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樹海東部で〜人間の仲間?〜

ボルザとイグロスたち、その他多くの魔物が仲間となって、3ヶ月の時が過ぎた。

魔物たちとともに、スキルの特訓と修行を重ね、

驚異的な成長を皆が成し遂げた。

仲間も増えた。

ボルテージワスプ(機動力S、他の能力はA)、

コープスアント、キラーアント(オールBだが、進化体のキラーアントは物理攻撃SS、それ以外A)、

ウォーリアコブラ、ジェネラル、キング、カイザー(ウォーリアがオールB、ジェネラルが防御系そのまま、それ以外A、キングが防御系A、それ以外S、カイザーがオールS+)、

バンディットモンキー(オールA、ボスはオールS……ではなく機動力はS+)といった奴らだ。どいつも自分たちだけの強みがある。

と、そろそろ春になろうかといった時期に、ある出来事が起こる。



「よし!今日はここまで!各自体を休めて、次の修行に備えるように!」『はい!』

皆、どの種族とも連携が取れるようになっている。もっと詰めていけば、どんな相手でもかなりの連携が取れそうだ。

「シルマ兄さん、ちょっといい?」

ビオラが話しかけてきた。こいつにしては珍しく、どうしようかと悩んでいるようだ。

「どうした?良くない知らせか?」

「うーん微妙……実はこの東部に、人間と亜人の女性合計4名が来ているんだ」

人間だけではなく亜人も?だとすれば人間至上主義ではない可能性が高い。

「そいつらを知っておきたい。場所はわかるか?」

「大体の場所なら。移動してるだろうから、分からないけど」

大体わかるなら十分だ。


俺たちがそこに来たときには、既にそいつらはいなくなっていたが、足跡が残っていたので気配を消しながら追いかける事にした。

それで今、5分歩いて見つけた所だ。

「ねぇねぇ、ほんとにいるの?カーバンクル」

「ここで見つけたって聞いたから、きっといるわ。あの子を助けるためなら、どれだけ私が傷ついても……」

「そんな事言っちゃだめです。あの子だって、あなたの事が大切なんですから」

「そうなのじゃ!妾も、優しいカミーユが好きなのじゃ!」

「……ありがとうノエル、ライナ」

どうやら彼女らは、カーバンクルの額の宝石を求めて来たらしい。そして、助けたい奴がいると。

(……どうする?僕は助けたいと思ってるんだけど、勝手に動くのはどうかと思って)

(俺的には助けたい。あの獣人やエルフ、竜人とも仲がいいようだし、あそこまでの覚悟を見せられたら、放っておけないしな)

(やっぱり、シルマ兄さんは変わらないね。でも、それがお兄さんの一番いいところだよね!)

「ん?誰じゃ!?そこに隠れているのは!」

頃合い、っと言ったところか。

「いや、すまん。盗み聞きしたのは悪かった。だが、俺たちは力になれそうだ」

「盗み聞きするやつの言うことなんか、信じないよ!」

うーむ、困った。どうすれば………

「アレ?アニキ、どうしたんすか?」

元ランペイジレックス・リーダーで現タイラントレックス・リーダーのテュランがこっちに来た。

「あわわわわランペイジレックス!?」

「クラスAの凶悪モンスター!?」

「この樹海にもいたのじゃ!?」

まあ確かにランペイジでもやばい。でも、タイラントでしかもリーダーなんだなこれが。

「アニキ、なんか力になることないスか?」

「乗せていってくれないか?拠点まで」

「お安い御用スよ!」

俺はテュランの背に乗り、ビオラが手招きする。

「お姉さんたち、早く乗って乗って!」

「え……?今からあいつの背に乗るのですか?」

「乗るのじゃ!楽しそうなのじゃ!」

「遊びじゃありませんよ!」

「あの子のためなら乗るわ!」

「鵜呑みにしては……いないようですね」

「心配だから乗ってく!」

「私も乗ります……どうか死にませんように」

最後にビオラが乗り、出発する。

「あの……御二人さんって、付き合ってるのですか?」

テュランが吹いた。俺は笑い過ぎて咳き込んだ。

「おねーさん、僕、男の子だよ………」



道中、トルーパークロウに会ってあわや獣人が落ちそうになったり、ホーンカルタウルスに会って竜人が興奮して乗ろうとしていなされたりといったことがあったが無事到着。

「お城?」「まあそうだよな」

仲間が沢山増えたことで、拠点を大きくしたが、平山城の話したのは迂闊(うかつ)だった……おかげでこーんな立派な城の主になりましたとさ。

「俺はここまでッス。あとはアイツラに乗って行ってくだせぇ」

指し示す方には―

「あれマーダーラプトルじゃないですか!モフモフしてるけどあれはやばいやつ、あれはやばいやつ………」

「あの~……触ってみます〜?」

「!?」

「別に大丈夫ですよ、さわるぐらいなr」

「うわーいモフモフだー!」

「!?」

うーん、ギャップ。というか何処だ、カーバンクルの居住地?

