11話 名前を付けるという避けて通れない道
ざっと部屋の間取りを説明して、一息落ち着く。
「ところで……名前は欲しいか?」
一番聞きたかったことを一匹と一体に問う。
フェンリルやスライム少女だけではやはりこういざ人前でということを考えたりすると不便だったりする。
仕方ないといえば仕方ないが、俺は一度も生き物というものを飼った事が無いためこう言った逃れられないものに関しては疎い。
「勿論です!!」
「……私も……」
やはりそうなるとは分かっていた事だ。今更どうこうと言うわけでも無いが、いざ考えるとなると一欠片も出てこないというのが現実だ。
別に俺が付けてやらなくても勝手に決めてくれればそれでいいんじゃないか?
なんか変な名前を言って引かれても困ることだし。
「どんな名前を付けてくれるかな?」
「楽しみ……」
ダメだ、流石に言えない。ここで各自勝手に名前を決めて、なんて言えない。ならどうする? どうにかして誤魔化そうか? ならどうやって誤魔化す……? とりあえず特徴をあーだこーだして名前を決めてやるか? どっちも特徴が多すぎる。
それでも一度俺が切り出した話題だ。俺で締めなければ。
「どんな名前が良いんだ?」
とりあえず考えに考えた結果、まずは欲しい名前の情報を知ることにした。もしかしたら名付けのヒントになるかもしれない。
「ふわっふわな名前がいいです!!」
「ドロドロしている……如何にもスライムっぽ名前がいい……」
ヒントにならなかった。両者共に自分の最大の特徴のようなものを上げていっただけで、名付けのヒントとなるようなことはそこまで無かった。
しばし腕を組むなりして悩む。
ふわふわな名前と、ドロドロな名前。
全く出てこない。それどころか引っ込んでいく。もうこうなったら種族の名前や特徴を文字って付けえてやるか。
「よし……聞いて失望しないでくれよ?」
聞いて驚くな、ではなく、聞いて失望するな、だ。それほどまでに自身が無い。
「フェンリルの名前から……」
フェンリルの唾を飲み込むその仕草がふわふわの毛の下からも分かる。
「フェリル……とかどうだ? ンを抜いただけのシンプルな物だが」
ポカーンとなり放心状態になるフェンリル。
やはりダメだったか。当分は顔を見合わせられないだろうな。
「良い!! 凄く良いです!!」
パッと笑顔になりタッタッと走ってきては俺の周りをぐるぐると回る。
フェンリルの名前はフェリルとなって一段落ついた。が、次はスライム少女が残っている。
もうある程度考えては居るから別に良いが。
「スライム少女には、アスロラなんてどうだ?」
名前の由来はスライムから、スとラ。色の赤と黒の文字、赤は頭文字で黒は後文字であるアとロで、アスロラ。随分と適当だがそれもまぁ仕方がない。
「アスロラですか……赤と黒……スライム……うん。これは良いですね」
名前の由来が分かっただと!? とりあえずスライム少女の名前はアスロラになったと言うわけだ。
フェンリルのフェリル。スライム少女のアスロラ。本当に俺が考えたのか……。
とりあえず名前を付けるという避けて通れない道は突破できたわけだ。




