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第二十二話(Titanium):鉄の時代

柚紀は、エンジンの心臓部であるシリンダーブロックの鋳造に取り組んでいた。ラボの外に設置された炉では、コークスと鉄鉱石、石灰石が赤々と燃え盛り、溶解した鉄がドロドロと流れ出していた。


「……鋳鉄は、鋳造に適した鉄だ。シリンダーブロックの複雑な形状を再現するには、これしかない。」


柚紀は、溶解した鉄を慎重に鋳型に流し込んだ。


(鋳鉄の生成:石灰石は鉄鉱石中の不純物(アルミやケイ素)と結合し、スラグとして分離する。コークスは高純度の炭素であり、鉄鉱石中の酸素を奪い、鉄を還元する。現代では、二酸化炭素排出量の削減のため、水素による製鉄技術が開発されている。)


しかし、鉄を溶解するには1500度近い高温が必要であり、これがエンジン製作における最大の難関だった。柚紀は、ラボの外の空き地に、新しい溶鉱炉を作っていた。


「……この温度を安定的に維持するのは至難の業だ。」


まず、コークスだけでなく、電気分解で生成した水素を炉に送り込み、燃焼効率を向上させた。これにより、より高温を安定的に得られるようになった。


「……水素の燃焼は、コークスよりも高温になる。これで、溶解温度を安定させられるはずだ。」


さらに、電熱器を炉に組み込み、電気エネルギーによる加熱を併用することにした。これにより、より効率的な加熱が可能になった。


「……電熱器を使えば、温度を精密に制御できる。これで、安定した鋳造ができる。」


柚紀は、これらの工夫によって、炉の温度を安定的に1500度以上に保つことに成功した。彼は、溶解した鉄を慎重に鋳型に流し込み、シリンダーブロックを成形した。


「……これで、エンジンの心臓部が完成だ。」


柚紀は、完成したシリンダーブロックを手に取り、満足そうに頷いた。


一方、ラボでは、メガネがエンジンの設計図を睨みながら、複雑な計算をしていた。


「……エンジンの効率を最大限に引き出すためには、シリンダーの形状、ピストンの動き、燃料噴射のタイミングなど、様々な要素を考慮する必要がある。」


メガネは、エンジンの性能を向上させるために、細部にまでこだわっていた。


ヒューストンは、エンジンの部品を精密に加工していた。彼は、柚紀とメガネの設計図を基に、シリンダー、ピストン、クランクシャフトなどの部品を一つ一つ丁寧に作り上げていった。


「……この部品の精度が、エンジンの性能を左右する。最高のエンジンを作るために、妥協は許されない。」


ヒューストンは、熟練の技術を駆使し、最高品質の部品を作り上げた。


ラボでは、エンジンの部品が徐々に組み上げられていった。柚紀たちは、この異世界に新たな時代を切り開くため、情熱を燃やしていた。


柚紀は、エンジンの材料作りがひと段落したので、続き工作をヒューストンやメガネに任せることにした。


「......エンジンは俺たちの心の中にある!!.....」


メガネは、そういって、エンジン作りに情熱を燃やし始めた。


エンジン作りがひと段落し、暇ができた柚紀は、建設中の製鉄所の見学に向かうことにした。ヒューストンの工房で、商会の主人と合流した。ヒューストンの工房は今や、倉庫と化していた。歩きながら、海の近くにある製鉄所の建設現場に向かっていた。


「.....あれ、この身長の低い、子供か?現代の服のような......」


柚紀は、すれ違った人に見覚えがあるような気がしたが、通り過ぎた彼は興味がなさそうに通り過ぎたので、柚紀は気にせず現場に向かった。


「......ここが、現場か?すごい大きさだ、この異世界にはあり得ないような......」


柚紀は製鉄所のスケールの大きさに感心していた。


「......この製鉄所があれば、ロケットも作れるかもしれない......」


柚紀は、この異世界でロケットが作れるかもしれないという夢を追いかけていた。

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