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【BL】惚れた男に嫌われたくなくて「男遊びならしてもいい」と言ったら、本当に男遊びを始められて絶望している侯爵令息の話  作者: かがみゆえ


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7.男遊び

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 学園に通うようになったラキは、男遊びをするようになった。


 ある日の昼休み、大食堂のテラス席でラキの周りには信じられない光景が広がっていた。


「ラキ様! 僕、今日の実技テストで高得点取れたんです!」


「すごーい! やっぱり君は天才だね! 俺まで嬉しくなっちゃうよ」


「えへへ……ラキ様が応援してくれたおかげです!」


「ラキ! これ、実家から送られてきた高級焼き菓子なんだけど……一緒に食べないか!?」


「わあ、美味しそう! でも、こんな高級なお菓子を俺が食べちゃっていいの?」


「ああ! ほ、ほらっ、お前らも一緒に食おうぜ!?」


「えっ、僕たちもいいの?」


「当たり前だろ! うちは焼き菓子でケチケチしたりしないんだよ!」


「あ、ありがとう……」


「いただきます」


「君って本当に気が利くし優しいよね」


「だ、だろ!? もっと食べていいぞ!」


 ラキの周りを囲んでいるのは、“庇護欲をそそる系”、“可愛い系”、“素直になれない系”などの令息たちだった。


 ラキは彼ら一人ひとりの長所や趣味・特技などを見抜き、嘘偽りのない純粋な言葉で絶賛する。


 持ち前のポジティブと実家のトラブル対応で培われたコミュ力も合わさったラキの言葉には、相手の心を解きほぐす魔法のような力があった。


 ラキに褒められた令息たちはたった数日間でみるみるうちに自己肯定感を向上させ、パッと花が咲いたような笑顔を見せるようになる。


「ラキくん……僕、自分の容姿にずっと自信がなかったんです。でも、ラキくんが『その柔らかい癖毛が愛くるしい』って言ってくれて……自分の髪が少し好きになれました」


「本当のことだもん! 君は自分が思っている以上に、ずっと魅力的だよ」


 ラキが優しく微笑みながら令息の頭を撫でると、周りの令息たちから『あーっ! ズルい~!』や『僕も撫でて!』という声が上がった。

 

 影を潜めて交流を持てなかった令息たちが、ラキを中心にして活き活きと輝いている。


 これを機にタイプが違うのに仲良くなる令息たちもいた。


 その光景を遠巻きに見ていた生徒たちは開いた口が塞がらなかった。


「な、なんだあの空間は……!?」


「ハネスト男爵令息が目立たない令息たちを片っ端から骨抜きにしている……!?」


「骨抜きっていうか……あの子たち、ハネスト男爵令息と関わってから明らかに顔つきが変わって垢抜けてない!?」


「女神……? いや、あの輪の中心にいるハネスト男爵令息は令息たちを救う男神なのか……!?」


 ラキの本人は、『ディートリヒに許可をもらった男遊び(男友だちとの交流)』を全力で楽しんでいるだけだった。


 しかし、その男遊びで令息たちを次々と“開花”させていく様は学園全体に凄まじい衝撃を与えていた。


「ラキくん! 今日、授業が終わったら僕のお気に入りのカフェをご案内してもよろしいですか!?」


「僕も! 僕も美味しい紅茶をオススメするよ!」


「わぁっ、ありがとう! みんなと過ごす時間、すっごく楽しみだな!」


「「「うぐっ!」」」


 ラキが満面の笑みを向けると、令息たちは一斉に胸をおさえて悶絶した。


 ほんの数日前まで“没落寸前の男爵令息”だったはずのラキ。


 ラキは久しぶりの登校によって、庇護欲系の令息たちを虜にする“(一部の)令息たちのアイドル”として君臨してしまったのだった。





「何をやってるんだ、あいつは」


 ラキの言動がディートリヒの耳に届くまでそう時間はかからなかった。


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