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僕は不死王じゃない!!  作者: ラノベゾンビ
第2章
17/34

白王

 あとがきにてタナカのかっこいい台詞候補書いていきます

 100ポイントで1個採用そんな感じでいきましょう。


 クズ王子ーー世界に絶望したので壊すことにしましたーーって作品も書いてます。

 そっちは一人称(主人公視点)多めです。良ければ読んでみてください。


 トリュゴネスは群れで生活する。

 個体としての性能が低いためだ。

 魔物社会は弱肉強食。

 常に生き残りをかけた生存競争にさらされる。

 群れでの生活はそんな生存競争に生き残るための知恵だろう。

 

 群れの規模が大きくなると統率する者が現れるようになる。

 必然的に群れの中で知恵があり強さを持つものだ。

 それが上位(ランプロス)トリュゴネス。

 特徴としては毛並みが少し豊かになり、肉体の強度が増す。

 

 さらに群れの規模が大きくなると統率者を強化しようとする動きが顕著に表れる。

 上位トリュゴネスの性能では群れが統率できなくなるからだ。

 多くの魔物を群れを使い捕らえ食す。

 それを繰り返すことで統率者は稀に公爵(ドクス)トリュゴネスへと進化する。

 体毛はさらに増え、人語を理解する程の知恵を持つ。


 そして極稀に一都市を滅ぼせるほどの規模へと群れが膨れ上がることがある。

 公爵トリュゴネスが数体結託した場合等だ。

 その規模へと膨れ上がった群れは一匹の統率者を立てようとする。

 公爵が複数いることで指揮系統に乱れが出るからだ。

 そうして出来上がったその個体はトリュゴネスの王として君臨する。


 人族でも様々な『王』がいる。

 和を重んじる王、策を重んじる王、金を重んじる王……。

 人族の場合、その特徴を君主号や、尊称で補完する。

 しかし魔物はその体で特徴を表す。

 それは固有進化と呼ばれ、進化した魔物を『固有種』と呼ぶ。

 そのトリュゴネスは武を重んじた。

 気高き王はその体毛を白毛へと変化させ、人族の下半身は完全なる狼のそれになった。

 その神々しい体躯を恐れ敬い公爵達はこう呼んだ――白王(ホワイトレクス)と。


ーー


 「Lv74……」


 タナカは恐怖に体を震わす。

 固有種ーーその強さは他と一線を隔す。

 『ゾンビーズ』時代に何度となく戦ってきたタナカはその強さを知っていた。

 まして相手は武に重きを置いた白王。

 戦いの果てに固有進化したとされる個体。

 『不死王のローブ』があっても勝てるかわからない相手。

 ――分が悪い。タナカはそうとしか考えられなかった。


 「フン……」


 鼻息を一息すると白王は紅いナタを石床に突き刺し、腰を下ろす。


 「殺せ」


 白王が一言そう呟くと6体の公爵(ドクス)トリュゴネスは隊列を組みタナカ達へと襲い掛かった。

 大盾と剣を持つ公爵2体が前衛、杖を持ち紫色のローブを着込んだ公爵2体が駐英、ロッドを持った公爵2体が後衛という隊列だ。

 

 「なめやがってッ!!」


 ミーナは不機嫌そうに言い放つと一足飛びで接敵し、前衛の盾持ち2匹の間を抜くようにスキルを放った。

 

 「貫通槍(ポルアルマ)ッ!!」


 ガキンッ!!

 

 甲高い鉄の音が広間に鳴り響く。2匹の盾持ちが間を埋めるように密着し大盾で”貫通槍(ポルアルマ)”をガードした。


 「何ッ!?」


 ミーナが驚愕を顔に浮かべる。

 今の攻撃は中衛の杖持ち2匹を狙ったものだ。

 それを意図的に防いだ。

 魔物がまるで冒険者の様な動きをすることに戸惑いを隠せないといった様子のミーナ。

 そんなミーナを嘲笑うかのように中衛の杖持ちは魔法を詠唱する。


 「隆起槍(レバタミエントアルマ)

 

 詠唱が終わると地面から土の槍が直線状に生え一直線に並ぶミーナとタナカとリリアを襲う。

 「チィッ」と舌打ちをしつつ横跳びに躱すミーナ。

 恐怖で動けないタナカ。

 リリアが「危ないッ!」と突き飛ばし辛うじて躱すことに成功する。

 「臆病者だ」と白王が呟くと同調したように公爵たちがタナカを嘲笑う。


 「使えねえゾンビだッ!!」


 ミーナは不機嫌そうにそう叫ぶと地面、壁、天井と三角とびで飛び上がり、その美しい水色の髪を靡かせながら宙を舞った。

 美しい顔にニイィと邪悪な笑みを浮かべ嘲笑うかのようにスキルを放つ。


 「死ね雑魚共……紅蓮槍(クリムゾンアルマ)


