第十四話:深淵の祭壇と、歪んだ記憶
ご覧いただきありがとうございます!第14話になります。
隠し通路の先で二人を待っていたのは、壁に刻まれた古代のレリーフと、夜霧を発生させていた不気味な『黒結晶』
その前に佇む、仮面を纏った謎の男でした。
これまでのモンスターとは一線を画す「意志ある敵」の登場により、物語は一気に核心へと動き出します。緊張感あふれる展開をお楽しみください!
隠し通路の先は、緩やかな下り坂になっていた。
【星糸の杖】が放つ光が照らし出す壁面には、かつてこの地で暮らしていた人々の暮らしや、天空から降ってきた「ふたつの星」を描いた浮き彫り(レリーフ)が残されている。
「これって……私たちみたいな『番』のことなのかな」
葵が指さした壁画には、金と銀の光を纏った男女が、世界を覆う影と戦う姿が刻まれていた。
「……たぶんね。俺たちがこの世界に呼ばれたのも、偶然じゃないのかもしれない」
手を通わせながら奥へ進むと、急に視界が開けた。
そこは地下広場のような巨大な祭壇の間だった。
中央に浮かんでいるのは、赤黒い不気味な光を放つ巨大な『黒結晶』この遺跡全体を覆っていた『夜霧』は、すべてこの結晶から湧き出していたのだ。
そして、その結晶の前には——黒いローブを纏い、顔を仮面で隠した謎の男が佇んでいた。
「……ほう。まさか、あのゴーレムを退けてここまで辿り着く者がいようとは」
掠れた低い声が広い祭壇に響き渡る。
男が振り向くと、その手に持った杖から溢れ出た濃密な夜霧が、蠢く刃となって襲いかかってきた。
「危ない……っ! 【月銀の誓盾】!」
航平が即座に前に躍り出て盾を構える。
ガキィンッ! と金属音が弾け、霧の刃を弾き返したが、衝撃で航平の足がわずかに後退した。
「航平!?」
「大丈夫だ……! だが葵、こいつはこれまでの異形とは違う。……人間だ!」
仮面の男は冷たい笑みを浮かべ、黒結晶に手をかざした。
「よくぞこの『夜霧の芽』を見つけてくれた、異世界の番たちよ。だが、真の絶望はここからだ」
黒結晶が不気味に明滅し、祭壇全体の空気が一変する。
これまでの魔物とは一線を画す「意志を持った敵」の登場に、二人は武具を強く握り締め、背中を合わせたた。
第14話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
隠し通路の奥で二人を待ち受けていたのは、夜霧の発生源『黒結晶』と、怪しげな仮面の男……!
壁画に刻まれた古代の『番』の記憶など、世界の謎が一気に動き出す回となりました。
これまでのモンスターとは違う「意思を持った敵」を前に、二人はどう立ち向かうのか——!?




