第五話:ギルドの水晶と、ふたりの加護
ご覧いただきありがとうございます!第5話になります。
ギルドを訪れた葵と航平の二人は、この世界で生きるための『星の加護』の適性を測ることに。
そこで判明したのは、二人の強い絆がもたらしたあまりにも珍しい「特別な力」でした。
二人の関係性がそのまま強さとなる胸熱な展開を、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!
爽やかな朝日と、見たこともない小鳥のさえずりで目が覚めた。
見慣れない木の天井、窓から差し込む青白い光。
一瞬「夢だったのかな」と思ったけれど、隣で気持ちよさそうに寝息を立てている航平の姿を見て、ここが本当に異世界なのだと実感が湧いてくる。
昨日、バルトさんに教えてもらったパンとスープの朝食を済ませ、私たちは街の中心にある『星標のギルド』へと向かった。
石造りの堂々とした建物に入ると、中には剣を背負った戦士や、長杖を持った魔導士風の人々で溢れ返っていた。
熱気と活気に圧倒されながらも、受付の女性のもとへ向かう。
「いらっしゃいませ! 本日はご登録ですか?」
笑顔で迎えてくれた受付嬢のサラさんに導かれ、私たちは奥の部屋へと通された。
そこには、台座の上に鎮座する拳大の透明な水晶が置かれている。
「では、おひとりずつこちらの『星鏡の水晶』に手をかざしてください。おふたりが秘める『星の加護』が可視化されます」
「葵、先に行ってみるよ」
航平が前に出て、緊張した面持ちで水晶に手を重ねた。
直後、水晶が眩い「金色の光」を放つ。その光は力強く脈打ち、水晶の表面に幾重もの文字と記号を浮かび上がらせた。
「これは……! 加護名は【不撓の誓盾】……! 高い防御適性と、仲間を守る際に爆発的な威力を発揮する守護系の強力な加護ですね!」
「守護系……」
航平が自分の手を見つめる。
誰かを守りたいという彼の強い想いが、そのまま力として形になったかのようだった。
「次は葵さん、どうぞ」
頷き、私もそっと水晶に手を触れる。
ふわりと、今度は温かな「銀色の光」が部屋を満たした。
金色の光とは対照的に、穏やかで柔らかな光。
水晶には【連理の星糸】という文字が浮かび上がる。
「【連理の星糸】……? この加護は珍しいですね。対象との絆の深さに比例して、回復・支援効果を劇的に引き上げるサポート系の加護です。しかも……」
サラさんは感嘆のため息をついた。
「おふたりの加護、互いの存在を前提として相乗効果を生む『番の加護』になっています。一緒に行動することで、通常の数倍の真価を発揮しますよ」
「二人でひとつ、ってことか」
航平が嬉しそうに微笑み、私の手を握りしめる。金色の温もりと銀色の優しさが、繋いだ手を通じて心地よく響き合った。
異世界で手に入れた、二人だけの特別な力。
私たちは晴れてギルドの登録証を受け取り、この世界で共に生きていくための第一歩を本格的に踏み出したのだった。
第5話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
お互いを想う気持ちがそのまま力となった『番の加護』を手に入れた二人。
ここからいよいよ、二人で手を取り合って挑む異世界での初仕事・初冒険が始まります!




