいいわ、ごめんね、レンちゃんだけ外に追い出しちゃったせいで...」


「アマネが謝る事じゃないさ、意識がなかったとはいえすまない事をした...」


「いいのよ、ほら早く家に入って寝なさいな」


アマネとレンが家の中に入る中、ヒューナはその場に何が痕跡がないか調べていた


「何か...何かないのか...?何故レンがあのような事に...」


だが何も痕跡は見つからず、途方に暮れている中、傷だらけの1人の人物がヒューナの元にやってきた


「ヒ...ヒューナ殿...ご令宅にいましたか...」


「フィネガン!?どうした!傷だらけではないか!それに...!呪術が付与されている...!?何があった!」


「アリナ殿が...生きていたのです...!我々...騎士団を1人で...全て根絶やしにされてしまい...生き残った私が...ヒューナ殿に...助けを求めに...伺った次第...だ...」


「アリナ!?何を言ってるんだ!あいつは亡くなったはずだぞ!?...いや...まさかタイプΦ...?」


「タイプ...Φ...?そんな事より...ヒューナ殿に...お願いがあります...ヒューナ殿やレン殿に...新しく我々の...騎士団を引き継いで欲しいのです...今悪魔と...戦えるのはヒューナ殿とレン殿のみ...我々の仇を...人間の強さを...奴らに...頼み...ま..」


フィネガンが息絶える瞬間に急に容態が急変し、フィネガンの体から黒い毛が生え、体が大きく変化し、やがて凶暴な大型の獣に変化した


「なっ!?フィネガン!?何だこれは...!?」


「グォォォォ!!!」


けたたましい雄叫びを上げてるフィネガンだった生物は、餌を見つけたかのようにヒューナを見つめゆっくり近づく


「危ない!ライちゃん!!」


黄緑色の鎖が魔法陣から出現し獣の体を縛り付ける


「アマネ!すまない、助かった!しかしこの鎖は?」


「あれから魔術について研究してたのよ!魔力はないけど、魔術石と努力があれば人間の私でもこんなことくらい出来るのよ!!」


アマネの両手から青白い炎と、白い雷を生み出し、それらを獣にぶつける


「グギャァァァァァァ!!!」


獣は激しいダメージを負い苦痛な声を出す


「さあ!ライちゃん!!援護して!本物の魔術ってのを見してちょうだいよ!!」


「生意気な口を聞くな、小娘め...だが助かったよ...!望み通り見せてやるよ、私の魔術をな!!!」


獣の頭上、真横、足元に大きい魔法陣を生成し、中から無数の怨霊のような物が這い出てきて、獣を引き裂いていく

獣が声を出す間もなく、体が引き裂かれバラバラになり怨霊達は魔法陣の中に戻っていく


「ライちゃん...今のは...?」


「私の最も得意とする呪術さ、だが私自身この術は好かん、だから炎、雷、氷の魔術や、移動を主に使ってきた

この呪術を見せたのはアリナとお前だけだよ」


「呪術...そうだったのね...そもそもこの獣はどこから出てきたの?」


「こいつは騎士団の司令官だったフィネガンという男だ、既に傷だらけで体の隅々に呪術が練り込まれていた、恐らくこの獣に変化したのも呪術の影響だろう、それにタイプΦが騎士団を根絶やしにしたらしい、状況を見てないが恐らく生き残った者はいないだろう、そしてフィネガンは私とレンに新しく騎士団を引き継いで欲しいとも言ってた...実際悪魔と戦えるのは私達のみになったしまったからな...」


「待ってよ...レンちゃんの事もあるのに、またそんな難しい事になってるの...?」


「そうだ、だが弱音を吐いていられない、レンには申し訳ないが起こしてきてくれ、私達で騎士団の様子を見に行こう」


「で、でもレンちゃんは...」


「状況が状況だ...レン...ごめんな....」


ヒューナは拳を握りしめ、悔しい表情をしている

間もなくしてアマネはレンを連れ事情を説明し急ぎ騎士団の元に向かったのであった

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