14話 欲が無い訳が無い
「あの人、やっぱり凄い強い魔力を感じますね」
「接触した時、確かに計り知れない程の魔力を持っていた」
どうやら勘づいたようだな、レイミアのそれに。
「アイツはああ見えても魔人なんだよ。人間と対を成すような人種だ。例を出すなら人間と比べて魔力が非常に多くてな、ただその代わり人間よりは筋力が無いと言ったところだろうか」
人間と魔人はほぼ同じ形状をしているが故に見分けを付けにくいはずだが、やはりここは魔力の多さで勘づいたというところか。
まぁ、魔人であれば喪失魔法を扱えてもおかしくはないが……それにしても、多くの喪失魔法を扱うっていうのはやはり才能なのだろうか。
「なるほど、魔人ですか」
「あぁ、魔人だ」
ふとある言い伝えをふと思い出した。昔、魔人と人間の関係は非常に悪く、日夜争いが起こるほどだったらしい。そんな両者の仲を裂くようにして現れたのが多くのフェンリルで、両者に平等に癒しを与え、次第にお互いの啀み合いは薄れ、今のような良い時代になった。と言い伝えられている。が、特に関係の無い話か。
今じゃ、フェンリルは絶滅したと考えられている幻の生物という訳だしな。何故絶滅したのかは知る由もないが。
「あれだけの宝があるとどれぐらいになるんですか?」
「さぁ? 特に数えたことは無いな。今の生活がキープできる位のの金があれば充分だろ?」
「ご主人様は欲が無いんですね?」
「あ、いや? 別にそういう訳じゃ無いが。ただ目当ては武器の為だからな。あくまでも賞金稼ぎという訳では無い」
元々最初は賞金の為にダンジョンに潜っていたのだが、武器の魅力に取り憑かれてからというもの、金よりも武器に目が行くようになっていた。というのが現状だろう。
「ご主人様の欲ってなんですか? やはり……ご主人様は男性ですし身体ですか?」
犬に赤面されたって特に欲情しそうにも無いが。まぁ確かに性欲というのは無いと言ってしまえば嘘になるが、特にそういう訳でもない。
「やっぱり欲っていうのはダンジョン攻略時の報酬が良いものであって欲しいと思ったりすることだろうな」
「もし……我慢できなくなったら、何時でも……って、え?」
欲っていうのを性欲だと思っていたのか。それに犬に言ったところで俺の性欲が収まるとは思えないが。やるならアスロラだが……その時がもし来るとするならば絶対に俺があのゲルで窒息する未来が見える。
つまりだ。結局お前らに性的欲求はしないということだ。




