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コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
62/68

相当すけべなあひるのこ

ぐへへ


北京ダックにされたけど


地獄から戻って来たよ


おねいさんのスカートめくりまくってやる


見てろ


この世をすけべで染めてやる



 すけべを理由に食材にされたあひるのこは

 自信に満ち溢れて帰って来た

 元々すけべだったのが

 もっとすけべになって帰って来た

 どれぐらいすけべかというと


 相当



「おーい、わんぱく」

 あひるのこを見ていたこむが言った。


「なんだい、こむくん?」

 わんぱくはにこにこしながら答えた。


「『相当』ってどういう意味だや?」


「うん、この場合、『かなり』って意味だね。あひるのこはかなりすけべになって帰って来たんだ」


「意味わからん」

 こむは地団駄を踏んで悔しがった。

「じゃ、最初から『かなりすけべなあひるのこ』って言えばいいだないか!」


「いや、語感がね。『あひるのすけべさは相当なもん』だって神様は言いたかったんだよ、たぶん」


「どのぐらい相当?」

 こむは食い下がった。

「『2千万円相当の品』みたいな言い方で言えば?」


 わんぱくはかなり面倒臭そうな顔をしながら、作り笑顔で答えた。

「うーん。それはこむくんが『かなりの額だ!』と思える数字を自由に思い浮かべればいいんじゃないかな。アハハ……」

 わんぱくはこむが嫌いになりかけていた。


「じゃあ、ひょひはんの全財産ぐらい!」

 こむはそう言うと、勝手に納得して、上機嫌で帰って行った。


 取り残されたわんぱくは考え込んだ。

 ひょひはんの全財産っていくらぐらいなのか、知らなかった。

 2千万円程度では間違いなく済まないだろう。おそらくはその百倍か、千倍か……。

 相当あることだけは間違いなかった。


「自分の女房の財産も把握していないなんて……」

 わんぱくはその場に両手をつき、がっくりと項垂れた。

「相当っていくらだよ……」


 ぐへへ、と鳴きながら、相当すけべなあひるのこがその前を通って行った。

 町にすけべを振り撒きに行く気だ!

 放っておくと町ですけべが猖獗しょうけつを極め、パンデミックになるかどうかは、あひるのこのすけべさがひょひはんの全財産相当だとして、ひょひはんの全財産の正確な金額次第である。





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