かわいいものをあつめよう
「さあ、みんな! みんなで楽しいことをしてあそぼう!」
コラが尖った肩を楽しそうに尖らせて言った。
「何してあそぶの?」
こむが聞いた。
「楽しいことは大好きだぜ」
いけさんが殺る気まんまんで銃を掲げた。
他の動物たちは言葉がわからなかったのでただ頷いていた。
「かわいいものを集めよう。森でかわいいものを見つけてここへ持って来るんだ。一番かわいいものを持って来たひとが優勝さ」
「つまりてめーの気に入るものを持って来い……と?」
いけさんが殺意をあらわにした。
「いや、審査員はぼくじゃないよ」
コラは尖った手を横に振った。
「審査員はこの方です」
「ぷー!」と、かわいこぶりながら、おまわりさんが飛び出して来た。
「かわいいもの評論家のぴんだよー☆ よろちく!」
早速こむがかわいいものを持って来た。
「どんぐり」
コラはそれを見て興奮した。
「おお! 絶妙な小ささと丸さのどんぐりだ! これはかわいいぞ!」
「バカか」
ぴんは吐き捨てた。
「そのどんぐりとこのぼくと、どっちがかわいいか見較べてみろ」
こむはどんぐりを見、次にぴんを見た。
ぴんは生後1ヶ月の子猫のようにコロコロと転げて見せた。
「かっ、かわいすぎる!」
こむは地面に手をついた。
「こんなにあざといものが、なぜ、こんなにもかわいいんだ!?」
いけさんがかわいいものを持って来た。
「いやぁ、苦労しましたよ」
杉下右京の声で言った。
「これを掘り返すのは大変でした」
惨殺されたこどものもみじのような手だった。
「それはないでしょう」
コラはドン引きした。
「遅い」
ぴんは批評した。
「既にそれは腐っており、かわいさを失っている。もう少し早ければ一番かわいい時期だったろうに」
そこへ森に迷い込んだ人間が姿を現した。
見慣れない何かが集まって、惨殺されたこどもの手を囲んで何かやっているのを見、彼女は恐怖した。
「あっ。アカイ・ソラだ」
こむは気づくと、フレンドリーに手を振りながら歩み寄った。
「帰り道、見つかった?」
ソラはフライング・ドロップキックでこむを突き飛ばすと、逃げて行った。
逃げて行くその後ろ姿を見送りながら、ぴんが言った。
「あれをここに持って来い。あれをここに持って来たやつが優勝な」




