12話 情報屋が手にした魔導具
結局名付けた後、何もすることが無かった俺らは、ただただ家の中を何をするでもなく歩いたりと比較的自由にしていた。
外は既に日が沈み、暗くなっている。
「やぁ!! 諸君!!」
あまりにも唐突と言えるその大きな声に、俺らは驚く。
レイミラが窓から侵入してきていた。
本当に唐突だ。いまさっきまで攻略したダンジョンの調査に向かっていた筈だが。コイツの仕事の手際の良さからすればもう終わっていようが何らおかしくはないのか。
それにレイミラは情報屋であると同時に諜報員等の活動も行う。この誰にも勘づかれることなく侵入できたのはそこで我がものとした技術だろう。
「ふふん、いい顔してくれるね? それに比べて」
横目でちらっと俺の方を睨みつけるように見てくる。
気付かなかったことは確かだが、もう慣れてはいる。ある程度耐性が付いてきているわけだ。
「スライムガールちゃんってばお化けを見るような顔だね? うんうん」
ニカニカと笑いながら頷く。実に嬉しそうだ。そしてパンッと両手を合わせて目を輝かせながら言う。
「なんと!! フェンリルちゃんが居たダンジョンにこんな素晴らしい物があったんだ!!」
腕に何かを着けてそれを見せつけてきた。
「なんだそれ?」
赤みを帯びた金色に輝く宝石を埋め込んだその腕輪には膨大な力を感じる物があった。
「私もよくわかんないけど、宝のある場所に行く道の途中で見つけたんだよね」
そんな特別染みたものなんてあっただろうか?それとも俺が通っていなかった道のどこかに落ちていたとかか?
「これ、なんと!! 今まで大人数で宝の収集、その後帰還をしていたものがこれ一つで良くなっちゃう代物みたいで。要するに君の能力に似ているかな?」
嬉しそうにその腕輪を頬につけ擦り合わせる。
また俺の能力に似ているというのも気になるところではある。
「この宝石が全部赤色に染まるまで、なんでもこの腕輪に収納することができるっていう優秀な物なんだ。ある一種の魔導具だとは思うんだけど」
「で、今は何を入れているんだ?」
「お宝だよ。結構多くね!!」
まるではしゃぐ子供のように両手を大きく広げて表現しだす。
「そうそう、君の分の収益ね」
その腕輪の金色の宝石が一瞬輝くと、魔法陣が展開されあの時手に入れられなかった多くの財宝が現れる。そして赤みがかかったその宝石は綺麗な金色に変わっていた。
「鑑定して金に変えてほしいなら持っていくけど?」
「なら頼む」
再び魔法陣が展開されると、次はその財宝が消えて、綺麗になった金色の宝石に再び赤みが戻った。
不思議すぎる魔導具だ。




