表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒眼のカードマスター ~無頼漢の成り上がり~  作者: 迷井豆腐
レベル4 地下帝国ノームランド
79/328

第78話 先生VS無頼漢

「静粛に、静粛に。これよりゴキョージュとグラサンの卒業生を見送るバトルショーを始める」


 学園長がステージに上がり、開始の挨拶をし始める。それ正式名称なんだとグラサンは苦笑いを浮かべるばかりだが、学園長の持つ厳格さが体育館の空気を支配しているのか、生徒達は大変に真面目な様子で話を耳にしているようだった。


「今日の戦いはプライマルカードによるものではなく、双方が持つ実際のデッキで行われる。言わば、カードマスター本来の実力で戦う訳だ。無論、ゴキョージュの方は幾分力を落としてのデッキになるが……ともあれ、だ。皆の者も本来持っているカードと比較し、自分であればこの場面でこうするなどを考えながら、2人の戦いを観戦してほしい。いずれ皆も外の世界に出る身、そこでも生きていけるよう力を培うのだ」


 と、そのような話が一通りされ、いよいよ本日のメインイベントに移行。体育館の中央に用意されたバトル場にグラサン、そしてゴキョージュが立ち、その周りを大勢の生徒達が取り囲む。視線という視線が2人に集中し、皆が今か今かとその時を待ち侘びた。


「改めてよろしくな、ゴキョージュ先生。胸を借りさせてもらうぜ」

「私こそよろしくお願いします。未来を感じさせる、良い対話をしましょう」

「「――バトル!」」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

1ターン目

ゴキョージュ ライフポイント20 手札7

グラサン ライフポイント20 手札7

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 コインが指し示したのはゴキョージュ、つまりは彼が先攻であった。


「では、私から。先攻なのでドローは飛ばし、そうですね……うん、まずは『安寧の大聖堂』を置くとしましょう」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『安寧の大聖堂』

分類:領土 レア度:SRスーパーレア

レベル1 白1

レベル2 白2

レベル3 白3

レベル4 白4

【天使】の【領主】がダメージを受ける際、そのダメージを-1する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ゴキョージュが出現させたのは、光溢れる神聖な大聖堂であった。彼の心の内を映し出しているかの如く、厳粛なれど心安らぐ雰囲気が表れている。


「おいおい、初っ端からSRの【領土】かよ。堪んねぇな」

「ポジティブな方向での堪らない、のように聞こえますね」

「ああ、年甲斐もなくワクワクしてっからよ。この先は何で魅せてくれんだ?」

「真っ当にプレイするだけですよ。白の【税】1つを支払い、『平和の使者』を召喚します」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『平和の使者』

分類:領主 レア度:SR コスト:白1 タイプ:天使

攻撃力0/防御力4

【門番】

この【領主】をコントロールする【カードマスター】は攻撃を宣言できない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 空から降り注いだ光の柱、その中より純白の翼を広げた天使が現れる。その天使は攻撃力0の非力な【領主】、しかしコスト1の枠に収まらない、異様なカードパワーを有していた。


「ククッ、当然のようにSRなのは良いにしても、コスト1で防御力が4だと……?」

「その代わり、このカードがフィールド上にある限り、私は攻撃を宣言できなくなります。グラサンから攻撃されれば反撃はしますがね。尤もこの【領主】は攻撃力0なので、それも意味のない事ですが……私はこれでターンエンドです」

「……そうかい。俺のターン、ドロー!」


 『安寧の大聖堂』によるダメージの軽減、更には縛りを加えてまで防御力をアップさせた『平和の使者』の登場、どれもが明らかに守りを意識したカード構成だ。攻撃そのものを主軸にしていたクロマとは、真っ向から反対の戦法と言っても良いだろう。


(白で守りを固め、赤で俺に直接ダメージを与えるのが狙いか? 或いは前線で時間稼ぎをしている間に、何か別の目的を達成しようとしているようにも……)


 ならば――手札に視線を落とし、何にせよ有効であろう手を考えるグラサン。


「俺は『悪魔の屋敷』を設置する」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『悪魔の屋敷』

分類:領土 レア度:レア

レベル1 黒1

レベル2 黒2

レベル3 黒3

この領土に【メイド】が召喚された時、デッキからランダムな【メイド】を1枚【リタイアゾーン】に送る。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「続いて黒1の【税】を使い、『小悪魔メイド』を召喚」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『小悪魔メイド』

分類:領主 レア度:UCアンコモン コスト:黒1 タイプ:悪魔、メイド

攻撃力1/防御力1

【継承(メイド)】相手【カードマスター】の手札をランダムに1枚【リタイアゾーン】に送る。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「出た、アタシを苦しめたメイドちゃんだ!」

「あのカード、気軽に手札を捨てさせてきますからね。こちらに【リタイアゾーン】を活用する術がないと、本当に厄介な事になります」

「ああ、僕も覚えているよ。攻撃力が1しかないからって、ずっと無視していたんだけど……いつの間にか手札がなくなっていたんだよなぁ」

「ハラダシ君、いっつも【カードマスター】一点狙いだもんねー」


 と、彼女の登場に外野からそんな声が聞こえてくる。


「ゴキョージュ先生、もう少し生徒の指導を頑張った方が良いんじゃないかい?」

「いやはや、耳が痛い……ですが、そのカードは本当に良いカードですね。相手のデッキコンセプト次第では、致命的な攻撃となり得る」

「ああ、レア度だけでカードの強さは決まらないからな」

「ハハッ、これまた耳が痛い」

「ったく、どんだけ高額なデッキを持ってきたんだよ? まあいい、『悪魔の屋敷』に【メイド】が召喚された事で、デッキからランダムな【メイド】カードを1枚【リタイアゾーン】へ移動するぜ。これで俺はターンエンドだ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2ターン目

ゴキョージュ ライフポイント20 手札5

『安寧の大聖堂レベル1(白1)』=『平和の使者(0/4)』

グラサン ライフポイント20 手札6

『悪魔の屋敷レベル1(黒1)』=『小悪魔メイド(1/1)』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 白と黒、天使と悪魔、先生と無頼漢、対称的な両者が対峙する事となった1ターン目。静かな立ち上がりだが、同時に期待が募るはじまりとも言える。だが、本当のはじまりは次のターン――そう訴え掛けたのは、他でもないグラサンの直感であった。


「ククッ、嫌な予感と心弾む感情が同時に湧き出て来やがる。なあ、このターンか? このターンに出してくれるのか?」

「はて、何の事やら。ですが、SSRスーパースペシャルレアを出すという意味でしたら……ええ、そうですね。期待に応えられるかと」


 変わらぬ笑顔を携えるゴキョージュ。しかし、彼の闘争心は灯っている。グラサンの目には、確かにそう映っていた。


「私のターン、ドロー。そして、ここで私が出すのは――『嚮導鐘塔きょうどうしょうとう・ルミナスベル』」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