第十九話:波間の試練と、認めた力
ご覧いただきありがとうございます!第19話になります。
白銀の騎士セレスから突きつけられた、実力を測るための試練。
港町一番の剣士が放つ鋭い一撃に対し、航平の鉄壁の防御と葵の隙のないアシストが完璧に噛み合います!
息の合った連携バトルと、新たな信頼関係が芽生える熱い展開をぜひお楽しみください!
「——いいだろう。その言葉がハッタリでないか、私の目で確かめさせてもらう」
セレスの言葉に導かれ、私たちは港の訓練場へと向かった。
潮風が強く吹き抜ける訓練場には、ギルドの野次馬や騎士団の兵士たちが集まり、固唾をのんで見守っている。
「私の放つ一撃を、そこの盾で防いでみせよ。それができねば、海の捜索に同行させるわけにはいかん」
セレスが細身のレイピアを構える。
その全身から溢れ出す圧倒的な剣気。港町一番の剣士という噂は伊達ではない。
「航平……!」
「大丈夫だ、葵。信じてくれ」
航平が【月銀の誓盾】を前方に構える。
次の瞬間、セレスの姿が消えた。
(速い……っ!)
瞬く間に距離を詰めたセレスの突刺が、鋭い風の刃を伴って航平の胸元へと迫る。
航平は動じることなく、葵の祈りを受け止めるように盾を僅かに傾けた。
ガキィィィンッ……!
激しい金属音が響き渡る。
セレスの鋭利な突進を受け止めたのは、航平の盾から展開された眩い金色の光壁だった。圧倒的な衝撃を寸分も通さず、航平の足は地面に深く縫い付けられたように一歩も下がらない。
「なに……!?」
セレスの目が驚愕に見開かれる。
その隙を逃さず、葵が【星糸の杖】を掲げた。
葵の掲げた光がセレスの足元を包み込み、優しくも抗えない光の束縛が彼女の動きを完全に止める。
「ここまで、ですね」
葵の穏やかだが揺るぎない声が訓練場に響く。
沈黙の後、セレスはレイピアを鞘に収め、小さく息を吐いた。
「見事だ……。盾の堅牢さもさることながら、間髪を入れず放たれた完璧な後護。互いの呼吸を完全に把握していなければ、今の連携は不可能だ」
セレスは二人の前まで歩み寄ると、右手を胸に当てて深々と礼をした。
「無礼を許してほしい。君たちは本物の使い手だ。……いや、噂に聞く『番の英雄』たちだな?」
「英雄だなんて……私たちはただ、困っている人を助けたいだけです」
葵が照れくさそうに笑うと、セレスの表情も柔らかく解けた。
「ふっ、素晴らしいな。頼もしい限りだ。……これよりルヴァン騎士団は、海の夜霧調査において二人との協力を要請する!」
互いの実力を認め合った三人は、固く手を取り合った。
いよいよ次回、真の脅威が潜む不気味な黒い海へと船を出す——!
第19話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
白銀の騎士セレスとの模擬戦!
航平の鉄壁のガードと葵の完璧な追撃——旅を通じて培われた二人の「呼吸」が、港町一番の剣士を唸らせるスカッとする回となりました!
互いの力を認め合い、いよいよセレスと共に黒いモヤが漂う大海原へ……!




