海とその向こう〜二つ名と、運命の出会い〜
「何だあ?ぞろぞろ引き連れて」
「オメェ知らねぇのか?!今ドンドンクエストクリアを重ねてる新進気鋭のグループ、『シークル・メイナ』だぜ!」
「『魔導姉妹』のルミナスとグルミー、
『特攻撹乱の暴れ猪』メイラープ、
『剛力断剣豪』トノム、
『万能補給官』ケファメレ、
『沈着冷静の狼王』ミカシサ、
『老い無き暗殺者』レンドエッサ、
『のんびり系策士』テリプ、
そして『広き心を持つ破壊龍』シルマ。
全員Aランク以上の強さを持つ異常に強いパーティだ」
「でもあの人達、皆優しいんだよな。迷子の子の親を探してあげてたの、俺見てたし」
「婆さんの荷物を持ってあげてたりしてたよな」
「俺はクエストの時助けてもらったぜ。その時あいつら、なんて言ったと思う?『困ったやつを助けることは当たり前だ、どうしょうもない悪人を除いて、な』だぜ?」
「Sランクに上がったっていうのも、頷けるよなー。」
「知ってるか?まだ他に仲間がいるんだってよ」
「おいおいまじかよ!本気出したらスタンピードまで止められるんじゃねぇのか?」
「まあ、出来るだろうな」
「一体何なんだ、あいつらは……」
「なんかむず痒いですね。こういうふうに言われるのは」
「そうか?俺は誇らしいぜ!」
「『万能補給官』……どうして強そうに聞こえないのでしょう」
「そんなことないって!メレちゃんがいてくれて助かってるし!」
「私達、二人で二つ名もらってるだけだから……」
「……それはやめて、あたしにも効く」
「『老い無き暗殺者』……ふふふ、この老骨めにも二つ名とは……嬉しいですなぁ」
「おらのは褒められてるのかよく分かんないな」
「ボルザさんなら……『万物喰らう凶牙』とかッスかね?リスフィーさんなら……『天真爛漫な支配者』かな?」
二つ名……か。そんなものが付くぐらい有名になったということか。後、この大陸には人間至上主義者がいない。ルミナスとグルミーはそんな事なかったし、他の奴らもそうだった。ジャシンが作った魔物でないやつとは言っていたし、何より優しいと言ってくれた。ほんと、動きやすくて良い場所だ、ここは。
「んで、あなた達が今回の依頼人と、内容は荷物の護衛。依頼を受けたからには、しっかりと働かせてもらいますよ」
「ああ、頼む。これは何としても守らなければならないんだ」
「分かってますよ。ちなみにどんな物なんですかコレ?」
「大量の宝石だ」
「なるほどです。そりゃ守らないといけませんね、特に人間から」
「はあ、はあ、はあ、はあ……!」
「………おいおい、逃げ足が速いねぇ」
「ひっ……!」
「オメェにはワリィが死んでもらうしかねぇな」
「い、いや……!」
「恨むなら、お前の運の無さを恨むこったな!」
剣が、振り下ろされ、その女の人生は終わりを告げるーはずだった。
「………?」
「なっ!?」
「いやー……気付けてよかったな、うん。あんたの運のなさも、なかなかだぜ?」
実を言うと、俺は最初から気づいていた。なんでかと言うと、中身を確認したからだ。龍眼で。
明らかに生命反応、しかも人型だったので、出やすいようにしておいたのだ。その上で知られぬよう尾行していた。
ちなみに他の奴らもグルだったので、縛ってもらった。
「クソっ、まさか知られるとは!だがダミーを使えたのは幸運だった。このスキに」
「そこを動くんじゃあないぞ。お前に逃げ道も、仲間もいない」
「……!!」
「さて、確保させてもらうぞ」
その後、奴らのアジトを破壊。囚われていた人全員を救出。後々トラブルになるから、組織も壊滅させた。ルミナスとグルミーも協力してくれた。感謝。
「いやー、今回はシルマの旦那ナイスプレー、ってやつだな!」
「さすがあたしらのリーダー!」
まあ、出発前にグルミーが「なんか嫌な予感がします」って言ってくれたのもあるな。
「いえ……そんなことは……」
「何言ってるんですか、すごいですよ!見事的中させて、沢山の人を救うことが出来たんですから!」
「そうッスよ、もっと誇っていいんスよ!」
「そ、そうかな……えへへ……」
「ともあれ、これにて一件落着ですわい。」
そう話しているとー
「あの、ありがとうございました!」
逃げた所を助けた子だ。
「問題ないさ、助けるのは当たり前だからな」
「………」
あり?滑った?
「あ、あの!仲間に入れてくれませんか!」
え?まじ?
「少しなら、戦うことも出来ますから、お願いします!」
「何も無理して苦手なことをしなくても、仲間にはいれるさ。な、お前ら」
「もちろんさ!俺ぁ魔法なんてからきしだからよ!」
「できることをやりゃいいだけッス!」
他のみんなも頷いている。
「……!ありがとうございます!」
こうして、一人仲間が増えた。
「名前はなんていうんだ?」
「はい!シデア、って言います!」
このシデアが、俺の過去……前世に深く関わる人なのは、すぐに知ることになる。
白くん……また会えた……!
ついにメインヒロイン登場です!
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