第二十話:黒き海域と、大海蛇の急襲
ご覧いただきありがとうございます!第20話になります。
セレスと共に軍艦へ乗り込み、不気味な『黒霧海域』へと足を踏み入れた葵と航平。
濃霧の奥から姿を現したのは、夜霧を纏い無限の再生力を誇る巨大魔獣『黒鱗の大海蛇』でした!
揺れる船上という極限状態の中、セレスを加えた三人の命懸けの連携バトルが幕を開けます。迫力の海上戦をぜひお楽しみください!
「——全員、手すりをしっかり掴め! これより『黒霧海域』へ突入する!」
セレスの凛とした声が軍艦の甲板に響き渡る。
穏やかだった青い海は突如として姿を変え、視界を覆うほどの濃い黒霧が船体を呑み込んでいった。
冷ややかな潮風が肌を刺し、海面は粘り気のある黒色に染まっている。
「……前が見えない。航平、この霧……遺跡のときと同じ気配がするよ」
葵が【星糸の杖】を強く握りしめ、表情を曇らせる。
「ああ。間違いなく『夜霧の芽』か、それに近いものが海の底にある」
航平は【月銀の誓盾】を前方に掲げ、いつでも光壁を展開できるよう身構えた。
その時だった。
ドオォォォンッ……!
凄まじい衝撃と共に船体が大きく傾く。
激しい水柱を上げて海面から姿を現したのは、全身を漆黒の鱗と夜霧で包んだ巨大な魔獣——『黒鱗の大海蛇』だった。
「グオォォォォ昂ッ!!」
大木のような太さの尾が、猛烈な勢いで甲板へ向かって振り下ろされる。
「全員、退避っ——!」
セレスが叫びながらレイピアを抜き放つが、広範囲への攻撃をすべて防ぎ切ることはできない。
「させない……! 【月銀の護壁】!」
航平が前に飛び出し、盾を地面に叩きつける。
展開された金色の光の障壁が大海蛇の巨尾を受け止め、重厚な衝撃音が響き渡った。
「くっ……重い……!」
「航平っ! 【星の導き】よ、彼の力を解き放て!」
すかさず葵が杖を振り、眩い星光の粒子を航平へと注ぎ込む。
光を受けた航平の全身に力が満ち、大海蛇の巨尾を強烈に押し返した。
バランスを崩した大海蛇に向け、セレスの細身が疾風のように躍動する。
「見事な防御だ! ……ハァッ!」
白銀の閃光が大海蛇の首元を切り裂き、黒い血が舞った。
傷口から吹き出した黒霧が不気味に蠢き、傷を瞬時に塞いでいく。
さらに海面が大きく波打ち、数頭の従属魔獣が船を取り囲むように浮上してきた。
「再生している……!? それに数が多い!」
セレスが牙城を崩されたように目を見開く。
黒い海の上、孤立無援の船上。
無限の再生力を誇る海の魔導獣を相手に、三人の真価が試される命懸けの海上戦が始まった——!
第20話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
ついに始まった『黒霧海域』での戦闘!
航平の護壁と葵のアシスト、そしてセレスの電光石火の剣技が見事に噛み合ったものの、夜霧の力で再生する巨大大海蛇の脅威が襲いかかります。
揺れる船上、取り囲む魔獣たち——この絶体絶命のピンチを、三人はどう打開していくのか!?




