相当すけべなあひるのこ
ぐへへ
北京ダックにされたけど
地獄から戻って来たよ
おねいさんのスカートめくりまくってやる
見てろ
この世をすけべで染めてやる
すけべを理由に食材にされたあひるのこは
自信に満ち溢れて帰って来た
元々すけべだったのが
もっとすけべになって帰って来た
どれぐらいすけべかというと
相当
「おーい、わんぱく」
あひるのこを見ていたこむが言った。
「なんだい、こむくん?」
わんぱくはにこにこしながら答えた。
「『相当』ってどういう意味だや?」
「うん、この場合、『かなり』って意味だね。あひるのこはかなりすけべになって帰って来たんだ」
「意味わからん」
こむは地団駄を踏んで悔しがった。
「じゃ、最初から『かなりすけべなあひるのこ』って言えばいいだないか!」
「いや、語感がね。『あひるのすけべさは相当なもん』だって神様は言いたかったんだよ、たぶん」
「どのぐらい相当?」
こむは食い下がった。
「『2千万円相当の品』みたいな言い方で言えば?」
わんぱくはかなり面倒臭そうな顔をしながら、作り笑顔で答えた。
「うーん。それはこむくんが『かなりの額だ!』と思える数字を自由に思い浮かべればいいんじゃないかな。アハハ……」
わんぱくはこむが嫌いになりかけていた。
「じゃあ、ひょひはんの全財産ぐらい!」
こむはそう言うと、勝手に納得して、上機嫌で帰って行った。
取り残されたわんぱくは考え込んだ。
ひょひはんの全財産っていくらぐらいなのか、知らなかった。
2千万円程度では間違いなく済まないだろう。おそらくはその百倍か、千倍か……。
相当あることだけは間違いなかった。
「自分の女房の財産も把握していないなんて……」
わんぱくはその場に両手をつき、がっくりと項垂れた。
「相当っていくらだよ……」
ぐへへ、と鳴きながら、相当すけべなあひるのこがその前を通って行った。
町にすけべを振り撒きに行く気だ!
放っておくと町ですけべが猖獗を極め、パンデミックになるかどうかは、あひるのこのすけべさがひょひはんの全財産相当だとして、ひょひはんの全財産の正確な金額次第である。




