No.14 里場鉄也と栞
学祭についての会議が終わり、みんなが部活やらで忙しくなり始めた頃。
「なぁ栞。今日この後時間ある?」
「あるぞ!何か用か?」
「いや、お前を連れていきたいところがあるのと、聞きたいことがあるから。」
「わかったぞ。」
学校が終わり家に帰る前に栞を誘いあるところに向かう。
「どこに向かってるんだ?」
「お前にとっても大事なことかもしれないな。あぁ、今日あったことは秘密にしておいてくれ。」
「?わかったぞ。」
スマホを取り出し、
「ちょっと電話するから待ってくれ。」
プルルル。
『もしもし。』
「もしもし叔父さん?今から叔父さんの家向かうから。」
『わかった。俺ももうすぐで仕事終わるから。家の前かどっかで時間つぶしててくれ。』
「まだ学校の前だから俺が着く頃には叔父さんも帰ってきてるでしょ。多分。」
『たしかにな!じゃあまた後でな!』
「はい。」
ガチャ
叔父さんには連絡を済ませたので母にも電話をする。
プルルルル。
「もしもし?」
『もしもし。どうしたの?』
「今日、ちょっとやることができたから、叔父さんの家に行くから、帰り遅くなるわ。」
『晩ごはんはどうするの?』
「ラップに包んで置いておいて下さい。」
『わかったわ。気をつけて行ってらっしゃい。』
「はーい。」
『じゃあ切るわね。』
「うっす。」
ガチャ
「よし、連絡終わったから行くぞ。」
「誰と電話してたんだ?」
「母さんとこれから向かう先の人。」
「要は私をその誰かに会わせたいんだな?」
「そうだ。」
電車に乗り込み立川駅まで栞と雑談をする。
「よくもさっきはからかってくれたな。」
「まぁ隙を見せてるうちにからかっとこうかなと。」
「ほんとにいい性格してるな!」
「ありがと。」
「皮肉だったんだが?」
「俺は鈍感だから直球で言わないと気づかないぞ。」
「嘘はバレなさそうな物をついてくれ。」
「純然たる事実だぞ。」
「いやお前みたいなやつが鈍感とかありえないぞ。だったらこの世の人すべてが不感症になってしまうぞ。」
「まぁ嘘なんですけどね。」
「腹立つなコイツ。炊くぞ?」
「炊かせるぞ?」
「なんでそこから言い返せるんだよ。」
「才能。」
「そんな才能会って溜まるか。」
「ほんとにそんな才能、俺が持ってるわけ無いじゃん。m9(^Д^)プギャー」
「殴っていいか?」
「もし殴ったら、刑法第208条にもとづいて30万円以下の罰金を請求するぞ。」
「やけに詳しいな。」
「私服がアレだぞ?ナンパとかで手ぇ出してくるやつもいるから条件ははっきり覚えとくようにしてんだ。」
「さすが天才。」
「天災の間違いでしょ。ナンパ師に取っては。」
「確かにそうだな。」
「よし、降りるぞ。」
「立川にいるのか。」
「あぁこれからそいつの家に向かう。」
電車を降り叔父の家に歩いて向かう。
「ここだな。」
「何の変哲もない家だが。」
「今日この中で会ったことは秘密にしておいてくれ。」
「わ、わかったぞ。」
「入るぞ。」
インターホンを鳴らしドアを開けてもらう。
「来たよ。叔父さん。」
「おう!はいr」
「おj」
叔父さんと栞は顔をあわせた瞬間に固まってしまった。
「「なんでここに栞が?!」」
「お〜。お手本のような驚き方だな。」
「「お前のせいだ!!」」
「久しぶりに会ったにしては仲がいいな。」
「仁。まさか俺を<HEROES>に売ったのか?」
「んなわけねぇだろ。コイツだから連れてきたんだよ。口止めもしてある。」
「なんでてっちゃんの家を知ってんだ?」
「てっちゃん?あぁ叔父さんの呼び名か。叔父と甥の関係なんだよ。俺らは。俺が叔父な、」
「逆だろう!」
「嘘だぁ!」
「うん。嘘。」
「「腹立つなぁ!」」
「はぁ、座って話そうぜ?お茶ぐらいあるだろ。」
「家の主は俺なんだが?お茶は台所の棚の中だ。」
「お、あったあった。」
お茶を入れ、全員が座る。
「まず話を整理しよう。」
「そうだな。」
「混乱させたお前が何を言う。」
「とりあえず栞を保護して<HEROES>で保護したのは叔父さんでいいんだな。」
「あぁ。そうだ。」
「そうだぞ。」
「俺としてはこれの事実確認と栞と叔父さんの再開が目的で来たわけだから、ほとんど用は終わったわけだが。ちょっと席外すぜ。」
「え、ちょっ待て。」
その言葉をわざと無視し叔父の部屋に入り本棚の漫画を読む。一方取り残された栞と鉄也は...
