楽な戦い
俺に向かってくる大勢の騎士。
向かう俺の装備は防御力ゼロのジャージ。勇者と名乗ったが勇者らしい武器は持っていない。このままだと勝ち目はゼロ。
アイクの手に持っている剣、あれ強そうだな!
そうだ!あれをゲットしよう!
《英雄の加護発動・スティール能力》
「行くぜ!うぉりゃぁぁあ!!」
俺は向かってくる集団に手を突き出した。
俺の手は光を放ち、森林全体に一時のフラッシュが騎士たちの目を襲う。
俺も思わず目を瞑ってしまった。
フラッシュが消え、目を瞑った騎士たちとアイクは一瞬見失っていた俺を再び見据えた。
しかし、その場にいたものは一つ違和感を感じた。
「!?武器がない!」
「どこだ!?」
「消えた!?武器が消えたぞ!?」
目の前で喚く騎士たちの前で、全ての武器を手に入れた俺はアイクから奪った剣を持って堂々と立つ。
ふふっ、これで今の俺に敵なし!
「か、返せ!それは勇者にしか使えない聖剣だぞ!」
いや、俺も勇者だし。
「アイクさん!あの人も勇者ですよ!ドラゴンナイトです!」
「くっ!」
しかし、この英雄の加護はめちゃくちゃ便利だわ。状況に応じて適正能力が発動、これは強い。いわゆる無敵ってやつだ。
アランの意思と英雄の加護は同じじゃないのかな?そこんところ気になるけど。
今は目の前の敵?というよりも、可哀想な騎士たちを退治しないとな。
「この聖剣とやら、思ったより軽いな」
「な!あれを軽いだと!?俺はあれを使いこなすのにれだけ掛かったか!」
重いであろう聖剣を軽々を振り回す俺を見たアイクは驚きの顔を浮かべて俺に言ってきた。
そんな顔で言われても、そんなに重くないんだもん。
早速使ってみるか。
「じゃあ行くぞ!」
俺は聖剣を身構え、大きく振りかぶった。
木をも揺らす大きな強風がともに吹き、アイク以外の騎士は全員吹き飛んでいく。鳥たちも飛び去っていってしまうほどの強風だ。
森の中でのんびりしてた動物たち、ごめんね。
「ふははは!下級戦職どもが俺に楯突こうなんて甘いんだよ!!」
言ってみたかった悪役の言葉!!今言えたぜ!!
「よくも騎士たちを!!」
「お前はこの強風に耐えられたようだな」
「当たり前だ!なんのための鍛錬だと思ってる!!」
思ってるって言われても、俺お前がどれだけ鍛錬してるかしらんし………勝手に押し付けないで。
この剣でスキルみたいなの使えないかな?
《スキル・閃光の刃発動》
ほう、閃光の刃か………もしかして、コイツの技か?まぁ、いいか。使ってみよ。
「喰らえ!閃光の刃!!」
聖剣から千の光線が吹き飛び、アイク目掛けて突っ込んでいく。
当の本人は自分の技にビックリしている様子だ。
「なぜだ!僕の技を!!」
ごめん、多分その武器持ったらスキル使用できるんだわ。なんか、ごめん。
「うぁぁぁあ!!」
俺はこのままだと、殺してしまうと思い、光線の軌道を変えた。
さっきよりも強い風がアイクを襲う。
今度こそは吹き飛んでいってしまったアイクは倒れている人ゴミの山に突っ込む。
どがん!と強烈な音がしたけど、大丈夫かな?殺してないよね?俺の手は血に染まってないよね?
飛ばされたアイクは人山からヒョコッと出てくる。
タフだね………
「もう勝ち目はないよ」
「まだだ!僕は王に身を捧げた勇者!最後まで戦い抜くことを使命とする!」
お嬢様を捕まえるのは使命じゃないのか?俺と戦って、目的を忘れたのか。
「その忠誠心と正義感は認めよう。少し眠ってくれ」
ヨロヨロのアイクの頭に最後の一撃を喰らわせてダウンさせた。持っていた剣をアイクの元へ戻す。
まったく、勇者っていうのはみんなこうなのか?だとしたら中々面倒くさいぜ。
さて、アイクも倒したことだし行くか…………って、どうやって行くんだ? イグナイルには先に行かれたから………あれ?
俺またもや詰んでね?




