第十八話:海のギルドと、白銀の騎士
ご覧いただきありがとうございます!第18話になります。
賑やかな港町の陰で、忍び寄る海の脅威に揺れる『ルヴァン』の冒険者ギルド。
騒然とする場に現れたのは、凛とした威厳を放つ白銀の騎士・セレスでした。
異世界の武具を携えた葵と航平に鋭い視線を向ける彼女。新たな出会いがもたらす緊張感と、物語の更なる広がりをぜひお楽しみください!
ルヴァンの冒険者ギルドの扉をくぐると、潮の香りと共に張りつめた空気が肌を刺した。
掲示板の周囲には大勢の冒険者や船乗りが集まり、ざわめきが広がっている。
「港口の警備だけじゃ足りない! 海の魔導獣が夜霧を纏って船を襲うなんて、今までにない事態だぞ!」
「商船も漁船も出せないんじゃ、この街は干上がっちまう……!」
悲痛な叫びが飛び交う中、ギルドの奥からカツカツと澄んだ鎧の足音が響いた。
人混みが割れ、現れたのは白銀の美しい軽甲冑を身に纏った女性だった。
腰には一振りの細身の剣。
凛とした眼差しと青澄んだ瞳が、動揺する冒険者たちを見渡す。
「静かにしなさい。騒いでも海が静まるわけではありません」
その一言で、騒然としていた場が一瞬で静まり返った。
「彼女は……?」
航平が呟くと、隣にいたベテラン風の船乗りに扮した男が教えてくれた。
「このルヴァン騎士団の副団長、セレス様だ。若いが剣の腕は街一番でな。一人で海からの魔物を退けているお方さ」
セレスと呼ばれた騎士は受付で状況を聞くと、ふとギルドの入口に立つ私たちに視心(視線)を向けた。
その鋭い瞳が、航平の抱える【月銀の誓盾】と葵の持つ【星糸の杖】で留まる。
「……そこの二人。その武具、只者ではないな。見慣れぬ気配を纏っているが……何者だ?」
まっすぐに歩み寄ってくるセレス。
その全身から漂う圧迫感に身が引き締まる。
しかし、葵は逃げずに【星糸の杖】を抱き直し、まっすぐにセレスの目を見返した。
「私たちは、王都のギルドから依頼を受けて旅をしている冒険者です。この街の海を脅かす『黒い霧』を払うために来ました」
「黒い霧を……?」
セレスは少し驚いたように目を見張ったあと、厳しくも試すような笑みを口元に浮かべた。
「威勢が良いな。だが、ルヴァンの海は甘くない。
言葉だけでなく、実力を見せてもらおうか」
新天地で出会った誇り高き白銀の騎士。
夜霧の脅威が迫る港町で、新たな協力者となるのか、それとも立ち塞がる試練となるのか——二人の前に、新たな物語の歯車が動き始めた。
第18話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
新章のキーパーソンとなる白銀の騎士・セレスが登場!
凛とした強さを持つ彼女との緊張感あるファーストコンタクト、いかがでしたでしょうか?
異世界の『番の武具』を持つ葵と航平の実力は、ルヴァンの騎士に認められるのか——!?




