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ラキが学園に通うようになり、時間はあっという間に流れた。
ラキが男遊びで令息たちと楽しく過ごし、ディートリヒが影で頭を抱え続けるうちに、季節は巡って卒業の時が近づいていた。
取り決め通り、卒業後にはラキとディートリヒの結婚式が執り行われることになっている。
(もうすぐ卒業か。学園生活、楽しかったな)
放課後、教室で夕日を見ながらラキはのんびりと呟いた。
最初はディートリヒとの結婚の条件として学園に通うだけのつもりだったが、男遊びでたくさんの友人ができ、ラキは充実した学園生活を送ることができた。
(借金完済で父さんも元気だし。卒業したら、いよいよカムグロス侯爵家で生活がスタートか)
ラキにとっては衣食住が保障され、自由行動も許される生活の始まりである。
(ディートリヒ様は後継ぎを産んでくれる愛人を見つけてるのかな? 俺は邪魔にならないようにしようっと!)
ディートリヒは愛人をカムグロス侯爵邸に連れて来るだろうと考えるラキ。
もしかしたら既にディートリヒは愛人と後継ぎを作ってるかもしれない。
(まっ、俺はカムグロス侯爵邸で生活はするけど、実家で父さんの仕事を手伝うからディートリヒ様の愛人が何処にいようが関係ないんだけどね)
借金を完済したことでハネスト男爵家は廃爵にはなっていない。
ディートリヒと結婚することでラキがハネスト男爵家を継ぐことはなくなったが、マルクが現ハネスト男爵である限り、ラキはマルクの仕事を手伝うことにしていた。
次期ハネスト男爵については親類で話し合いをしていて近々決まるというのでラキは心配していなかった。
マルクさえ路頭に迷わなければハネスト男爵家が廃爵になっても構わないというのがラキの本音だった。
(父さんの隠居を見届けるまでは実家に通わないとな)
ディートリヒとの結婚よりも、マルクと実家のことを考えるラキであった。
一方、カムグロス侯爵邸ではディートリヒがこつこつと結婚式の準備をしていた。
「正礼装の進捗はどうだ? 招待客は? 何か変更はあるか? 少しのミスも許さんからな!」
「「「はいっ! ディートリヒ様!」」」
愛人を作るどころか、頭の中がラキのことで埋め尽くされているディートリヒ。
すれ違ったままの二人の関係は、ついに結婚式という最大の節目を迎えようとしていた。
(素晴らしい結婚式をすれば、ラキはオレに惚れるはずだ)
二人の結婚式のはずなのに、ラキへ一切意見を聞かずに準備に取り掛かるディートリヒ。
それが吉と出るか凶と出るかは結婚式当日にならないと分からないのであった。
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