 白銀の槍から紅蓮の一閃が放たれ公爵達へと直撃すると紅蓮の炎が吹き荒れた。

 炎に包まれる公爵達。

 「ギャオオオッ」と悲鳴を上げつつのた打ち回る。

 焼けただれた腕に力を込めるようにしてロッド持ちがロッドを掲げると公爵達の傷が癒えていった。


 ペッと唾をミーナは吐き捨てるとミーナは公爵達へと槍を突き付けるように構える。

 ゆっくりと起き上がってくる公爵達。

 その隙をつくように鈴の音の様な美しい声が広間に響いた。


 「動かないでッ!闇の(ダークムニカ)!!」


 公爵達の足元から紫色の腕が生え、取り押さえる。

 腕は次へ次へと増えていき公爵達を雁字搦めにする。

 抵抗虚しくガッチリと拘束される公爵達。

 リリアはそんな公爵達を見つめミーナへと叫ぶ。


 「今だよッミーナ姉ッ!!」

 「でかしたリリアッ!弾け飛べカス共……閃光槍(フレアアルマ)


 ミーナの白銀の槍から黄色い一閃が放たれ公爵達に直撃すると、バアンッ!!と激しい閃光が飛び散り公爵達を爆殺した。

 公爵達の焼け焦げた死体の肉片が周囲に飛び散り、白王の頬にべちゃりと一欠片張り付いた。

 グイッと頬に付いた肉片を拭いとる白王。

 ゆっくりと腰を上げ、ミーナを睨みつけた。

 ニイィと邪悪に嗤うミーナ。

 白王を挑発するためわざと閃光槍(フレアアルマ)を選択したのだろう。

 そんなミーナを睨みつけながら白王は口を開く。


 「図に乗るなよ小娘共」


 白王は紅いナタを地面から引き抜く。

 どうやら入り口付近でへたり込みながら震えているタナカは眼中にないようだ。

 体に力を込め臨戦態勢に入るミーナとリリア。

 白王はその獰猛な牙が無数に生える口を大きく開くと咆哮をあげた。


 「ガアアアアアアアアアッ!!」


 あまりの音量に大気が震えた。

 ビリビリと響いてくるその怒気にタナカはより一層震えあがる。

 震える大気の中、白王への警戒を一切反らさないミーナとリリア。

 白王はそんな二人に交戦意欲を刺激されたのかすさまじい速度でミーナへと一飛びで近づき紅いナタで切りつけた。


 ドカンッ!!


 「グワアアッ!!」


 嗚咽を漏らしながら弾け飛ぶミーナ。

 あまりの衝撃に石壁が砂ぼこりを上げながら弾け散った。

 「ウウウ……」と呻きながら石壁の瓦礫をどけつつ立ち上がるミーナ。

 頭が割れたのかその美しい顔には血が滴り落ちていた。

 ミーナは凄まじい眼光で白王を睨みつけると「アアアアアアッ!!」と雄たけびを上げ飛び掛かった。

 凄まじい槍さばきで白王に攻撃を仕掛ける。

 水月、目、喉、陰部……一撃入れば決定打になりえる部位を寸分たがわず狙い突きするミーナ。

 白王は目で追うのも困難な速度で放たれる突きをいとも簡単に躱していく。

 「畜生ッ!!」ミーナはかすりもしない苛立ちに耐え切れず叫ぶ。

 そんなミーナを見て焦りを感じたのかリリアは援護の魔法を放つ。


 「ミーナ姉ッ! 援護するよッ!! 闇の(ダークムニカ)


 紫色の魔手が白王を襲う。

 多数の紫色の腕が白王を捕らえる。

 しかし……


 「フンッ」

 「嘘ッ!!」


 白王が煩わしそうに紫色の腕を掴み、いとも簡単に引きちぎった。

 一瞬動揺するが直ぐに気持ちを持ち直し”闇槍(ダークアルマ)”で援護するリリア。

 煩わしそうにナタを持たない腕でいとも簡単に撃ち落としていく。

 その間ミーナも凄まじい槍さばきで白王に襲い掛かるがかすりもしない。

 

