13話 失われた魔法
「あ、でさ」
長くの間ソファに腰を掛けては、我が家顔で居たそれは唐突に思い出すようにして話し出す。
「私も連れて行ってくれないかな?」
多少その言葉に違和感を感じたが、すぐにそれは大迷宮に関するものだと分かった。
「戦闘とかは苦手中の苦手だけど、それでも少しは役に立つ思うんだ!! ね? どうかな?」
確かにレイミアは戦闘は得意ではないが、それ以外の面で見ればとても優秀な人材だ。特にレイミアの能力である、条件に合う物を捜索する、っという能力のお陰でダンジョンを攻略したりだとか出来ているわけだ。それにその腕輪だって捨てたものじゃない。
だが少し不安ではある。
「……ならよろしく頼むぞ?」
もしかすれば帰ることが出来なくなる可能性が高かったその大迷宮探索はレイミアがいるだけで多少心強いものになるとは思わなかった。
ただ一つ問題点を挙げるならば、自分の身は自分で護れるようにはしてほしいということだが。もしもの事を考えればそれも自然と考えつく。
「私が今までに習得した喪失魔法を侮っている?」
恐らく不安そうな顔を見て、そこに反応したのだろう。
喪失魔法。基本的にはダンジョンに習得法が眠ると言われる失われた太古の技術を使った魔術の一種で、使用者は極わずかな少数だけという珍しい魔術だ。
特に喪失魔法には興味が無かったし、習得するまでに時間を有する事から特に触れず、レイミアに渡していたな。
「私自身の戦闘能力は、ひ弱だけど私の能力によって創り出される影人はとても強いんだから!!」
そう言い腰掛けていたソファから降り、その後しゃがみ込むと、自分の後ろにできた影に手のひらをそっと置く。すると影がゆっくりと実態を持ち、起き上がる。
「喪失魔法の一つの、操影魔っていう魔法なんだけど、影から操り人形を創り命令させるっていう能力で、これがかなり頼りになるんだよね」
レイミアの影は残ったまま、浮き上がった影はそのまま棒立ちになっている。
その後、レイミアが手を叩くとその浮き上がった影は音も無く消えていく。
「消費した分の魔力はこの魔法を解いた時に戻って来るからかなり便利なんだ。これなら私自身で身を護れるでしょ?」
確かに出来る。どれほど強いのかは知らないが、そう言えるほどには強いのだろう。
「分かった。改めてよろしく頼む」
「ようし!! じゃあちょっと鑑定して戻ってくるから宜しくね!!」
そう言うと今度は指を鳴らし、黒い霧を瞬間的に創り出し、消えていく。これも恐らく喪失魔法の一つだろう。
一体どれ程の喪失魔法を習得しているのだろうか? 不思議なものだ。