「…」「…」
無言になっていた。
「ッスゥーーーー。まぁなんだ久しぶりだな。」
「…」
「急に<HEROES>からいなくなったのは悪かったって思ってるから。」
「てっちゃん。」
「ハィ!」
「心配じでだん゛でずよ゛ぉ゛〜。」
栞は泣き出し鉄也に飛びついた。
「うぉっ!ごめんって!俺が悪かったから!」
「今までどこで何してたんですかぁ〜!」
栞は手をグーにし、ポコポコと鉄也を叩く。
「一旦落ち着けって。ほら涙拭けって。テイッシュやるから。」
「うぅ。」
「ゴメンな。急にいなくなったりして。」
「ホントですよ!」
「まぁ俺は元気にしてるからさ!」
「まぁ私も仁君のおかげで元気にさせてもらってますけど。」
「なんだ?仁と同棲でもしてんのか?」
「ご飯作ってもらってるんです〜。」
「いや自分で料理しようよ。」
「何回かチャレンジしたんですけどことごとく失敗してしまって〜。」
「意外な弱点だな。」
「仁にも笑われました〜。作ってもらってからも何度かチャレンジしたんですけどやっぱり仁君が作るほうが美味しくて...」
「まぁあいつの料理は美味しいと親戚の中でも有名だしな。」
「そうなんですか?」
「あぁ家の一番上の兄貴が料理店やっててよ。そいつに可愛がられてたから料理が上手なんだよ。今思えば、性格も兄貴っぽく育っちまった。」
「えぇ、あんな性格なのが他にもいるんですか。」
「兄貴は根は良いやつなんだけど、人をからかったりするのが大好きなやつだな。」
「そっくりですね。」
「うちの家系はさ、何かしら特化してることがあんだよ。俺は武術、一番上の兄貴は料理、仁の父親は物語を作る才能だな。他のことも全然できるんだけどその一つの才能だけ他の才能より大きくて、一級品の才能を持ってるんだよ。うちの家系は。」
「なんですかそのチートみたいな家系は。」
「昔から、たしか戦国時代だったかな?その頃からこのあたりの土地を持ってた一族の末裔なんだよ。家系図もあるぞ。」
「そんな由緒正しい家系だったんですか。他にはどんな才能持ってる人がいるんですか?」
「仁の兄貴はメカニックの才能がすごいやつだったな。」
「仁君って兄弟いるんですか?」
「知らなかったのか?」
「聞いたことなかったので。」
「仁は兄と弟と姉と妹が一人ずついるぜ。たしか兄は成人して一人暮らし、弟は本家の方で可愛がられてるはずだ。」
「成人してるっていう兄はわかるんですけど弟はなぜ一緒に住んでないんですか?」
「うちの家系では代々な当主ってのがいてな、そいつは本家で育てられるって決まりなんだよ。」
「当主の条件みたいなのにその弟さんは引っかかったんですか?」
「詳しい条件は当主にしか伝えられないんだけどな、うちの家族は5歳の頃に一度本家でちょっとした検査をやるんだよ。」
「へぇ〜そんなことやってるんですね。」
「言い過ぎだぜ叔父さん。」
「そうか?仁。よくも2人だけの空間にしやがって。気まずいだろうが。」
「せっかくの親子?の再会なんだゆっくり喋れればという気遣いだったんだがな。」
「うむ!まぁ気遣いについてはありがたくもらっておこう!」
「で?再会はすんだか?」
「「ああ!」」
「そう言えばなんでてっちゃんは行方をくらましたんだ?」
突然栞が爆弾を落とし、空気が固まる。
「どうしたんだ?二人とも。」
「絶対に二度とその質問すんじゃねぇぞ。栞。」
「あぁ。俺等からは聞くなとしか言えねぇ。」
「んッ。仁だって知っているじゃないか!」
「てめぇはこの件に関わるな。命が惜しければな。」
「2人だけの秘密なのか?私だって自分の身ぐらい守れるぞ!」
「栞。やめておけ。」
「あぁ、てめぇじゃ無理だ。弱すぎる。」
「それを言うなら仁のほうが危険なんじゃないか?私だって何年も戦い続けてる!」
「俺はてめぇが思ってる数倍は強い。本来ならお前が二人や三人いたところで傷一つつかずに圧倒できるほどにはわな。」
「さっきも言ったが、わかりやすい嘘はつかないほうが良いぞ。」
「至ってド真面目だよ。今回に関しては。」
「栞。これは俺からの心配なんだよ。頼む。この出来事に今は関わるな。」
「あぁ。てめぇはまだ関わるな。いずれその時が来る。それまで腕を磨いておけ。」
「っ。スゥーーハァーー。わかった。2人がそんなに警告するなら聞かないでおく。」
「あぁ。それを聞いて安心したよ。行方不明者が一人増えないですむ。」
「...叔父さん。今日はもう帰るぜ。栞行くぞ。」
「あぁわかった。てっちゃん。また来る。」
「あぁ、いつでも来い。」
仁と栞は鉄也の家をでて帰路についた。
「少し強く言い過ぎたな。すまなかった。」
「珍しいな。いつもヘラヘラしてるお前があんなに声を強くするなんてな。」
「...そんなにヘラヘラしてるか〜?」
「いつも笑ってて、人と話すときも煽るときも軽い声だったお前のあんな顔始めて見たよ。」
「まぁこればっかりはてめぇはまだ知っちゃいけねぇもんだ。」
「そんなに私の強さは頼りないか。」
「俺とは強さのベクトルが違う。そうそう比較するもんじゃねぇ。」
「私のこともいつでも頼ってくれて良いんだからな?お前らは背負いすぎだ。」
「いずれ、1年と立たねぇうちに借りなきゃいけなくなる。もっと強くなれ。」
「一年以内か...私はお前が認めてくれるほど強くなれるだろうか?」
「知らん。お前の努力次第だろうよ。」
「きつい言い方をするもんだな。」
「事実だ。」
「...お前が私を鍛えてくれないか?」
「いいぜ。」
「だめだよな。って、ぇ?良いのか?」
「ああ構わねぇよ。こっちからこの話を持ちかけようかと思っていたところだ。」
「ありがとう。これから頼むぞ!」
2人は家に戻り眠りに着くのであった。
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