 「もう終わりだな……」


 つまらなそうに白王は呟くとミーナの腹部へと前蹴りを放った。

 バキバキバキッ!! 気味の悪い音を立てながらミーナは弾け飛んだ。


 「ウエッ」


 血反吐を吐きながらそれでも尚起き上がろうとするミーナ。

 そんなミーナにゆっくりと近づく白王。

 ミーナの元へ辿りつくと四つん這いになっているミーナの腹を蹴り上げ仰向けにひっくり返す。

 そしてミーナの腹の上に足を置くとゆっくりと体重をかけていった。


 「ギャアアアアアアッ!!」

 「ミーナ姉ッ!!」


 あまりの激痛に奇声をあげるミーナ。

 ミーナを助けようと必死に魔法を放つリリア。

 しかしもう避ける必要もないと言わんばかりに白王は撃ち落とすことなく魔法をその身に受けるが微動だにしない。

 その光景を見ても震えることしかできないタナカ。

 万事休す。

 誰もがそう思った時、ミーナが叫んだ。


 「ゾンビを連れて逃げろリリアッ!!」


 腰のベルトに仕込んでいた短刀を取り出すと白王の足に突き刺すミーナ。

 激痛に耐えながら「早く行けッ」と叫ぶ。

 「でもでも……」と戸惑うリリア。

 ミーナは美しい顔を激痛に歪ませながら更に大きく叫んだ


 「いいからいけぇええええッ!!」


 その声にビクリと肩を震わせ、意を決したようにタナカの元へ走り寄るリリア。

 目に涙を溜めながらミーナを一別するとタナカを無理矢理引き立たせ広間の入り口へと走り出す。

 ミーナはリリアとタナカが広間から出ていくのを見届けるとポケットから銀の球体を取り出し、入り口へと投げた。

 するとその銀の球体は光を放つと入り口の扉を光の網で封鎖した。

 魔法アイテム――光檻(レイオンブレル)

 本来は魔物の捕獲用の檻として使われるが、穴に貼り付け封鎖用の道具としても活用できる。


 白王はミーナを踏みつけていた足を退ける。

 ミーナを見つめるその目は獲物に対するそれではなく戦士に向ける視線だった。

 白王は紅いナタをミーナの首元へと突き付け口を開いた。


 「なぜ逃げなかった?」


 白王は疑問に思っていた。

 ミーナは強い。

 勿論自分と比べればかなり劣るが。

 それでもあの金髪の少女やへたり込んで震えていた腰抜けに比べれば圧倒的に強かった。

 自分と真っ向勝負では勝てないにしてもほかの二人を犠牲に逃げ出していれば逃走ぐらいはできたはずだ

 ――なのになぜ?

 相手の力量がわからない程の愚か者にも見えない。

 それ故の問いだった。

 

 これが走馬灯か――ミーナは死を覚悟したのか自身の過去を思い出していた

 

ーー

 固有スキル――その個体独自に備わっている固有能力。先天的に備えもつ場合もあれば後天的に発現することもある。


 ミーナは前者だった。

 彼女の所有する固有スキル――戦乙女(ヴァルキリー)

 能力は槍に愛されること。

 彼女は生まれた時から手にした槍の最高のパフォーマンスを引き出す能力を持っていた。

 僅か10歳の少女がBランクの討伐クエストを単騎で成功させた。

 その噂は瞬く間に広まっていく。その恩恵にあやかろうとミーナに群がる冒険者達。

 彼女は固定のパーティを組むことはなかったが臨時でいくつかのパーティに参加する基本ソロの冒険者だった。

 

 あるダンジョンで手に入れた神器級の武器『聖獅子の神槍』。

 彼女はその槍を手に入れたことで更なる高みへと上り詰めることになる。

 

 街から街へと流浪する日々。

 ある街で臨時のパーティに誘われた。

 Sランククエスト「氷鬼の討伐」を達成するためだった。

 そのクエストにはミーナのパーティの他に当時その街最高の2つのパーティが参加していた。

 所謂レイドだ。

 Sランククエストを受注できる3つのパーティにSランク冒険者のミーナ。

 楽勝の雰囲気があった。

 

 しかし待ち受けていた氷鬼は番だった。

 全滅する2つのパーティ。

 ミーナのパーティも満身創痍だった。

 そんな時、パーティメンバーの一人が吸魔の粉塵をミーナに投げつけた。

 そのアイテムは名前の通り魔物を引き付ける効果を持つ。

 ミーナに注意を向ける氷鬼の番。

 その隙にパーティメンバーは逃げ出してしまった。

 

 決死の戦い。

 しかしいくらミーナが強いと言ってもSランクの討伐対象になるほどの魔物を2匹相手取っては生き残るのは不可能だった。

 

 致命傷を負うミーナ。

 自分を殺しに来た冒険者を撃退できたと去っていく氷鬼。

 致命傷を負ったはずのミーナであったが何故か生きていた。

 その傍らには砕けた『聖獅子の神槍』

 『聖獅子の神槍』は装備者の命を一度だけ身代わりになることで守る効果を持った槍だった。

 

 その後ミーナは冒険者を引退。

 聖獅子の神槍を直す為、鍛冶師となりボンズに弟子入りするのであった。


ーー


 過去を思い出し、ミーナは口を開いた。


 「私は逃げねえよ……」

 

 声に力がないが覚悟を決めた強い瞳で白王を見つめるミーナ。

 白王はミーナの覚悟を認めたのか紅いナタを振り上げる。

 そして……


 バコオオォォン!!


 ミーナの頭部に白王の紅いナタが振り下ろされようとした瞬間、広間に爆音が響いた。

 舞い上がる粉塵。

 砂ぼこりがゆっくりと晴れていくとそこには


 ――漆黒の剣を握るタナカが立っていた。


 タナカのかっこいい台詞候補


「素人童貞と現状童貞の価値観は違う……」

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