「俺も知ってるんで大丈夫です、さあ、行きましょう」

仲間はいいのか?

「あれから助けに行くのは……」

……わかる。自殺するみたいなもんだ。南無三。



「か、カーバンクルどころかホーリージュエルビーストまで……」

「もう驚かなくなってきたのじゃ」

まあ、50匹に加えさらに50匹仲間になったからな。

宝石を使わせてほしいのだが、いいか?

「問題ありません。そろそろ、生え変わりの時期なので」

あれ?先月も生え変わってなかったか?

「え?生え変わるのは十年に一度だと思うのですが」

「食料や魔力が豊富にあれば、宝石が育ちやすいのです。特にこの3ヶ月は、食料と魔力が特に良かったので、1ヶ月で済んだのです」

それを聞いたやつがここに来たということなのか……

大量に貯まっているから、大丈夫そうだな。

「はいこれ。こいつが必要なんだろ?」

「ありがとうございます!これであの子も救われます!」

「本当にどうにかしちゃった……疑ってごめんね」

「良かったのじゃ、これで万事オッケーなのじゃ!」

「良かったですね、あとは届けるのみです」

「うん!皆、ありがとう、助けてくれて」

コイツラが襲われても大丈夫なよう、見守り部隊としてキラービー達を樹海の出口までつけておく。途中で襲われてパーになるとか、考えたくもない。



「あれから一週間経ったな」

「あの人たち、元気かな」

今は樹海の探索中。ビオラの他に、ボルザとイグロスを連れて来ている。

「私も一目ぐらいは見たかったですな。」

「俺もだ。主に認められた人間たち………一体どんな人物か知っておきたかった」

そう言いながら進むと―

「待て、なにか来る……少し懐かしいな」

「うん。あの人たちだね」

そこには、翼を生やした子をおんぶした彼女たちがいた。

「……一人多いようですな」

「子供だが、注意しておこう……いや、なにやら様子が変だな?」

人間の方が、泣きそうな目で縋ってきた。

「主様!」「主さん!」「……大丈夫だ」

女はこう言ってきた。助けて―と。



「まず聞かせてくれ。帰ったあと何があった?」

「……それは私が説明いたします。実は―」


「治療してもらえない!?どういうことですか!?」

「その子は、天使族だろう。人間ではない【物】を治療するのは、私の意に反する」

「こんな小さい子供ですよ!?子供が病気で苦しんでいるのに、あなたは心が傷まないのですか!?」

「人間が一番えらいのだよ、君。助けるも助けないも、人間次第なんだよ」


「クソッタレが………!」

「それでも命を預かる者の言う事か………!」

「子供だろうと大人だろうと、命を粗末にする奴は畜生以下なんだよ……そんな事すら知らないのかな…?」

三者三様の言い方で、そのクソみたいな医者を罵る。だが、すぐに動かなければならない。

「イグロス、セリエサを読んできてくれ!ビオラはカーバンクルの宝石を持ってきてくれ!ボルザは俺とここで警戒するぞ!」

「了解した!」「分かったよ!」「心得た!」

それぞれ動き出す。そして―

「隠すならもっとやらないとバレバレだぜ?」

「フン。魔物に心を売ったやつが報いを受けただけよ。さっさと始末させ―」

「いま最悪の気分なんだよクズがァ!その口塞いでろゴミ以下がァ!」

初めて使うが、龍将の貫禄と龍眼同時使用だ。

「あ……」

彼女たちは呆然としていた。ボルザは動じることなく、警戒していた。そしてヤツは、恐怖を覚えていたようだ。

「まあどうでもいい、なっと」

【奴等】の腕と足を切り落とした。

「ぎゃあああ!?な、なんで」

「二度言わぬと分からんのか。気配を隠すのが下手なのだ」

そのとおり。まあ、放っておいても良かったのだが、今の気分でその選択は無かった。

「こいつらはどうする?あんたらを狙ってたみてーだし、あんたらが決めてくれ」

「だったら―全員死んでもらうわ」

「馬鹿を言うな!そんなことをしたら、人間の街でのお前らの居場所はなくなるぞ!」

「子どもの病気を治療しないし、挙げ句、命を狙ってくるような場所に意味なんてないわ」

「お前らを匿う場所などないぞ。そいつは人間を嫌うやつだからな!」

「そんな事、俺が一言でも言ったか?俺は人間じゃなくて、人間至上主義とかいうふざけた理念掲げてる奴らが気に入らないんだよ。

―だから人間のお嬢さん、居場所ぐらいならあるぜ?」

「……ありがとう、おかげで決意出来たわ。

これはあんたらからの決別の印よ!」

「や、やめろ―」

そう言って、追跡者の首を切った。

「主様、他は切っておきました」

「ご苦労、と言いたいが、一人逃したか」

「申し訳ありません、どうやら転移して逃げたようで……」

「どうとでもなるから良い。それと、今はそれどころではない」

「連れてきたぜ!」「持ってきたよ!」

さて、治療の開始だ。まずはどうなっているか。調べなければならん。龍眼を使うと―

ーーーーーーーー

名前:リスフィー

状態異常:堕天の呪い

ーーーーーーーー

堕天の呪いだと?どういうことだ?

<堕天の呪い:天使を殺すために作られた呪い。この呪いで死ぬと、堕天使となり、暴走する>

やべえやつじゃねえか!ゾーンエリクシールだけでは無理そうだ。セリエサに解呪の魔法を使ってもらう準備をしてもらい、カーバンクルジュエル(額の宝石)を使う準備をする。

「こいつに願いを込めるんだ、魔力を込めるみたいに!」

「分かった!―お願い、目を覚まして……あなたと一緒に過ごして生きていたいの!目を覚まして、お願いだから……」

………行くぞ。

「ゾーンエリクシール!」「リリースオブカース!」

同時に、カーバンクルジュエルが光を放ち、リスフィーを包む…………頼む。治ってくれ、頼む!

<スキル「美徳・慈愛」が発動しました―>

「うーん………お姉、ちゃん?」

「リスフィー……?リスフィー!」

二人は抱き合う。………良かった、成功して。

「えっと……お兄ちゃんたちが、助けてくれたの?」

「違うよ。俺たちはお手伝いをしただけだ。治せたのは、お姉さんのおかげだよ」

「そ、そうなのですか?」

その通りだ。カーバンクルジュエルは、想いが強ければ強いほど、その効力が高まっていく。成功するかどうかは、彼女の想いにかかっていた。

結果最高の状態で効力が高まったのだ。

「もう大丈夫だよ、リフ」

「うん!ずっと一緒にいるからね!」

<条件を満たしました。スキル「大罪・傲慢」を獲得しました。>

<スキル獲得により、称号『傲慢の支配者』を獲得しました。>

<称号獲得により、リスフィーはプライド・デビルに進化できます。進化しますか?>

「大罪・傲慢って……」「私の暴食と同じですな」

まじかよ……たしかに「ルシファー」は元天使だけど……

「えっと……どうすればいいの?」

「へ?いや、私よくわからないから……知ってるようだしシルマさんが答えて?」

「いや俺よりも適任なやついるって。ボルザ、答えてくれ」

「私に回ってくるのですかぁ!?そ、そうですね、え、えっと、やっぱり進化したいかしたくないかだと思いますが……」

「じゃあ進化する!」パァァァ……!

<リスフィーはジェネラルエンジェルからプライド・デビルに進化しました。進化により、新スキル「魔王の覇気」「魔王の勧誘」「魔導の神」「統率者の才能」「聖禍双装顕現」を獲得しました。>

<条件を満たしました。あと5です>

光が収まると、6枚に増えた翼と、聖なる力を纏った剣と、禍々しい力を宿した槍を携えた、絶世の美少女がいた。

「リフ……だよね?」

「そうだよ、お姉ちゃん」

清濁併せ呑んだ者というのは、まさにこのことだろう。素直にそう感じた。

「シルマ兄さんもかっこいいからね」

「いきなりどうした?まあ、ありがとう」

そんな羨ましそうに見えた?

「すごいね、リフちゃん!」

「美しいのじゃ!」

「かわいい……髪ふわふわしてる……」

一人キャラが壊れているが、それはおいておく。

「拠点に戻るぞ、お前ら。」

「はーい!」「了解した」「承知いたしました」

「さぁ皆さん、行きましょう」

「分かったよ」「りょーかい!」「オッケーなのじゃ!」「了解です」「出発だよー!」

もう暗いし、事情は明日説明するとしよう。

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